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日経平均8週連続下落~そして、国民1人当たり36万7000円弱の資産が失われた

「東京市場で株式相場の下落が長引いている。日経平均株価は25日までに週間ベースで8週連続で下げた。1992年3月~5月に9週連続で下げて以来、週間では20年ぶりの長さだ。欧州の債務問題や中国の成長鈍化を懸念し、投資家が保有株を売却しているためだ。…(中略)… 直近の8週間で1,500円強(15%)下げ、今年に入ってからの上昇分の大半を失った」

日経平均株価が20年ぶりに8週間連続で下落するという忌々しき事態について、26日付日本経済新聞はこのように報じている。

この新聞の得意技は、東京株式市場下落を報じる際に、必ずと言っていいほど「欧州債務問題や中国の成長鈍化を懸念し」という類の修飾語を付けることである。こうした修飾語を付けることから透けて見えて来るのは、「日本は政策的な非がない被害者である」という「責任放棄」の姿勢である。

「欧州債務問題や中国成長鈍化を懸念し」と報じているが、「欧州債務問題」の渦中にあるドイツのDAX指数は、今年の3月末と比較して下落しているものの、その下落幅は▲8.7%と、日経平均株価の▲14.9%に比較すると小幅なものに留まっている。また、「中国の成長鈍化」の震源地である中国の上海総合は3月末比で+4.4%と、世界の主要市場の中で唯一上昇している。ちなみに、景気減速懸念が囁かれ続けているNY株式市場は、3月末比で▲5.7%と、下落しているものの、下落率は日経平均と比較して小幅なものとなっている。

株式市場において日本は、「欧州債務問題」の渦中にあるドイツや、「中国成長鈍化」の震源地である中国を差し置いて、「世界で最も『欧州債務問題や中国成長鈍化懸念』を受けている国」なのである。こうした事実を鑑みると、日本経済新聞の「欧州の債務問題や中国の成長鈍化」が日本株下落の主要因であるという主張は甚だ怪しいものになる。

そもそも、為替市場での円高や、日本国債の利回り低下の原因だと報じている「欧州債務問題や中国の成長鈍化懸念」を、株式市場では「投資家が保有株を売却」する理由に挙げるのは無理筋である。日本を代表する経済紙は、「相対的に安全である」日本の通貨と国債が買われる一方、株式は「相対的に危険」という理由で売られている、というような主張が客観的、公正なものであると本気で信じているのだろうか。

日本株が「欧州の債務問題や中国の成長鈍化懸念」の影響を受けていることは間違いないが、日経平均株価が8週間連続で下落する主な理由は、国内要因にある。それは、「放置され続ける円高」であり、「デフレ経済下で強行されようとしている消費増税」である。

財務省は今月、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計した「国の借金」が2011年度末で959兆9503億円となり、過去最大を更新したと発表。これを受けてマスコミは「国民1人当たりの借金が752万円になる」と大々的に報じた。

しかし、日経平均株価が8週連続で下落したことで、2009年9月に民主党が政権交代を果たしてから、東証の時価総額が46兆8130億円減少し、「国民1人当たり36万7000円弱の資産が失われた」ことに関して、日本のマスコミは全く関心を示さない。

「国民一人当たり36万7000円」という数字は、「国民一人当たり752万円」とされる借金の額に比較して少額であり、取るに足らない誤差に見えるかもしれない。しかし、日本国債の外国人投資家の保有比率は6.3%、金額にして約60兆円であり、「実際の国の借金」は「国民一人当たり約47万円」である。

実際の借金が「国民一人当たり約47万円」であるとすると、「国民1人当たり36万7000円弱の資産が失われた」ことは無視できない規模のはずである。

消費増税原理主義者は、「政府の国民に対する借金」を「国民の借金」にすり替えると同時に、「国全体が持つ資産」を無視して「借金の規模」をことさら大きく報じることで、自らの失政によって失われている国民の資産を小さくカモフラージュしている。

日経平均株価8週連続下落の根本的原因は、「欧州債務問題や中国成長鈍化懸念」ではなく、消費増税原理主義者による失政にある。景気低迷下での消費増税は日本経済に悪影響を及ぼすと言われている。しかし、消費増税原理主義者の誤った経済運営による「円高・株安」によって、国民は既に多くの資産を失っていることを忘れてはならない。

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