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開発神話を超えてアフリカの今と向き合う



 8月28日から、横浜で第7回のアフリカ開発会議(TICAD)が開催される。

 アフリカ55ヶ国から30人を超える首脳や国連機関が一同に会し、「イノベーションと民間セクターの関与を通じた経済構造転換の促進」や「持続可能かつ強靭な社会の深化」などが議論され「横浜宣言」が出されるという。

 日本政府が主導して第一回のアフリカ開発会議が東京で開催されたのは1993年。冷戦後、東西の対立がなくなり西欧諸国のアフリカへの関心が薄まる中、 当時ODA(政府開発援助)が世界一の規模だった日本がアフリカ開発のために力を発揮し、アフリカでのプレゼンスを高めたいということで始まった。その背景には、国連常任理事国入りを目指す日本の思惑もあったとされる。

 それから四半世紀。高い経済成長率を示す国も登場するなか、TICADの役割も変化している。また、アフリカにおける中国のプレゼンスの拡大や、投資先としてのアフリカの位置づけ、部族間闘争後のアフリカの国々の再建の状況、アフリカ連合の動きなど、12億人が暮らすアフリカの状況も大きく変わってきている。

 アフリカの問題に長年関わり、市民社会の代表としてTICADにも参加してきたアフリカ日本協議会の稲場雅紀氏は、アフリカを利用してビジネスチャンスを探すような動きに警鐘を鳴らす。確かに、携帯電話の普及や、ドローンを利用した様々なサービスなど、イノベーションによる“リープフロッグ”とよばれる発展の可能性は大きい。しかし、規制がゆるいアフリカで技術革新を、といった安易な考えが背景にあるのではないかと稲場氏は危惧している。

 西サハラ問題も避けては通れない。あまり報道されていないが、AUの一員であるサハラ・アラブ民主共和国は40年以上もモロッコと対立関係にあり、日本は国として認めていないため、その参加をめぐってTICADの開催を危うくするような状況であるという。稲場氏はそもそもこの西サハラ問題は、モロッコが西サハラに進出して多くの難民がうまれたことから始まっており、民族自決と人権の問題として公正な解決が必要ではないかと指摘する。

 アフリカの経済の状況から市民レベルの文化交流まで、知っておくべきアフリカの現状について、20か国は訪ねたという稲場氏に、社会学者・宮台真司とジャーナリスト・迫田朋子が聞いた。

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