- 2019年08月21日 19:15
日本攻撃が大好きな韓国大統領との付き合い方
2/2■日本と韓国は振り上げた拳をどの辺りで下ろすのか
「両国関係に決定的な傷痕を残す恐れがある一連の輸出管理を、日本は考え直し、撤回すべきだ」
朝日社説に言われるまでもなく、日本と韓国は振り上げた拳をどの辺りで下ろそうかと真剣に考えているはずある。
韓国政府に対してはこう主張する。
「一方、文在寅政権は対抗策として、安保問題で日本との協定を破棄する検討に入った。だが北朝鮮が軍事挑発を続けるなかで、双方に有益な安保協力を解消するのは賢明な判断とは言えない」
「文大統領は、ここまで事態がこじれた現実と自らの責任を直視しなければならない。きのう『状況悪化の責任は日本政府にある』と語ったが、それは一方的な責任転嫁である」
朝日の主張の通りだ。このまま日韓関係が悪化していけば、喜ぶのは北朝鮮だ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長はすでに文氏を見下している。金正恩氏が相手にするのは、アメリカのトランプ大統領だけだ。もう韓国大統領の仲立ちなどいらない。金正恩氏はトランプ氏に直接、書簡を送れるし、メールだって出せる。そこを文氏はどこまで理解できているのか。
■「当たり前のことすら遠慮してきたのが従来の対韓外交だった」
文氏は経済的にも外交的にも追い込まれている。文氏が頼れるのはアメリカを介して同盟状態にある日本のはずである。
同じ8月3日付で産経新聞は大きな1本社説(主張)を掲載している。
「政府が、安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る『ホワイト国』から韓国を外す政令改正を閣議決定した。妥当な判断である。韓国の反発に揺るがず、国家の意志を貫いたものとして支持したい」
書き出しからして分かりやすい主張である。
「韓国には、日本から輸出された、軍事転用の恐れがある物資の管理体制に不備がある。その改善に向けた信頼ある行動も期待できない。そのような国の特別扱いをやめるのは当然である」
「こうした当たり前のことすら遠慮してきたのが従来の対韓外交だった。それをいいことに文在寅政権は反日的行動を重ねてきた。だが、もはや韓国の日本に対する甘えは許されない。そこを明確にした点でも、今回の決定は大きな意味を持つ」
韓国が日本に甘えてきたことは事実である。ただ日本も韓国をあえて甘えさせることで、高度経済成長を成し遂げ、国際社会での地位を築き上げてきたのである。したたかだったと思う。今後の韓国との外交でもそうしたしたたかさが必要だ。
■「徴用工訴訟は無関係」という産経社説の的外れ
産経社説はこう韓国を批判していく。
「ホワイト国からの除外は、先に決定した半導体材料の輸出管理厳格化に続く第2弾だ。ホワイト国であれば、軍事転用が可能な品目の輸出手続きを簡略化できる優遇措置を受けられる」 「韓国は日本側の一連の措置を、もっぱら『徴用工』訴訟をめぐる対抗措置ととらえ、世界貿易機関(WTO)ルールに反すると批判している。だが、こうした指摘は的外れである」
「安全保障上の輸出管理は、大量破壊兵器などの拡散を防ぐ措置であり、これを適正に運用することは、国際社会に果たすべき日本の責務だ。自由貿易に反するどころか、これを悪用させないためにも欠かせない」
「輸出管理厳格化に続く第2弾」「安全保障上の輸出管理」「国際社会に果たすべき日本の責務」と続くと、思わず産経の韓国批判を鵜呑(うの)みにしてしまうが、今回の問題の直接の始まりは、徴用工訴訟にあることは間違いない。産経社説の「こうした指摘は的外れ」のほうが的を外している。
■産経社説のように韓国批判ばかりしていても先は見えない
さらに韓国批判は続く。
「しかも、国交の基盤である日韓請求権協定に反しても一向に改めようとせず、慰安婦問題の日韓合意も一方的に破った。海外で日本を貶める悪口を広め、自衛隊機には火器管制レーダーを照射した。これでもかというほど反日行為を重ねながら、特別扱いだけは続けよというのは虫がよすぎる」
「韓国は、日本側の根深い不信感を直視しなければならない。その上で輸出管理体制の不備を改めるのはもちろん、国と国との約束を守り、信頼に足る国として振る舞う必要がある」
「それとは正反対の反応をとる文政権には失望せざるを得ない」
「日本製品の不買運動などが広がる情勢を捉え、国内向けに強硬姿勢を演出する思惑もあろうが、もっと冷静になってはどうか」
この沙鴎一歩も、韓国の文在寅大統領の器は小さく、その小ささは鼎(かなえ)の軽重すら問えないほどだと思う。しかしそんな人物を相手に四苦八苦せざるを得ないのも外交の現実である。
産経社説が韓国をとことん批判するのは分かる。しかし批判ばかりでは先が見えない。このままでは日韓関係は悪化の道をたどるばかりだ。日本と韓国にとって良くない。
産経社説にはどうしたら日韓関係を改善できるかについて具体的に論じてほしかった。次は建設的な主張を期待したい。
(ジャーナリスト 沙鴎 一歩)
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