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74回目の終戦記念日 主要6紙が安全保障や改憲への主張を表明

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「令和」になって初の終戦記念日を迎えた15日、主要各紙(朝日、読売、毎日、産経、日本経済、東京)は朝刊で、戦争の惨禍を繰り返さないための主張や意見を社説に掲載した。戦争の愚かさを語り継ぐ大切さや、国際協調体制を維持する意義、憲法改正の是非など、その内容は各紙のスタンスが如実に表れた。



◆朝日新聞

『8・15戦場の記憶 時を超え、痛みを語り継ぐ』と題した社説で、不戦と平和の誓いを語り継ぐ大切さを説いた。終戦の日については「無謀な戦争の犠牲となった人々に追悼の念を捧げる日」であり、「侵略と植民地支配により、日本以外の国々に及ぼした加害の事実」を忘れてはならないと主張している。

日本軍とオーストラリア軍が激しく攻防したパプアニューギニアで現地住民の証言集が作られたことや、3万人超の日本兵が死亡したインド・インパールで平和資料館が開館したことなど、先の大戦にちなんだ世界の現在の動きを紹介。証言集づくりに協力した男性(50)の「戦争を実体験した世代は消えていく。体験は共有できなくとも、気持ちを寄り添わせることはできる」といった思いも伝えた。

国内でも、沖縄・ひめゆり平和祈念資料館が、戦争を知らない世代に向けて、来夏に「さらに、戦争から遠くなった世代に向けて」というテーマでリニューアルすることを紹介。「展示の刷新のかぎは『共感』。戦争前の学校生活での笑顔や表情豊かな写真を使い、身近に感じてもらう。中高生らに、学徒が同じ世代で楽しい学校生活があったことを訴えかける」と若者の脳裏から戦争の記憶が遠のくことへの危機感を記した。

こうした動きを紹介しながら、「自分の国の暗い歴史や他人の苦しみを知り、思いをはせるのは簡単ではない。だが、今の世代が先人らの心情を受け止め、戦争の愚かさを伝え、未来を切り開かねばならない」と主張。「過去を反省することは後ろ向きの行為ではない。未来に向けての責任である」と結んだ。

◆読売新聞

『国際協調の重み かみしめたい 惨禍の教訓を令和に生かそう』と題して、「戦後の日本外交は、日米同盟と国連中心主義を基軸としてきた。戦争が起こらないようにするためには、自由や民主主義、法の支配に基づく国際協調体制を維持していくことが欠かせない」と訴えている。

全国戦没者追悼式でお言葉を述べられる天皇陛下と皇后さま=15日午後、東京・日本武道館(共同通信社)

5月に即位した天皇、皇后両陛下が、政府主催の全国戦没者追悼式に初めて出席されることに言及し、「戦争を直接体験されていない両陛下の出席は、時代の変化を映し出している。体験者が昭和の戦争を語る時代は終わりつつあることが実感されよう」と主張。その上で、「令和の時代は、戦争の歴史を語り継ぎ、研究を深める時代としなければならない」としている。

ポピュリズム(大衆迎合主義)に焦点を当て日米開戦の要因を分析した筒井清忠さんの「戦前日本のポピュリズム」に触れ、国際連盟からの脱退を宣言した松岡洋右や、日中戦争勃発時の首相で軍部による戦線の拡大を許した近衛文麿について「大衆人気を集めることに努めたポピュリストだった」と言及。「ポピュリズムに引きずられず、正確な情報に基づいて世界情勢を冷静に分析し、国益にかなう戦略を構築する」ことが重要と説く。

「世界の警察官」としての米国の役割を否定するトランプ米大統領や、移民排斥を訴えるポピュリズムが広がる欧州などの動きについて、「自由主義陣営を支えてきた主要国の変容は、その一員である日本にとって大きな懸念材料」と分析。日韓関係の悪化にも触れながら、「時には、米国をはじめ、友好国にも注文を付け、多国間協議をリードするといった積極的な行動が求められよう」「条約や国際協定、慣習法などからなる国際法の尊重を通じて、各国が相互に信頼できる環境を醸成していくことが大切だ」と強調している。

◆毎日新聞

徴用工問題をめぐる韓国との不和に言及しつつ「昭和から平成、令和へと時代を経ても、戦争の後始末がいかに困難であるかを物語る。一度手を染めると、修復するのに何世代もかかるのが戦争の宿命だ。」と記し、『終戦の日と戦後処理 世代をまたいで辛抱強く』と題した社説を掲載。日本の戦後処理の歩みを振り返っている。

日本が1977年までかけてアジア諸国への賠償総額15億ドルを完済したことについて、「若い政治家には『日本は過酷な条件で十分に償った』と思い込んでいる人がいる」として、「日本に寛大だった講和内容の理解不足だ。政治家は歴史へのリテラシーを高める必要がある」と指摘している。

徴用工問題をめぐる昨年10月の韓国最高裁判決に関連して、日韓両国の見解が日韓基本条約の枠内で「解決済み」だったとして、「『司法権の独立』を盾に日韓関係の一方的変更をもくろむ文在寅(ムンジェイン)政権の対応は極めて遺憾だ」と厳しく批判。

日韓関係の緊張が続くことを踏まえ、「戦争のもたらす被害はあまりに大きく、国家間のある時点での処理には限界がある。少しずつでも辛抱強くトゲを抜こうとする努力が、平和国家としての土台を強くする」と結んだ。

◆産経新聞

『憲法改正こそ平和への道 戦争の惨禍を繰り返さぬために』とのタイトルで乾正人・論説委員長名の主張を1面に掲載。「8月15日が近づくと、なぜかアジア全体にさざ波が立つ。ことに今年は、さざ波どころか荒波が打ち寄せている」として、アジアを中心に各国の動向に触れながら、改憲の重要性を訴えている。

関係が悪化する日韓関係について、「(文在寅政権は)慰安婦や『徴用工』問題で、日本人をいらだたせる政策を次から次へと繰り出している」と主張。短距離ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮情勢に触れつつ、「文大統領が金正恩氏にすり寄って近い将来、朝鮮半島が統一されれば、『核兵器を保有した巨大な反日国家』がすぐ隣に出現するという悪夢が現実のものとなる」としている。

Getty Images

戦後の歩みについて「戦後74年にわたって日本が平和を享受できたのは、奇跡に近い。令和の時代もそうあってほしい、と願うばかりだが、願ってばかりでは平和は維持できない」とした上で、「長年にわたって日本の平和と安全に大きく寄与してきた日米安保体制に、米大統領自らが疑問を呈し続けているのを軽くみないことだ」と警鐘を鳴らす。

その上で、「日米安保条約に寄りかかった『一本足打法』を見直さざるを得ない厳しい時代がやってきた」と時代の変化を指摘し、「自分の国は自分で守る、という理念を憲法に規定することが最も大切だ」と主張。空襲や原爆で一般市民を含む310万人の尊い命が奪われたことに触れ、「こうした悲劇を、二度と繰り返さぬためにも憲法を改め、安全保障体制の再構築に今すぐ着手せねばならない」と強調している。

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