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- 2019年08月20日 11:52
「ネガティブなことをつぶやくな」40万フォロワーの倉持由香が教えるSNS戦略
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撮影:冨田恭蔵
eスポーツにはスターダストプロモーションさんや松竹芸能さんなどの大手事務所も参入していて、これからeスポーツブームに乗り遅れないように各事務所が力を入れて来ると思うので、うちもしっかりこの流れに乗っていこうと思っています。
今回のeスポーツチーム作りはゼロから始めました。所属のタレントでeスポーツチームを結成する事務所さんが多い中、うちは新人を募集することにしたんです。
事務所所属のタレントにゲームをやらせる方式だと、どうしても無理矢理感が出てしまう可能性があるなと……。興味がなかったものを好きになったり、練習をするっていうのは難しいですよね。だったら「ゲームが好きです!」という子を一から集めた方がいいと思い、オーディション方式にしました。
他のプロチームと違って、最初からガチガチに上手くなくても良いと思っていて。ゲームが大好きという気持ちを持った女性たちが、日々成長していく姿をお見せしたいなと考えています。
オーディションの面接官をして気がつく「バックレ、ダメ。ゼッタイ。」
応募条件をどうするかとか、オーディション情報サイトに載せるバナーはこうしようとか、よくあるタレントの名義貸しのプロデューサーではなく、ゼロからガッツリと関わっています。メンバー選びの面接官もやっているのですが、大学生や専門学生の子達もオーディションに来てくれています。ということは、このプロジェクトに関わった結果「就活をしません」って人が出てくるかもしれません。その子の人生を大きく左右することになるので、「私は責任を取れるのだろうか」と考えてしまいますね。
そんな中、これまでは自分がオーディションを受ける側だったのですが、面接官をやって分かったことがあります。
バックレは良くない。
当たり前のことですけど(笑)。先日、オーディションをすっぽかした子がいたんですよ。30分ぐらい待っていたんですけど来なくて。連絡もつかなくて「事故かな? 暑いから熱中症とかになってないかな?」って心配していたんですけど、その子のツイッターを見たらのんきに更新をしていたので、「うぉーーい!!」って。人として、大人として約束をすっぽかすのは良くないなと。
事務所に所属しているタレントだったら事務所に「どういうことですか?」って聞けますけど、フリーの子だと誰にも責任を問えない。BLOGOSさんもバイトの面談をすっぽかされることがよくあるそうです(笑)バックラーって多いんですねぇ……。
そんなバックレ事件もあって、裏方は大変なんだなぁってことを早々に味わいました。もしそういう子がメンバーに居たら「○○が現場に来ていないです!」とか連絡が来るのかと思うとゾッとします。そういう部分を見極めたり、教育していく重要さを感じました。
最近では新人をサポートする立場にもなったわけですが、自分のデビュー当時を振り返ると芸能界は分からないことだらけでした。現場に入ったら夜でも挨拶は「おはようございます」、帰る時は「お疲れさまでした」。
デビュー当時は事務所に所属せずフリーで活動をしていたので、このルールすら知らなくて。周りの人が現場に入ると「おはようございます」って言ってるので「なるほど」という感じで一つずつ覚えていきました。そういう業界ならではのルールもイチから教えていきたいですね。
マネージャーとは二人三脚

撮影:冨田恭蔵
タレントの事務所移籍トラブルの8割くらいはギャラの問題じゃないのかな……って印象です。給料制なのか歩合なのか、割合がどうなってるのかはきちんと入る前に確認した方が良いですよ! 私も今の事務所の面接を受けた時に質問して、納得したので入ることにしたんです。
芸能事務所はだいたい現場マネージャーとチーフマネージャーがいます。現場マネージャーは仕事場に着いてきてくれて現場での営業、飲み物の手配や温度調節、オフショットの撮影、話し相手になってくれたりします。
今の現場マネージャーはかなりのゲーマーなので、家に帰ってからオンラインゲームの戦場でも現場マネージャーをしてくれたりします(笑)そういうのはすごくありがたいですね。
一方チーフマネージャーは、この仕事は受ける、受けないなどのジャッジ、ギャラの交渉、スケジュール管理、私の活動方針を決める業務をしてくれています。
2〜3ヶ月に1回ぐらいはチーフマネージャーとじっくりミーティングをして、今後どういう仕事がしたいかとか、プライベートの話とか、人生設計を相談しています。
チーフマネージャーとはもう7年ぐらい一緒に仕事をしてますね。めちゃくちゃ揉めたりもしましたけど、やっぱり一番信頼していますし、恩があるから「ずっと付いていきます」と言える存在です。
もちろん事務所に恩もありますけど、マネージャーって大事な存在だと自分自身の経験から思います。この業界でよくある「マネージャーさんが辞めたから、あの子たちも付いていった」という気持ちはすごくよく分かります。タレントと二人三脚であり、一心同体なんですよね。
SNS時代に芸能界の暗黙のルールは通用しない
時代が令和になってから芸能界で色々なことが起きていますけど、SNSが発達してタレントが個人で発信ができるようになりましたよね。これまでは業界の暗黙のルールで隠していた部分を簡単に発信されてしまうので。業界の古い方々からすれば「えっ!?それ言うの?」と思われるようなことも起きたりして。事務所を移籍したら半年〜2年間は活動してはいけないとか、暗黙のルールがあるんです。使っていた芸名やSNSアカウントも使えなくなったりします。私も事務所移籍で芸名の漢字を一文字変えました。
今後はタレントにとってSNSの使い方が重要になってきますが、うちの新人にはまず私の本「グラビアアイドルの仕事論」を全員に配りたいと思います!(笑)SNSの活用方法が書いてあるので読んで欲しいですね。書いてある基本的なルールを守れば炎上はしないはずです。
まずはSNSに【ネガティブなことを書かない】というのを徹底したいですね。実名を出して「この店がマズかった」とか「買った商品すぐ壊れた」とか発信してしまうのはNG。タレントさんがこういうつぶやきをしているのを見ると「なんでつぶやいちゃうんだろう……?」って思います。裏アカだったらともかく、表アカだったら今後そこからお仕事を貰う可能性は減りますよね。
私はラーメンやカレーの食べ歩きが好きなんですけど、美味しくないなと思ったお店はツイートしないです。美味しいお店だけ書けばよくて、「ここは美味しくなかったです」ってわざわざ書かなくてもいいなって思うんですよ。
批判する、物申す系のキャラでいくのもリスクを踏まえていればいいと思います。でも批判ばっかりしていて「仕事が来ない」とツイートしている子を見ると、そりゃそうだろって。
タレントってイメージを売る商売ですよね。自分を客観視することが本当に大事で、批判ばかりしていたり、不平不満がツイートされているアカウントだと「ちょっと面倒くさそうな人だな」ってイメージが定着してしまいます。
タレントはデッキに入れたいレアカードになるべき

撮影:冨田恭蔵
マネージャーがゲームプレイヤーで、「この案件にはこいつだ」と仕事を当てはめていく中で、私は常にデッキに入れてもらえる使い勝手の良いレアカードでありたいのです。事務所内の全員が全員売れるっていうのは難しいので、いかに自分の価値を自分で付けていってマネージャーのデッキに入れてもらえるかが大事だと思います。
まずは一番身近な存在であるマネージャーをファンにしないといけません。マネージャーに売り出してもらえないタレントは、何かしら問題があることが多いです。アンケートを締め切りまでに戻さないとか、現場に頻繁に遅刻してくるとか……。
プロデューサーとして育てていきたいのは、口をパクパク開けて仕事というエサを待っている子ではなく、自分で考えて自分で動ける子です。
タレントでもゲームプレイヤーでも能動的に動いて結果を残せる人が生き残っていく世界だと思うのです。いくらeスポーツブームといっても結果が残せなかったり、目立ってない選手は契約を切られてしまっているので……。
プロデュースするeスポーツチームのお披露目は9月予定です。お楽しみに!今後はこのような裏方業務を増やしていきたいと思います。
- 倉持由香
- グラビアアイドル|100cmヒップの尻職人
1991年11月6日生まれ、千葉県出身。血液型B型・サイズT167 B84 W58 H100。
グラビア好きなグラドルがSNSに自画撮りを載せていく「#グラドル自画撮り部」部長。
グラビア好きなグラドルがSNSに自画撮りを載せていく「#グラドル自画撮り部」部長。