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左右のポピュリスト:「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る会」

 今、注目すべき二つの政治団体がある。一つは、山本太郎が組織し、代表を務める「れい新選組」である。もう一つは立花孝志が党首の「NHKから国民を守る会」である。

 私も新党を作って選挙に臨んだ経験があるが、参議院選挙比例区で1議席を獲得すること、そして政党要件(5人以上の国会議員か全国で2%以上の得票)を満たすことがいかに困難であるかを痛感したものである。2%というと約100万票が必要である。「れいわ」は228万票を獲得し、みごとに2議席を確保したのである。特定枠を二つ使ったため、99万票をとりながら、第三順位となる山本太郎は落選した。

 「N国」は選挙区にも多数の候補を立て、98万余票を集めて、1議席と政党要件を獲得している。敵をNHKに定め、それを攻撃することが目的の「単一争点政党」である。

 この二つの政治勢力の躍進は、山本や立花の個人的人気もあるが、ネット社会、SNSがもたらしたものである。政策内容が吟味されたのではなく、政権やNHKを批判することが「何となくカッコイイ」といった感じで多くの支持を調達したものと思われる。

 ウクライナでも同じ日に国会選挙が行われたが、元コメディアンのゼレンスキー大統領の与党が第一党となった。イタリアの「五つ星運動」の代表も元コメディアンのペッペ・グリッロである。

 「れいわ」は、左のポピュリズムである。右のポピュリスト「N国」についても、「れいわ」の場合と同様に、政策や公約に賛同するというよりは、奇妙な団体が出てきたので、「何となく面白い」から投票しようという遊び感覚で投票したのではなかろうか。

 8月17,18日調査の共同通信の世論調査によると、政党支持率は、自民40.9(+3.9)%、公明5.1(+0.5)%、立憲10.0(-3.5) %、れいわ4.3(+2.1)%、共産4.3(-1.0)%、維新3.8(-3.0) %、国民1.4(-0.3) %、N国1.3(+0.3)%、社民0.7(±0)%、無党派26.6(+0.7)%である。れいわとN国は、既成野党から有権者を奪っている。れいわが政党再編の台風の目になる。

「れいわ新選組」4.3(+2.1)%は、野党では、立憲に次ぐ第二位で共産党と並んだ。若者(30代以下)は7.4%が支持している。「N国」も1.3(+0.3)%と増えている。

 ワイマール共和国時代に、失業者が増え、生活が困窮すると、右のナチスと左の共産党が伸びたが、同じような現象である。

 この国の民主主義は大丈夫か。

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