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横浜にカジノは必要がない理由

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◆林文子市長のカジノ誘致表明を受けて

林文子市長が、カジノを含む統合型リゾート(IR)の横浜市への誘致を表明しました。

市長は誘致を巡り当初「持続的な発展のために必要」と前向きな姿勢を示したものの、地元企業グループや市民団体からの反発を受け、2017年の市長選を前に「白紙状態」であることを宣言し、選挙での争点化を避けました。

にも関わらず、だまし討ちの形で今回の誘致の意向を表明したことには怒りを禁じ得ません。 本日の市長による表明は、今秋の国会でカジノ委員会が設置されるという状況にせかされ、横浜市民に対して十分な説明責任を果たしていない不誠実極まりないものであります。

◆カジノ誘致に関する国民の声

2017年7月の市長選当時、共同通信社の出口調査の結果では、61.5%の人が「誘致すべきではない」であり、「誘致すべきだ」の人はわずか16.3%でありました。

全国を見渡しても、2018年3月の共同通信社の世論調査で、カジノを解禁することに反対が65.1%で、賛成の22.6%を大きく上回っております。

朝日新聞が2018年7月15日に行った調査では、その声がより大きくなり、IR実施法案を今国会で成立させるべきかどうか尋ねたところ、反対が76%であり、賛成の17%と比べると大きな開きがありました。 その最大の理由は、「金儲けのために民間賭博を解禁すれば、それが子どもや若者の価値観に大きな影響を及ぼし、それが世界に冠たる安全な社会秩序を築いてきた日本人のモラルを崩壊させてしまう」と危惧する多くの国民の感覚だということです。

横浜市でもパブリックコメントの94%が否定的でありました。

こうした状況を見ても、多くの国民はカジノを進めることを望んでおりません。

カジノ事業関係者だけの声に耳を傾け、住民投票を拒否して国民を無視する形で事業を進めることは許されないことであります。

◆カジノによる社会的影響

カジノは古き良き日本文化を破壊する危険性が極めて大きく、また開港の地・横浜の守り育てた伝統にも相応しくないと考えます。

さらに、ギャンブル依存症、マネーロンダリング等の問題も治安悪化に直結することは言うまでもありません。

ギャンブル依存症はWHOで認知されている精神疾患であるにもかかわらず、日本においては調査や対策がほとんど行われてこなかったのが実情であり、その不安を拭い去ることは全くできておりません。

推進派の方々は、ギャンブル依存症対策を

「しっかりやる!」「しっかりやる!」

と大合唱で仰られますが、アルコール・薬物をのぞいたギャンブルだけの厚生労働省依存症対策予算は、わずか1942万7千円でした。

また現状政府から示されたとされている規制案では、カジノに入る抑止力として、「入場料6000円」・「入場回数を連続する7日間で3回、連続28日間で10回」という規制がかけられるということですが、冷静に考えてみてください。

一回、数十万、数百万、数千万の勝負をしに来るカジノ顧客が6000円を気にするのかといえば、甚だ疑問です。

そしてそもそも月に10回もカジノに行くようであれば、その方は既に依存症が疑われても仕方がない状況であり、これが規制と呼ぶにはあまりにもお粗末です。

ギャンブル依存症に対する抑止効果は残念ながら殆どないと考えられ、これを世界最高水準のカジノ規制と言っているのであれば鼻で笑ってしまうレベルです。

横浜市が示した資料の中にギャンブル等依存症や治安悪化などへの対策が記載されているが、内容は。

「政府はこう言っています。」

「事業者はこんなこと言ってます。」

という中身が全くないものであり、準備を怠っているどころか泥棒に金庫番をさせるような記載を堂々と公表している稚拙さに恥ずかしさすら感じます。

↑横浜市 発表資料 IRの実現に向けて 13P

◆カジノによる治安等への懸念

私は、2019年8月に韓国でカジノへ関する視察に伺って参りました。

↑カンウォンランド high1 Resort 入口

韓国は自国民の立ち入りを禁止する外国人専用のカジノが殆どですが、一箇所だけ廃坑地域である江原(カンウォン)に自国民も入れるカジノがあります。

↑Open前にカジノに並ぶ利用者

2000年から自国民向けカジノを解禁した江原(カンウォン)では、治安や風紀がとても悪くなった事案などが報告されており、犯罪率が急増し、自殺率も全国平均の1.8倍になったとの報告があります。

また、市街には風俗店やサラ金・質屋などが立ち並び、たばこ、酒の摂取率が韓国内一番。身ぐるみ剥がされたギャンブル中毒症患者が野宿し、地域住民と諍いを起こすなど、あまりの風紀や治安の乱れに、小学校が隣の町に移転するほどの町になりはててしまい、15万人いた人口は、3.8万人にまで落ち込んだという大変残念な状況となっているということであります。

更に韓国のカジノ中毒症対策センターの所長が「ギャンブルもいくつかあるが、中毒症になる比率が一番多いのがカジノ。10人に7人という統計もある。」という内容を語っており、カジノ解禁がギャンブル依存症を増加させることを危惧いたします。

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