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終わらない戦後

 今年も終戦記念日がやって来た。令和最初の追悼式典には新天皇・皇后両陛下の御臨席をいただき、厳かに行われた。74年の月日が流れ、戦没者ご遺族の高齢化も目立ち、戦没者の妻もごく僅かの出席となった。

 そうした中危惧されているのは、遺骨収集事業がままならないことである。海外で戦死した旧日本軍軍人・軍属・民間人約240万人のうち、日本に送還されたご遺骨は約半数の約125万柱となっている。残りの約115万柱については、海没したとされる約30万柱を含め、現在もなお海外に残されたままである。

 遺骨収集事業は国の責任であるとして、厚生労働省が中心となり、それに民間の団体が協力する態勢を組んでいる。しかし最近は、当時の状況を知る戦友も残り僅かとなり、収集のテンポも遅れがちである。さらに収集された遺骨の中に、日本人でない骨が混ざっていたり、現地に葬られていた遺体が強引に掘り起こされて、現地の人々とトラブルを起こす事例が増えているという。

 ご遺骨を早く祖国に返したいとの思いは理解できるところだが、遺骨を取り違えたり、現地で長く葬ってくれた現地の方々の感情を逆なですることは好ましくない。より慎重な収集事業が望まれる。

 先日はNHKの番組で、アメリカの戦没兵士の遺骨を確実に祖国に戻す営みが取り上げられた。DNA鑑定の技術を駆使して、「最後の一人までご遺族の元に返す」という掛け声は決して大袈裟ではないように思えた。我が国では宗教上の理由などから、ご遺骨は荼毘に付して日本に戻している。しかし1度焼かれるとDNAまで破壊されるため、アメリカのようには行かない。今後は一考を要する問題だ。

 これからも遺骨収集事業は継続するが、我々は戦没者とそのご遺族に対して敬意と感謝の意を表すため、さらに力を入れて慎重に対応しなければならない。

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