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【読書感想】言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか

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 ちなみに、塙さんは「20分以上のネタをやらせたら、ナイツが日本一」だとも仰っています。

 塙さんは、『M-1』がお笑い界において、とてつもなく大きな存在であるのと同時に「『M-1』=漫才ではなく、あくまでも、漫才のなかの一種目にしかすぎないのだ」と考えているのです。

 とはいえ、陸上競技の100メートル走のように、注目が集まりやすい競技ではありますし、自分たちの適性とは違っていても、挑戦する価値があるのでしょう。

 「漫才における細かい技術や注意点」についても、演者の立場から、詳しく語られていたのも印象的でした。

 当たり前のことだけど、本番では、互いに「初めてしゃべってる」「初めて聞いた」という風を装ってしゃべります。ボケが変なことを言ったら、ツッコミは「何を馬鹿なこと言ってるんですか」と驚いた顔をします。その驚きが嘘くさく見えると、お客さんの共感は得られません。

 あと、ありがちなのが、慣れてくると相手のセリフを聞き終える前に次のセリフを言っちゃうんだよね。言葉をかぶせてしまうのは論外ですが、この状況でこう言われたら、普通、少し間ができるだろうというところで、すぐに返してしまう。お客さんは瞬時に、不自然さを感じ取ってしまう。コンマ何秒のズレですが、そういう違和感は、お客さんに伝わってしまうものです。

 僕は土屋とのやり取りが惰性にならないよう、ネタ中に、まったく予定にないセリフをちょいちょい入れます。もちろん、土屋は素で「何を言い出すんですか」という顔をします。それがいい。やり過ぎは禁物ですが、ときどきかませば、土屋も「いつ何が飛んでくるかわからない」と緊張感を持ってこちらの話に耳を傾けるようになります。

 ときどき、うまいけど笑えないよなというコンビを見かけます。じっと観察していると、だいたい演者の言葉に気持ちが入っていません。言葉に気持ちを込めるといっても、単純に大声を出したりすればいいというものでもない。目線とか、体のちょっとした動きにも出てくる。

 M-1を見つづけてきた人たち、そして、「何を基準に審査しているのだろう」と疑問を抱いてきた人たちにとっては、「待ってました」という内容になっていると思います。

 面白いって、こんなにも奥が深いのか。

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