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日本と韓国 もっと大人の対応を

日本と韓国が国交を開いてから半世紀余りですが、両国関係は、最も厳しく、危うくなりつつある、といわれています。アジアの中でも、共通の価値観を持ち得て、経済的にも密接な関係があるのに、お互いに国内向けのパフォーマンスがエスカレートして、引くに引けなくなっているように思います。

徴用工問題から、今回の対立が生じていて、米国による仲裁も不発に終わっています。安倍政権は、輸出管理で優遇措置をとる「ホワイト国」から韓国を除外することを決め、文政権は、対抗措置を取るとして、提供しあう機密情報の漏洩防止を目的とする日韓の軍事情報包括保護協定の破棄も示唆しています。 通商から安全保障分野にまで対立が、広がろうとしています。

日本政府は、貿易管理が適切で兵器拡散の恐れがない国をホワイト国に指定し、輸出手続きの簡略化などの優遇措置を適用していて、除外は禁輸措置ではない、としています。しかし、日本への依存度が高い品目の輸出が滞れば、韓国の広範囲の業種に影響が及びます。

禁輸措置ではないことを説明するために、政府は、今月8日、韓国向けの半導体材料3品目の輸出規制を7月に強化した措置に関し、企業からの個別申請を初めて許可したと公表しました。韓国政府は、12日、武器製造に転用できる戦略物資の輸出手続きを簡略化する輸出優遇の対象国から、29ヶ国中、唯一日本を外す制度改正案を発表し、報復合戦になってしまっています。

韓国の文大統領は、15日、天安で開かれた日本の植民地支配からの解放を記念する光復節での演説で「日本が対話と協力の道へ向かうなら、我々は喜んで手を結ぶ」と述べ、対話を呼びかけました。一方で、「日本の不当な輸出規制に立ち向かう」とも強調しています。これまで触れてきた、徴用工や従軍慰安婦の問題には直接言及せず、日本の世論を和らげ、安倍政権に態度の変化を促したい考えとみられています。

韓国の経済界などはからは、対立関係を見直すべきという声もでている、ということですが、両国とも世論調査では対抗措置を国民が支持していて、簡単には流れが変わりそうもありません。

ソウルでは「ノー安倍」と書かれたプラカードを掲げた1万人以上の市民などが結集して集会を開きました。民間の交流、特に若い人たちの交流は、途絶えさせてはいけないものですが、この夏は、継続してきた交流が、次々に中止に追い込まれていて、早く関係改善をすることが求められます。

北朝鮮が、ミサイル発射を繰り返すなどの情勢の中、日本も韓国も、もっと大人の対応をして、関係改善に努めてもらいたいと思います。

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