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「表現の不自由展・その後」中止めぐる「週刊新潮」「産経」の報道と緊急局面

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いろいろな市民グループも抗議行動を展開

 8月3日に「表現の不自由展・その後」の中止が決まった直後から、表現を暴力で潰すことに対して大きな抗議の動きが広がり、このまま拡大していけば展示再開も不可能ではないのではと思った。「『表現の不自由展・その後』の再開を求める愛知県民の会」など市民グループは今も毎日、会場前でスタンディングデモを続けているというし、再開を求める幾つかの署名も既に何万筆も集まっているらしい。

 ただ、一方で逆流も起きつつある。ちょうど今はその両方が対峙している大事な局面だ。

中止の告知がなされた会場(綿井健陽さん撮影)

 奇しくも8月15日。近年はテレビもほとんどセレモニー的に終戦特集を放送するので何だかなあと思うことが多いのだが、8月12日のNHKスペシャル「かくて“自由”は死せり ~ある新聞と戦争への道~ 」とか10日放送のNHK「#あちこちのすずさん ~教えてください あなたの戦争~」など本当によくできた番組だった。最近、安倍政権寄りと批判されているNHKだが、現場の力はまだまだ捨てたものではない。 

 「かくて“自由”は死せり ~ある新聞と戦争への道~ 」などを見ると、戦争に突入していく時と今の日本の空気があまりにそっくりで慄然とせざるをえない。当時もやはり日本全体がナショナリズムに覆われ、それに逆らう声は圧殺されていった。今、日本と韓国双方が政権によるナショナリズムに覆われ、日韓のスポーツ交流や子どもたちの交流までもが中止になっている。こういう状況下で大事なのは、マスメディアがこれをどう報道するかだ。

 韓国に吹き荒れる日本製品不買運動などというニュースも、それをどう報道するのか、日本人のナショナリズムを煽ることにならないかなど、報じる側はよく考えてほしい。自覚のないまま自分たちがナショナリズムに巻き込まれていないか考えてほしい。

  その意味では、ソウル市が街に反日の旗を掲げようとしたことに市民が反対してやめさせたというニュースなど、その市民たちに拍手を送りたいと思う。政権同士が政治的思惑のもとにナショナリズムを鼓吹しようとしている時に、メディアがそれをどう報じるかは極めて大事なことだ。

 だから、今回の「表現の不自由展・その後」中止事件については、言論表現に関わる人たちは決して他人ごとと思わず考えてほしい。今起きている状況をいったいどう報道すべきか、真剣に考えてほしい。

 美術展に「少女像」を置くことについて、政治と芸術の関係をどう考えているのか、という議論があってもいい。実際、私もこの間、出品者自身に「表現の不自由展・その後」についてもいろいろな意見を聞いた。

  もともとこの展示は、そういう議論を提起するために開こうと企画されたものだ。あの展示内容や方針についてだって個々の美術家自身、いろいろな感想を持ったと思う。例えば津田さんが提案して却下されたという会田誠さんの作品「檄」も、恐らくその前の「森美術館」の展示で別の作品が女性差別だというフェミニズムの抗議を受けたことがあって、今回の実行委員会は却下したのだろうが、会田さんの一連の作品についてもこれを機会に議論されても良いのではないかと思う。

  大浦信行さんの「遠近を抱えてpart2」も、「平和の少女像」も、見たうえできちんと議論するべきものだ。それを暴力的に潰してしまうこと、その結果として作品を見ることもなく伝聞のイメージだけで、あるいは作品のごく一部だけを取り出して感情的な議論がなされているという現状は、決して良いことではない。何よりも、今回の中止事件が前例となって、議論する前に暴力によって潰してしまえという風潮が今後繰り返される恐れがあることは、何とかしないといけないと思う。

  名古屋現地でも次々と集会が開かれているし、東京でも8月17日に集会がある。そして私たちも8月22日にこの問題について、今回の当事者たちや言論表現に関わる人たちが一堂に会して議論する場を設けた。24日には愛知県民会議も名古屋で大きな集会を開くという。それぞれ、ぜひ多くの人に参加してほしいと思う。

'''緊急シンポ!「表現の不自由展・その後」中止事件を考える''

8月22日(木)18時15分開場 18時30分開会(予定) 21時終了

定員:470名  参加費:1000円

会場:文京区民センター3階A会議室 

https://www.mapion.co.jp/m2/35.70881792,139.75417146,16/poi=0000Z318_001pa

第1部:出品していた美術家などが語る「何が展示され何が起きたのか」

第2部:「中止事件をどう考えるのか」 金平茂紀(TVジャーナリスト)/香山リカ(精神科医)/滝田誠一郎(日本ペンクラブ)/他

進行:篠田博之(『創』編集長)/綿井健陽(映像ジャーナリスト)

主催:8・22実行委員会〔『創』編集部/日本ビジュアル・ジャーナリスト協会/OurPlanet-TV/アジアプレス・インターナショナル/メディアフォーラム/表現の自由を市民の手に全国ネットワーク/アジア記者クラブ/他〕

座席を確保したい人は下記より予約をしていただきたい。

https://tinyurl.com/y3rzm8et

 なお前述した8月17日の集会とは、22日の集会にも参加する表現の自由を市民の手に全国ネットワーク主催のもので、会場は同じく文京区民センターの2階。13時半から映画上映、16時から「表現の不自由展・その後」中止事件についての議論だ。その日は日本ジャーナリスト会議の恒例の集会もあるので、私は両方をはしごする予定だ。

※Yahoo!ニュースからの転載

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