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公演再開のNGT48に学ぶ! 不祥事対処の基本 ~ビジネスパーソンの言語学58

最近、説明や謝罪時の、違和感のある言葉遣いが話題になりがちだ。当コラムでは、実際の発言を例にとり、公私の場で失敗しない言葉の用い方を考える。ビジネスパーソンのための実践言語学講座58、いざ開講!

「これが再スタートだとは私たちは思っておりません」―――劇場公演を再開したNGT48の早川麻依子劇場支配人

元メンバーの山口真帆に対する暴行事件をめぐって、ほぼ活動停止の状態にあったNGT48が、8月18日本拠地である新潟のNGT48劇場で約3ヵ月ぶりに新公演をスタートさせた。メンバーとファンの日常的なつながりや、そういったメンバーの暴行事件への関与、メンバー内の確執、いじめなど、さまざまな問題が取り沙汰されるなか、観客の前で被害者である山口に謝罪を求めるなど、運営側の杜撰かつ稚拙な対応が火に油を注ぐ形で炎上し続けたこの問題。結局、完全な“消火”は確認できないまま、活動を再開することになった。

早川麻依子劇場支配人は開演前に舞台に立ち、挨拶。

「劇場公演を再開させていただきますが、これが再スタートだとは私たちは思っておりません」

「まだまだ時間はかかると思いますが、NGT48が新潟にあってよかったと、1人でも多くの方に思っていただけるように、メンバー、スタッフ一同、頑張っていこうと思います」

公演では事件への関与が噂され、警察の事情聴取も受けたメンバーの西潟茉莉奈が改めて疑惑を否定した。

「今日を迎えるまで、真実ではないことが広まってしまって、すごくメンバーも苦しんだんですけど、言われているようなことが真実であるならば、このステージには立てません」

しかしいまだ“真実”が何だったのかはまったく明らかにされず、すべてがうやむやのままだ。なぜ事件が起きたのか? なぜ山口は謝罪しなければならなかったのか? なぜ山口や彼女と親しいメンバーはNGT48を辞めざるをえなかったのか? そういったことは一切明らかになっていない。

時を同じくして、8月19日には闇営業問題で謹慎していた吉本興業の芸人たちが舞台に復帰した。ネタの前の謝罪から始まり、ネタのなかでも時間を取り上げ何とか笑いに変えようとするが、どうしても闇営業のときの映像が頭に浮かび、素直に笑うことができない。当の芸人たちもおっかなびっくり舞台に立っているように見えた。吹っ切れていないお笑いの芸は、見ていてもつらいものがある。

事実関係が比較的単純かつ明確な吉本芸人ですら、素直に受け入れることが難しい状況だ。NGT48の復活は相当困難な道になるだろう。不祥事が起きた時、対処の基本は、「謝罪・反省」「事実関係の明確化」「人事も含む今後の対応策」までがセットだ。それを完全に行ったとしても信頼の回復までには相当の時間がかかることになる。NGT48は、この騒動後、前支配人は表に出ることもなく左遷され、第三者機関も事実関係を明確にすることはできなかった。このまま前に進もうとしてもプスプスと種火はくすぶり続けるだろう。その復活は、吉本芸人以上に厳しいと言わざるをえない。

Text=星野三千雄 Photograph=Getty Images

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