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民主主義を取り戻すための若者の挑戦

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戦後2番目に低い低投票率をどう乗り越えるべきか?

7月21日投開票の第25回参議院選挙。
投票率は50%を切り、戦後2番目の低さという結果に終わりました。

政治への関心を高めようと活動している私たちにとって、
この結果は非常に悔しく残念なことでした。

今回のことを反省し、今後の活動へつなげていくため
「参院選振り返りSP 戦後2番目に低い投票率をどう乗り越えるべきか?」をテーマにYouTubeでライブ配信をしました。

私、たかまつなながNPO法人や会社、学校の先生、学生さんなど、選挙活動に関わる方々と電話をつなぎ、一緒に選挙を振り返りました!
本日は8名の方をご紹介します。

ライバル団体ですが、そんな壁は取っ払います!メディアの皆さん、衆院選の時の取材先としてご参考くださいませ!!

有権者に必要な情報を見える化


●NPO法人Mielka(ミエルカ)/ 代表理事 徐東輝(Tonghwi Soh)さん
http://mielka.org
 日本の民主主義の成熟・アップデートを目指し、政治情報を届けるシステムと未来を担う人を育てる教育を創るべく、政治×テクノロジー×教育を軸に事業を展開するNPO法人。運営するWebサービス「JAPAN CHOICE」は約50万人のユーザーが利用し、これまで15,000人以上の学生に対して教育事業を実施している。

ー今回の投票率についてどう思いますか?
 想像通りというか、盛り上がっていなかったので、こんなものだろうと思いました。
 Mielka設立当初(2014〜2015年)は、若い人たちの投票率が低いことを一番の課題として認識していましたが、2016年以降は信頼できる情報の不在・接触不足が民主主義の最大の課題と認識を改め、現在は「有権者が合理的な意思決定のできるシステム・情報」を提供する方にシフトしています。

ー今回の振り返りと今後のことを教えてください。
 2017年の衆院選時にリリースしたJAPAN CHOICE※は、選挙の際に必要な情報を集約化したWebサービスです。中には官公庁のサイトを見ればすぐに分かる情報もありますが、例えば総務省のHPで行政予算のPV数なんて1万もないでしょう。でもビジュアライズして“見える化”しただけで20万人が見るんですよね。
 前回の衆院選と今回を合わせて、累計で50万人くらいのユーザー数でした。若い世代の無党派層1~2%がやっと使い始めたという印象です。その人たちにリーチするためには、100万人、200万人単位が使えるようなプラットフォームにならないと、(新聞やテレビなどの)メディアの代替になる情報源にはなりません。そこが課題と思っています。

※JAPAN CHOICE
https://japanchoice.jp
 行政府、立法府に関するデータを分かりやすく可視化するWebサービス。過去の公約の実現度合い、国家予算の使い道などを知ることができたり、簡単な質問に答えて自分の意見に合った政党をマッチングしたりもできる。2018年には第5回「広告業界の若手が選ぶ、コミュニケーション大賞」(一般社団法人日本広告業協会主催)で優秀賞受賞。

「割引き」で選挙を祭りに


●「センキョ割」仕掛け人 株式会社ワカゾウ・佐藤章太郎さん
http://senkyowari.com
「センキョ割」は、選挙に行ったら飲食店で割引や特典サービスが受けられるしくみで、ワカゾウが2012年に発案。現在は全国約950店舗以上で展開。公職選挙法違反を防ぐため商標登録してルールを制定。使用するには加盟義務があるが、料金は無料。

ー今回の投票率についてどう思いますか?
 ある種、予想通りです。今回のことはもちろんショックではありますが、効果がなかったとは感じていません。効果測定は無理ですが、デモクラシーを補完するシステムとしてはあってもいいと思っています。

ー今回の振り返りと今後のことを教えてください。
 ネットやメディアで扱っていただけたので、センキョ割で楽しんでいる人の声は今までになくいただけました。ただ、これは多少なりとも政治を意識している人たちであって、一番届けたい人には一切届いていない。その壁を強く感じています。
 選挙について合理的なアプローチをしている団体さんはたくさんあるので、うちではお正月やクリスマスのような非日常を感じさせるアプローチがあってもいいのかなと思っています。そのために今後も地道に店舗開拓をしていきたいです。

学校が投票率を上げる


●日南学園高等学校(宮崎県) / 先生 穐田 幸治さん
一部クラスで実施している「票育プロジェクト」で、地域の課題を取り上げて主権者教育をしている。3年前にはNPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」とコラボして生徒たちが市内の産業や雇用についての課題に取り組んだ。
(参考)NPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」 当時の研修レポート
http://boku1.org/news/?p=4236

ー今回の投票率についてどう思いますか?
 選挙に行った生徒の人数はまだ分かりませんが、投開票日の前週に笑下村塾の政治教育指導をしていただいて、例年よりも子どもたちの意識は上がったと思っています(インタビューは7月22日)。
 地方であること、また学校であることに難しさを感じています。志望大学のオープンキャンパスと重なっていたり、期日前投票に行こうにも山間部で交通手段がなかったり。

ー前回、宮崎の18歳以下投票率はワースト2位でした。
改善のために取り組んでいることはありますか?

 先生個人の政治的思想が入ってしまうのではないか、と心配して踏み込めない学校や先生が多いかもしれません。また、選挙の争点やマニュフェストを取り上げたくても、限られた探求活動内では厳しい。
 子どもたちが普段のニュースが自分にも関係するということを知り、主体性を持って社会問題に向き合っていけばもっと広がるかもしれません。物理的な面でも、交通手段や学校に期日前投票場を設けるなど、できることはあるかなと思いました。

若者が手がける政治家の代理店


●株式会社POTETO Media / CEO古井 康介
https://poteto.media
「政治を、わかりやすく」をモットーに政治家専門の広告代理店、高校生への主権者教育などを行う。今年7月にはゲーム要素を取り入れた政治の知識や技能を学べるWebテスト「政治検定」(https://seijikentei.jp)をリリース。

ー今回の投票率についてどう思いますか?
 若者の投票率は決して高くはない。だからこそ政治検定などを通して気軽に政治に触れる機会を増やしていきたい。

ー今回の振り返りと今後のことを教えてください。
 私たちは政治家のプロモーション、政治家と有権者を繋ぐコミュニケーションの部分を担っています。今回、政治家の発信をSNSなど使って有権者に直接届けていたのですが、負けると言われていた候補者がインプレッションと連動して支持を上下させているのを見て、反応の大きさを実感しました。
政治家の悪い部分ばかり報道されがちですが、制度を作るために一生懸命活動している姿もあります。でもそういった部分はあまり有権者に届いていません。政治に関する情報を受信しやすいように変換するのがPOTETOの仕事だと考えています。PRや主権者教育にこだわらず、その時々必要なことをやっていきたいです。


現役女子大生がインスタグラムでオシャレに


●NO YOUTH NO JAPAN 能條桃子さん
https://www.instagram.com/noyouth_nojapan
参院選に向けて同世代の投票率を上げようと、デンマーク留学中の能條さんら4人で企画し投開票日2週間前に活動開始。インスタグラムを中心にオシャレで気軽な呼びかけを行った。

ー今回の投票率についてどう思いますか?
 ここ2,3日でフォロワーが増えて10~20代の若い人からのポジティブなメッセージもあったので「今回上がるかも」って思っていたんですが、2週間では伝わらないですね。デンマークは20代の投票率が80%。彼らは特別な人ではなく、自分たちの社会に関心があり、政治と繋がっていることを知っているから投票に行く。自分たちは主権者であると20代の私たちが声を上げていくことが大事です。

ー今後やりたいことや課題はありますか?
 中立性が大きな難しさではありますが、引き続きInstagramの発信は続けていきたいです。例えば毎月21日を「国民する日」として、社会を振り返られるようなコンテンツを配信します。日常に少し政治を知って考える機会を増やしたいです。若い世代と政治を双方向につなぐ翻訳者になりたいと思っていて、分かりやすく伝えるだけでなく、若い世代の声を上げるという活動もしていきたいです。
 今回のインスタをきっかけに100名のメンバーが集まったので、次回の選挙に向けても動いていきたいと思っています。

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