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CS番組で甦る〝音楽の巨人たち〟

 CS放送TBSチャンネル2で、半世紀前に来日した世界のミュージシャンたちの貴重な映像が、次々とオンエアされている。「音楽の巨人たち~TBSのライブライリーから、50年ぶりによみがえる」である。ことし5月から始まり12月まで続く。登場する顔ぶれが超一流ぞろいで、ともかく凄い。フランク・シナトラ(62年来日)、サミー・デイヴィスJr.(63)、ハリー・ベラフォンテ(60)etc.

 当時、シナトラを初めとして大物歌手、楽団が陸続として日本にやってきた。ほとんどすべて初来日ではなかったろうか。映像はコンサート中継もあれば、スタジオ録画もある。

 シナトラの映像は、今は無い赤坂のナイトクラブ、ミカドからの録画中継である。このときシナトラ、46歳。声に張りと艶がみなぎる。第一級スターならではの押し出しにもこと欠かない。

「ヴァーモントの月」のラスト、軽く目をつぶった横顔がアップで捉えられる。絶頂期のシナトラならではの味わい深い表情にうっとりとなった。少し間を置いてアップテンポの「ウイズアウト・ア・ソング」へ。巧みなマイクさばきに芸を感じた。

 芸といえば、歌、タップダンス、物真似と多彩な持ち札で観客を喜ばせるサミー・デイヴィスJr.の芸達者ぶりには改めて溜め息をついた。コンサートの客席を大合唱に導くハリー・ベラフォンテの手口にも舌を巻く。この手の観客誘導術は今でこそめずらしくないが、60年代にはきわめて新鮮だった。

 幸い私はこれら大スターたちの生の公演にオンタイムで接している。そのせいでついノスタルジックな気分に浸ってしまうのだが、初見の若い世代の人たちにとっても、この番組は学ぶべき多くのものを含んでいるのではないか。

 たとえばデューク・エリントン・オーケストラ(64)である。ジャズのフル・オーケストラとはなんぞやと思っている人には、ここにそのすべての解答がある。指揮、ピアノ、司会を兼ねるエリントンがアドリブをとるソリストたちにいかに敬意を払っているかも、うかがい知ることができるだろう。

 これから放映される回では10月のアート・ブレイキー(61)、11月のイヴ・モンタン(62)とペレス・プラード(63)などが楽しみだ。それにしてもよくぞこれだけの映像が残っていましたね。

 収録時のプロデューサーとして頻繁にクレジットされている鈴木道明氏は、TBSの要職にあった人だが、「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」「赤坂の夜は更けて」の作曲家としても知られる。とても懐かしい名前だ。

   (オリジナルコンフィデンス 2019/7/29号 コラムBIRD’S EYEより転載)

TBSチャンネル2でオンエアされている「音楽の巨人たち」の新聞広告。 CS番組に一頁広告とは異例の力の入れようです。

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