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原発をめぐって 処理水、安全対策費など

政府が、福島第一原発の事故のあとも、ベースロード電源と位置付けている原発をめぐって、心配なことが相次いで報じられています。

ひとつは、東京電力が、福島第一原発で事故を起こした建屋などから発生する汚染水をためるタンクが、2022年夏ごろに満杯になる見通しを明らかにしたことです。増え続ける汚染水を原発敷地内でタンクを増設してしのいできましたが、タンクをつくる敷地の確保が難しいということで、満杯になる時期が示されたのは初めてです。

経済産業省は、今月の小委員会で、海洋放出などの案に加えて、汚染水を敷地外などに長期保管する新たな案も示す、とのこと。地元の漁業関係者などは、海への放出による風評被害を懸念していて、丁寧に進める必要があると思います。

新たな案としては、数十年以上保管して自然に放射線量が減るこを待つことなどを想定している、ということです。福島第一原発に続いて、第二原発も廃炉が決定し、何十年にもわたる作業をする技術者などの人材を確保することも課題です。また、東電福島第一原発事故の賠償を求め住民が申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、国の原子力損害賠償紛争解決センターの和解案を東電が拒否し、センターが手続きを打ち切るケースが2018年から急増している、と報じられています。

センターは、東電が和解に応じず膠着状態になり、解決の見込みがないまま手続きが長期化したことから、住民に訴訟も検討してもらうための対応だと説明しています。浪江町の住民109人が損害賠償を求めた訴訟の弁論で、原告団長は、「東電は「和解案の尊重」という自らの約束を破った。許せない。」としています。ADRなら手数料もかかりませんが、訴訟費用を懸念し泣き寝入りする人もいる、ということで、誠意ある東電の対応が求められます。

そして、東電福島第一原発事故後の安全対策費が、電力11社の合計で5兆円を超えることが、朝日新聞の調べでわかりました。建設が遅れているテロ対策施設の費用は、当初の想定の2~5倍に膨らんでいる、ということです。まだ織り込めていない原発も多く、安全対策費が今後さらに増えることは確実、とのこと。

電源別の原発の発電コストを「最安」とした政府の前提が揺らぎつつある、と指摘されています。やはり、エネルギー政策全体を、現実を直視して見直す必要があると思います。

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