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東京五輪に台風直撃 高波で命の危険や大腸菌、野球中止懸念

五輪開催時期は台風シーズン(写真/時事通信フォト)

屋外競技で命の危険も(写真/時事通信フォト)

 お盆休みに上陸した「台風10号」のニュースを見ながら、一年後に開催されている東京五輪に思いをはせた人も多いのではないだろうか。オリンピック憲章で、競技大会の実施期間は16日間を超えてはならないと定められているため、悪天候でも競技が強行開催される可能性が高いという。天候の影響を受けやすい屋外競技でもとりわけ影響が大きいのが「海辺」を会場にする競技だ。

 先日の台風10号では、海水浴中の事故死者が多く出たことも記憶に新しい。もし暴風・波浪の中で開催すれば、選手が命の危険に晒されるかもしれない。

「東京五輪から採用されたサーフィンやセーリングは、高波や強風の影響を受けやすい。特にサーフィンの行なわれる千葉県・釣ヶ崎は良質な波で国内有数のサーフポイントとして知られているが、それは裏返せば高波のリスクが高いということ。『中止』すべきか否か、難しい判断を迫られるでしょう」(スポーツ紙五輪担当チーフ)

 ボート、カヌーの会場となる『海の森水上競技場』『カヌー・スラロームセンター』や、馬術会場の『海の森クロスカントリーコース』にも危険が潜む。

 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が言う。

「これらの会場が位置する臨海部は、遮蔽物がないため内陸部よりも強い風が吹き荒れる。会場施設自体に被害が予想されるほか、飛来物の撤去などに相当な時間がかかるでしょう。台風が過ぎても、しばらくは競技を実施できない可能性が高い」

◆屋外水泳会場で「大腸菌」大量検出

 屋外水泳会場の汚染も懸念されている。

 8月11日、東京・お台場海浜公園で行なわれた「マラソンスイミング」のテスト大会では、参加選手から「くさい。トイレみたいな臭いがする」と苦情が上がった。

「お台場会場は水質改善の必要性が指摘されています。東京都と組織委員会が2017年に行なった水質調査では、国際競技団体の定める基準値の21倍もの大腸菌が検出されている」(前出・五輪担当チーフ)

 東京オリンピック組織委員会戦略広報課は「直近1週間は国際競技団体の基準よりもはるかに良い水質であったことが確認されています。来年の五輪本番までにはさらに万全を期すため、大腸菌類の流入抑制に高い効果が認められている3重の水中スクリーンを設置する予定です」と説明する。

 しかし風雨によって汚水が流れ込むため、「大雨が降った翌日以降は晴天時に比べ大腸菌が増加する傾向にあることは事実」(同前)としている。

◆期待の野球・ソフトが「途中で打ち切り」に

 日本の猛プッシュで2008年北京五輪以来の復活を果たした野球・ソフトボール。どちらもメダルが期待できる種目だが、一方で台風がやってくれば日程を消化できないリスクも高い。東京都の招致活動で推進担当課長を務めた経験のある鈴木知幸・国士舘大学客員教授がいう。

「野球の競技会場は『横浜スタジアム』と『福島あづま球場』の2か所が予定されているが、いずれも屋外球場。野球の決勝は閉会式前日に予定されているため、悪天候が続けば決勝までの日程を消化できないリスクもある。雨風をしのげるドーム球場が使えればいいのですが……」

 組織委員会は「練習会場等を代替施設として競技を実施する可能性もある」(戦略広報課)とコメント。

 雨天中止が続けばダブルヘッダーで対応する手もあるが、甲子園も顔負けの過密日程に投手陣が悲鳴を上げるかもしれない。

※週刊ポスト2019年8月30日号

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