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TikTokの急成長、一年で世界を夢中にさせた理由とは?

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TikTokには、年齢層の高いクリエイターをうまく惹きつけてきた実績がある。TheBaileyBakeryやThe Bentistの例を見てほしい。「2年前にはあり得なかったことですが、TikTokでコンテンツをつくっている大学一年生もいます」とペイス氏は語る。

しかし、ティーン向け——あるいはプレティーン向け——というTikTokのイメージを払拭するのは容易ではない。「TikTokには、中学生くらいの子どもに媚を売っているという、コミカルなイメージがあります」とTikTokで楽曲が人気を博している歌手のmxmtoonは言う。TikTokの積極的なエンゲージメントによって成功できるかもしれないとはいえ、これは一部の潜在的ユーザーにとってはマイナスポイントだ。「TikTokでプロモーションしてほしい、とアーティストに要請するのは簡単ではありません」とAPGのヴォーン氏は述べる。「安っぽいとか、ダサいとか、無理矢理感を抱かれてしまうのです」。

さらに、現時点では音楽レーベルがTheBaileyBakeryやNiceMichaelなどのユーザーに自由に金を払って楽曲の使用を認めているものの、TikTokから金銭を要求するような状況に転じる可能性もある。そうずれば、また別の課題が生じる。2019年6月には、3つの大手レーベルとTikTokの契約がもうすぐで終了する、と米ブルームバーグがレポートした。TikTokにとって音楽は欠かせない存在だからこそ、レーベルが自分たちにとって都合のよい条件を求めるのは意外でもなんでもないことだ。

それに加え、TikTokはヨーロパの音楽ライセンスの中心的存在であるICEとのあいだで膠着状態に陥っている。ICEは「我々が代表する作詞作曲家や、音楽出版社が所有する何百万もの作品の使用において合意にいたらず、残念な結果になった」と述べた。イギリスの著作権裁判所がこの論争の調査にあたっている。

それに、TikTokの最強のライバルはまだ出現していないかもしれない。「すべてが瞬時に拡散されるスペースにおいて、私たちはまだ、どんなアプリが今後生まれるかわからない状況にあります」と音楽マネージャーのダニー・カン氏は言う。「音楽業界のためにも、毎年新しいオーディエンスと子どもたちにリーチさせてくれる新しいプラットフォームが誕生すれば、最高でしょうね」とヴォーン氏は言い添えた。

音楽業界にとって素晴らしいことは、かならずしもTikTokにとってそうとは限らない。だが、いまのところ、TikTokはたった15秒で有名になれる、という夢をユーザーとレーベルに見事に与えつづけているのだ。


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