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- 2019年08月22日 07:35
【米景気はよいの?悪いの?キャンピングカーの現場から】
米FRB=連邦準備制度理事会が先月開いた会合で真っ二つに割れていることが明らかになりました。ニューヨークの株価は上昇しています。
で、アメリカの景気はいいの?悪いの?キャンピングカーなどのRV=レクリエーショナル車の売り上げから見ると、ちょっと不安です。トランプ大統領の対中関税の上乗せの影響もあるということです。
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FTによりますと、Fed board meeting split over rate cut(FRB、利下げめぐり真っ二つ)の中で、パウエル議長率いるFRBが約10年ぶりの利下げに踏み切った先月30-31日の会合で積極的な利下げを求める陣と行動をいっさい拒否する陣に分かれて次の一歩が困難だと報じています。
21日に公表された議事録要旨で0.25%の利下げについて大半の参加者が「サイクル半ばでの利下げとみている(mid-cycle adjustment)」ということです。
会合の翌日にトランプ大統領が中国に対する関税上乗せを突如発表して先行き不透明感が増し、こうした貿易、世界情勢に左右されるアメリカ企業の設備投資の低迷がアメリカ経済に対して警鐘を鳴らしていると指摘。
9月の会合で追加の利下げをするの?23日にワイオミング州ジャクソンホールで予定されているパウエル議長の講演が次の焦点です。
一方、WSJはAn Economic Warning Sign: RV Shipments Are Slipping(景気の先行きに警戒感:RV=レクリエーショナル車の売り上げが減少)の中で、全米のキャンピングカー生産の中心地となっているインディアナ州エルクハート周辺を見ると、景気減速の最初の兆候となる贅沢品の売り上げ減少が現れていると報じています。
RVの業界団体によりますと、メーカーからディーラーへのRVの販売は、4.1%落ち込んだ去年に続き、ことしは約20%減っているということです。
過去3回の景気後退局面では、やはりRVの売り上げが連続して下落したそうで、経済学者の見立てよりもRV業界の動向の方があてになるという声を紹介しています。トランプ政権による輸入関税の上乗せも影響しているとしています。
14日のアメリカの債券市場で、2007年以来初めて、長期金利が短期金利よりも低くなるという逆転現象が起きたあと、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価はことしに入って最大の下げ幅を記録しアメリカ経済の先行きに対する警戒感が広がりました。
全米のキャンピングカーなどRVの65%を製造し、付随のタイヤや家電製品、家具を多く製造しているエルクハートでは、運転席や浴室の売り上げが経済の兆候(economic bellwether)になっているということです。
エルクハートの6月の失業率は3%で、全米平均の3.6%を下回るものの、去年4月の2.1%よりは悪化しています。
金融危機(日本で言うところのリーマンショック)の後の200年には20%まで上昇したこともあります。
大手RVメーカーのThor Industriesは6月、RV生産を抑えて、週休3日に移行すると明らかに。同じくエルクハートにあるLCI Industriesは、需要減少を踏まえて施設の統合を実施したとしています。
業界団体は、2020年については、メーカーからディーラーへの販売は2.5%増えると見込んでいますが、顧客と接しているディーラーはこれが楽観的にすぎると見ているようです。
RVは1万2000ドル程度のキャンピングカーから21万ドル以上する高級なモーターホームまで価格の幅がありますが、業界団体はRVに関連する523品目が中国からの輸入品に対する関税の上乗せの打撃を受けかねないとしているとしています。
RVのトイレから高級家具の皮革、それに車体のアルミや鉄鋼製品などが想定されています。小規模なRVメーカーによると、鉄鋼価格は22%、アルミの価格は9%急上昇したと話しています。
景気についてトランプ大統領はあくまでも強気です。Timeは、トランプ大統領が20日、記者団の質問に対して、「景気後退からはほど遠い(We’re very far from a recession)」と述べたと伝えています。
その上で、「実際にはFRBが仕事をしっかりやれば、景気は一気に上向く(In fact, if the Fed would do its job, I think we’d have a tremendous spurt of growth)」と述べたということです。
New York TimesはCBO=議会予算局が財政赤字の拡大を予想していると報じています。9月30日に終わる2019会計年度は9600奥ドル、2020年度は1兆ドルに達すると見込んでいます。
これは当初の予想を上回るものでトランプ大統領の減税によって税収が減ったことによるもので、FRBの低金利政策で金利がここまで低水準でなければさらに膨らんだだろうと言います。
で、アメリカの景気はいいの?悪いの?キャンピングカーなどのRV=レクリエーショナル車の売り上げから見ると、ちょっと不安です。トランプ大統領の対中関税の上乗せの影響もあるということです。
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FTによりますと、Fed board meeting split over rate cut(FRB、利下げめぐり真っ二つ)の中で、パウエル議長率いるFRBが約10年ぶりの利下げに踏み切った先月30-31日の会合で積極的な利下げを求める陣と行動をいっさい拒否する陣に分かれて次の一歩が困難だと報じています。
21日に公表された議事録要旨で0.25%の利下げについて大半の参加者が「サイクル半ばでの利下げとみている(mid-cycle adjustment)」ということです。
会合の翌日にトランプ大統領が中国に対する関税上乗せを突如発表して先行き不透明感が増し、こうした貿易、世界情勢に左右されるアメリカ企業の設備投資の低迷がアメリカ経済に対して警鐘を鳴らしていると指摘。
9月の会合で追加の利下げをするの?23日にワイオミング州ジャクソンホールで予定されているパウエル議長の講演が次の焦点です。
一方、WSJはAn Economic Warning Sign: RV Shipments Are Slipping(景気の先行きに警戒感:RV=レクリエーショナル車の売り上げが減少)の中で、全米のキャンピングカー生産の中心地となっているインディアナ州エルクハート周辺を見ると、景気減速の最初の兆候となる贅沢品の売り上げ減少が現れていると報じています。
RVの業界団体によりますと、メーカーからディーラーへのRVの販売は、4.1%落ち込んだ去年に続き、ことしは約20%減っているということです。
過去3回の景気後退局面では、やはりRVの売り上げが連続して下落したそうで、経済学者の見立てよりもRV業界の動向の方があてになるという声を紹介しています。トランプ政権による輸入関税の上乗せも影響しているとしています。
14日のアメリカの債券市場で、2007年以来初めて、長期金利が短期金利よりも低くなるという逆転現象が起きたあと、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価はことしに入って最大の下げ幅を記録しアメリカ経済の先行きに対する警戒感が広がりました。
全米のキャンピングカーなどRVの65%を製造し、付随のタイヤや家電製品、家具を多く製造しているエルクハートでは、運転席や浴室の売り上げが経済の兆候(economic bellwether)になっているということです。
エルクハートの6月の失業率は3%で、全米平均の3.6%を下回るものの、去年4月の2.1%よりは悪化しています。
金融危機(日本で言うところのリーマンショック)の後の200年には20%まで上昇したこともあります。
大手RVメーカーのThor Industriesは6月、RV生産を抑えて、週休3日に移行すると明らかに。同じくエルクハートにあるLCI Industriesは、需要減少を踏まえて施設の統合を実施したとしています。
業界団体は、2020年については、メーカーからディーラーへの販売は2.5%増えると見込んでいますが、顧客と接しているディーラーはこれが楽観的にすぎると見ているようです。
RVは1万2000ドル程度のキャンピングカーから21万ドル以上する高級なモーターホームまで価格の幅がありますが、業界団体はRVに関連する523品目が中国からの輸入品に対する関税の上乗せの打撃を受けかねないとしているとしています。
RVのトイレから高級家具の皮革、それに車体のアルミや鉄鋼製品などが想定されています。小規模なRVメーカーによると、鉄鋼価格は22%、アルミの価格は9%急上昇したと話しています。
景気についてトランプ大統領はあくまでも強気です。Timeは、トランプ大統領が20日、記者団の質問に対して、「景気後退からはほど遠い(We’re very far from a recession)」と述べたと伝えています。
その上で、「実際にはFRBが仕事をしっかりやれば、景気は一気に上向く(In fact, if the Fed would do its job, I think we’d have a tremendous spurt of growth)」と述べたということです。
New York TimesはCBO=議会予算局が財政赤字の拡大を予想していると報じています。9月30日に終わる2019会計年度は9600奥ドル、2020年度は1兆ドルに達すると見込んでいます。
これは当初の予想を上回るものでトランプ大統領の減税によって税収が減ったことによるもので、FRBの低金利政策で金利がここまで低水準でなければさらに膨らんだだろうと言います。