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今年も攻めたNHK『バリバラ』(2)「僕とセックスできますか?」

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 今回の『バラバラ』が放送した『2.4時間テレビ』では、生放送中に視聴者がツイッターやメールでメッセージを送ったりする双方向の放送がかつてなく機能していた。その中でも傑出していたのが「電話相談」である。これが深夜のラジオ放送のように生々しく深刻なやりとりだった。

「車イスの障害者でも風俗店に入れますか?」

●脳性まひのある男性・ユウキさん(22)からの電話相談

「家にデリヘル嬢を呼ぶとき。車イスの障害者というだけで断られてしまう。10軒中1軒しか応じてくれない。

高校時代に車イスの彼女がいたけど、デートのときに親同伴だった。

ホテルに行っても段差などがあってスペースが狭くて入れない」

 これに対しては現役風俗嬢アイドルという山村茜が主に答えた。

 「五反田だと***という店がある」などと具体的にどこの店なら車イスでも利用可能かという情報を提供したが、他方でラブホテルの問題は「バリアフリーのラブホテルは数が少ない」と山村もコメントし、一般的にはあまり知られていない情報が放送された。

「僕とセックスできますか?」

 『バリバラ』で過去に放送されたVTRを振り変えるコーナーで、性の対象になる障害者とならない障害者がいるという脳性まひの男性から問いかけがなされた。その男性は「僕とセックスできますか?」という問いをいろいろな女性にぶつけて玉砕していた。

 それに対してはスタジオの女性たちから、健常者でも会っていきなり「僕とセックスできますか?」というのは論外で、まず相手に「好き」と好意を示してからだろうという声が多数を占めた。

 その上で、YOUの以下の言葉が説得力があった。

(YOU)

「健常者でもやっぱり何回相手とメシを食っても、全然ムラムラしない、とかある」

(山村)

「すごいわかります」

(YOU)

「でもそれは嫌いなわけじゃない。人として大好きなんだけど、セックスしない人とも限らないかな? だかこそは別に障害があるからとか、ないからの全然前に、(そういうことが)いっぱいある。普通に。不思議なんだけど。すごい時間を一緒にすごしやすくて、楽しいんだけど、うーん、セックスするのはなあ・・・という」

 こんなトークの後に、障害があるゆえに恋愛に奥手になってしまうという女子大学生クロエさんと電話がつながる。

「障害がある私は恋愛をどう進めればいいのか?」

 初めて異性を好きになたという感情を抱いた相手は同じ大学生の男子。まだ友だちというほどの仲になっていないのだという。

 スタジオからは、障害を持った女性がかつて相手に告白したという体験を披露されたり、LINEを交換して直接やりとりした方がいいというようなアドバイスを贈られたりしていた。

 さて、ここまではこれまでの『24時間テレビ』の裏番組としての『バリバラ』の生放送特番という感じだったが、この後で次第に『バリバラ」らしさが出ていくのが、今年の放送ひと味違うところだ。

「”好き”の意味がわからない」

 次のVTRでは、ある健常者の男性がある女性に勇気を振り絞って「好きだ」と告白したところ、その女性から思わぬ反応が返ってきたというエピソードが紹介される。

「好きってどういうことですか?」

「あなたが好きなのは私の顔ですか?」

「声ですか?」

「それとも髪型ですか?」

「その気持ちはいつからですか?」

 矢継ぎ早に質問攻めに遭ってしまった。

 この女性の当人が顔を出してインタビューに答えている。

「異性に 『好きです』と言ってもらったんもかかわらず、異性に言われたこととか『好きです』の意味がわからず、『セックスがしたいのか?時間の共有をしたいのか? 私に何をして欲しいんですか?』と聞き返しました」

 この女性は「自閉症スペクトラム」という発達障害を抱え、抽象的なことや人の感情が理解しにくいのだという。

「私の場合、何でもそうだけど曖昧なものっていうのはこれが好き、とか、たとえばシュウさんのメガネが好き、とか、話し方のタイングが好き、とか、いろいろそういうのが何個あったら、『好き』ということになるんですか?(とわからない)」

 この当人の話を受けて、スタジオでは「好き」って何だ?という議論がまた女性陣を中心に繰り広げられる。

 よくよく考えてみれば、根源的な問いだ。

(エリイ)

「死んでほしくない」

(YOU)

「いなくなってほしくない」

 などという話が出た後、スタジオにいて脳性まひと発達障害を抱える近藤宏樹さんに話が振られる。

「相手の気持ちを考えずに求めすぎることもあったり、かといって求めないとそこに行かないし、どの程度求めていっていいのか。普通のものなら説明書とかあって注意事項と書いてあるけど書いてない」

 彼の話から、最初のデートについてはマニュアルなどが存在しないという話に広がっていく。

 話はどんどん人が人を好きなることの意味をそれぞれが考えるようなコメントをする。

 番組のツイッターには、以下のような文章が表示されていた。

「哲学的過ぎて目が覚めている、明日しごとなんだが」

「精神障害ある私を毎日好きと言ってくれる夫が好きです。」

「私も自閉症スペクトラムで『重度』の部類に入っているのだけど、好きの意味を国語辞典で調べたというエピソードがある」

「ムラムラしてよ」

  顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの“セクシーセレブ姉妹”「エログロナンセンス」が筋肉が動かない中でのあえぎ声を発して笑わせるコントにしている。片割れのなつさん(53)は、結婚した夫のまさきさん(42)と結婚して11年。まさきさんも下半身に障害を持っているが、日中は働いていて仕事後の買い物や料理など家事全般はまさきさんの担当。

 結婚して数年して夜の営みがめっきり減ったという。

(まさき)「そんなに好きじゃないのかもしれない」

(なつ)「何を?私を?」

(まさき)「私は好きだよ」

(なつ)「びっくりした・・・・セックスが好きじゃないの?」

(まさき)「そういうことだと思います」

 介護する相手とセックスしたいとは思わないという気持ちが夫にはあるという。

 ただ、結婚してしばらくすると、性交渉は少なくなることは健常者でもごく当たり前のように起きるとYOUがコメントする。

「最初の頃は新鮮でも、子どもができたり、できなかったり、一定の期間、(一緒に)いると誰でも減っていくじゃん。普通でも。でもその替わり、人として、『同士』じゃないけど、『家族』じゃないけど、それは悪いことじゃない。セックスレスが。セックスレス=悪いこと、ではない」

 これを受けてエリイも強気の言葉を挟む。

「悪いというイメージがあるけど。あとは焦り? やった方がいいんだみたいな。やらなくていいと思います」

 そんな話の後で、さきほどVTRに出てきたなつさんの近況がスタジオにもたらされる。相変わらずセックスレス気味ではあるが、家事を分担してもらうホームヘルパーに任せるなどして、ラブラブの関係が続いている、という。

 障害を持った人が、障害ゆえに感じている「不自由さ」がこうして語られていった。

 障害者の様々な問題を語る、という本家の『24時間テレビ』が民放という制約や高視聴率番組という制約などがあって、おそらくこの先もけっして触れることができないテーマが障害者の「性」の問題である。

 トイレ休憩の前にこれまでいろいろな人を接客したという現役風俗嬢アイドルの山村茜が総括した。

「服を脱いでベッドの上にいくと、たどりつくところはみんな一緒。障害の有無は本当に関係ない」

 昨夜は放送中に「バリバラ」という言葉がトレンド入りした。それが視聴者からのツイートで寄せられた。

 この後はまた別の機会に。

(続く)

※Yahoo!ニュースからの転載

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