- 2019年08月22日 22:59
【汚染土壌の再利用】「福島県外搬出」へ総量減らしたい国、桜井前市長の〝暴走〟覆した南相馬市。二本松市でも実証事業断念。環境省は高専の学生使うなど「理解醸成」を画策
3/3【門馬市長「私は前市長とは異なる」】
実は、汚染土壌の再利用を巡って南相馬市を悩ませているのが「桜井前市長の〝暴走〟」だ。
桜井勝延氏は昨年1月の市長選挙で落選したが、市内での再利用に積極的だったのが桜井氏だった。今年3月に放送された「報道特集」でインタビューに応じ「やむを得ずやるべきだと思っています。一番は仮置き場が徐々に無くなって行くわけですよ。そのことによって農業の復旧が進む」、「こういう事も悔しいけれども手段としては取らざるを得ないという想いでやってきているという事は理解していただきたい」と語っている。
「これを読む限りでは、桜井前市長から国に(市内での再利用を)持ちかけたように受け取れますよね」
そう話すのは、南相馬市議会の渡部寬一市議(日本共産党議員団)。「これ」とは市当局から入手した桜井前市長の2016年から2017年にかけての出張復命書。渡部市議は6月20日の市議会本会議で一般質問し、11回に及ぶ出張の驚くべき内容を明らかにした。
「2016年6月8日、農水省を訪問。食料産業局長や林野庁長官などに対して『私が当初から環境省に提案していた低線量の除染廃棄物を再利用する実証が南相馬市で始まる』と発言」
「2016年6月30日、環境省を訪問。廃棄物リサイクル対策部長に対し『小高の住民はリサイクルに協力的であり、除染廃棄物の再利用の実証も小高で始まる』と発言」
「2016年12月15日、環境省で事務次官らに『安倍首相が南相馬市に来た時に、除染廃棄物の再利用と減容化等について説明した』と発言」
「2017年1月6日、環境省福島環境再生事務所を訪問。『国交省道路局長にも、常磐道4車線化の資材として利用すべきであると話した。飯舘村長にも進言している』と発言。福島県土木部長には『県道12号線のバイパス工事でも再利用するように飯舘村長に話している』と発言」
前市長の意向を受け、2016年12月21日の南相馬市除染推進委員会には「メリットが分かれば理解を得られやすい。除去土壌が再生資材として搬出されることで、仮置き場の早期解消につながる」、「常磐自動車道の早期4車線化は、再生資材としての需要が見込まれ、地域住民の受容性・利便性の向上も期待できる」などとする市職員作成の資料が提出されていた。
これに対し、門馬和夫市長は「私は就任以後、環境省に対して『前市長とは態度が異なります』、『前市長は再生利用を要望しましたが、私はその立場はとりません』と申し上げた。こういう経過でございます」と答弁している。
(了)
- 鈴木博喜 (「民の声新聞」発行人)
- フリーライター



