- 2019年08月14日 09:15
月額5800円「洋服レンタル」にハマる人の正体
2/2■試着感覚で借り、気に入れば買い取れる
働く女性やママも、洋服に興味がないわけではない。おしゃれはしたいが、他に優先すべきことがあるから後回しになっているだけだ。本当は洋服好きであることは、買い取りサービスの利用者がいることからもうかがえる。

画像提供=ストライプインターナショナル
人気コーディネートのランキングページ
メチャカリには、借りたアイテムを返却せずに60日間がたつと、そのアイテムをそのままもらえる仕組みがある。それに加えて、2016年8月、借りたアイテムを気に入れば60日待たずとも割引価格で買い取りできるサービスも始めた。割引率は登録しているプランによって異なるが、「ベーシックプラン」(月額5800円)の場合は表示価格より5%オフとなる。
「60日経てば追加料金を払うことなくもらえるのだから、わざわざお金を払って買い取りするニーズはないと考えていました。しかし、お客様の声を参考にして買い取りの仕組みを導入したら、利用される方が想定以上にいらっしゃった」
このことから読み取れるのは、試着代わりのサブスク利用だ。洋服好きの人は、実物を試着してチョイスしたいと考える。しかし、忙しくて店舗に足を運ぶ暇はない。そこでサブスクを使って自宅で試着して、気に入ったものを買うという使い方が現れ始めたのだ。
「試着感覚という意味では、ECサイトで購入して、気に入らなければ返品するというやり方もあります。しかし、日本人は真面目で、一度買ったものを返品するのに抵抗感を持つ人が多い。欧米や中国のECサイト返品率は2~3割ですが、日本は1割以下。そうした国民性に、最初から返却することが前提のサブスクは合っている」
■コーデを代わりに決めてくれる新機能も好調
コスパより、時短につながるベネフィット。顧客が求めるものは当初の想定と違ったが、メチャカリは新たに分かった顧客ニーズに合わせてサービスの改善を続けてきた。
例えば今年6月から、QRコードを利用してファミリーマートやオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」から返送できるサービスを開始。送り状を書く必要はなく、時間を気にせず返却できるのはありがたい。

梱包された商品
18年10月に導入した「パーソナライズスタイリングAIチャットボット」にも注目だ。これはアプリ内の行動履歴を基に、ユーザーに合わせたコーディネートをAIが提案するというもの。「メチャカリのアイテムは1万点以上で、借りたいものがない状況は考えにくい。ただ、忙しい人にとっては、借りたいアイテムが目の届くところにあることが重要。じっくり選ぶ時間がない人も、これならすぐに好きなアイテムを見つけられます」
チャットボットを使っている人の会員継続率は、未使用の人より高いという。これもメチャカリが“ショッピング大好き”派より“時短”派にウケている証左だろう。
■時間と資源のムダを嫌う価値観にフィットした
メチャカリの利用が広がる中で、澤田氏が感じている消費のトレンドがもう一つある。倫理的に正しいことを重視する「エシカル」だ。
「1980~90年代は高級ブランドの時代でした。その反動として2000年代はファストファッションが隆盛して、安く買って使い捨てにする文化が広がりました。その罪悪感から、いまは資源をムダにしないエシカルな価値観が広がり始めており、メチャカリもその文脈で利用されています」
メチャカリで貸し出すのは新品だが、返却後は中古品として二次流通市場に回される。その売り上げはメチャカリ事業に計上され、アイテムの補充やサービス改善に使われる。資源としてもビジネスとしても、エコサイクルができている。
メチャカリが人気を集める背景には、効率的にファッションを楽しみたいニーズと、資源のムダを嫌うエシカルな価値観があった。消費者がサブスクに求めるものは何か。サブスク化に乗り出すなら、それを見誤らないことが重要だ。
----------
村上 敬(むらかみ・けい)
ジャーナリスト
ビジネス誌を中心に、経営論、自己啓発、法律問題など、幅広い分野で取材・執筆活動を展開。スタートアップから日本を代表する大企業まで、経営者インタビューは年間50本を超える。
----------
(ジャーナリスト 村上 敬)
- PRESIDENT Online
- プレジデント社の新メディアサイト。



