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昆虫食入門

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昆虫食入門 (平凡社新書)

内容紹介

「本当においしいんですか?」

「はい。カミキリムシはクリーミーで、ふんわり甘く、ハチの子はウナギの味そっくりで、アブラゼミはナッツの……」

“昆虫をおいしく食べる”著者の追究は留まることを知らない。

だが、昆虫食の研究はまだ始まったばかり。

前人未到の食域に踏み込みつつ、昆虫食のスタンダードを探る!

人類の「伝統食材」昆虫が、現代で新たなベールを脱ぐ!



「僕はなぜ、昆虫を食べない、というか、食べられないのか?」

 そんなことを考えながら読みました。

 食べられないのは、「美味しくないから」じゃなくて(そもそも、食べたことがないのだから)、食べるものじゃないという思い込みのせいなんだろうなあ。

 個人的には、なんというか、昆虫のあの細かいパーツが精巧に動く感じがダメなんですよね、なぜダメなのか、うまく説明できないんですが。

 頭では「食べられないというのは、思い込みなんだ」とわかっていても、目の前にイナゴの佃煮が出てきたら、やっぱり厳しいだろうなあ。

 何年か前にオーストラリアに行ったとき、観光ツアーで、「食べられるアリの蟻塚」で、「食べてみてください」って言われたのだけれど、僕は結局口に入れなかったし。

 僕にとっての「昆虫食」って、パーティグッズ屋で売られている「多足系の昆虫が入った、おどろおどろしいパッケージのキャンディ」なんですよ。

 食べることそのものが罰ゲームのような、そんなイメージになってしまっていて……


 この新書は、昆虫食の権威である著者が、「おいしい虫、おいしくない虫」「この虫は、どのように料理したらおいしいのか」「栄養学的にみた昆虫食」など、かなり実践的な内容になっています。

 筆者が代表を務める「昆虫料理研究会」のイベントで一番人気があるのが夏行われる「セミ会」である。参加者は某所に集まり、明るいうちは成虫を捕り、暗くなって穴から出てくる幼虫を捕る。主にアブラゼミとミンミンゼミである。ある程度捕ったら近くの調理施設に移動して、調理と試食を行う。人気料理はセミフライとセミ天(セミの天ぷら)である。成虫は前もって翅をむしっておく。みんなで揚げたてをほおばる。成虫はサクサクした食感が楽しめ、ナッツの香りとうま味がある。しっかり身が詰まった幼虫は食べごたえがあり、やはりナッツの香りがして、味は鶏肉に似てさっぱりしている。セミ燻(セミの薫製)も注目を集めている。薫製中の匂いが会場を満たし、期待感を高め、おいしさに一役買っている。



「虫にうまいまずいなんてあるのか?」と考えてしまいがちなんですが、虫の種類によって、味も全然違うものなんですね。

 著者は、「昆虫を食べるイベント」を主催するなど、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおられます。

 しかし、これを読んでも、「ぜひ食べてみたい!」という気分にはなれませんでした。

 味が悪くないのはわかったのだけれども、自分がセミをバリバリと噛み砕いている姿は、なかなか想像しがたいのです。

 飢餓状態になれば、「とりあえず食べてみるかもしれない」くらいにはなりましたが……

 深刻な地球環境に警鐘を鳴らす月尾嘉男さんは、次の世代のために私たちは何を行わなければならないかを提案する。

 月尾さんは自給率の低さが問題だという。たとえば、エネルギー自給率を政府は18%としているが、実際は4%しかない。なぜかというと、原子力を国産エネルギーとして計算しているから18%なのだ。ウラン鉱石を国内で燃料用に加工しているからという理屈だがそれはおかしい。もともとウラン鉱石は全量輸入なのだから、それを考慮すれば4%にすぎない。

 食料自給率も同じだ。鶏卵は自給率96%ですごいと思われているが、餌はほとんど外国からの輸入に頼っている。これを考慮すれば10%以下になってしまう。カロリーベースで40%という日本の食料自給率は主要先進諸国のなかできわめて低い。ではどうすべきか。


 月尾さんは、「食料危機の救世主」として昆虫を提案する。優秀な食材の理由を四つあげている。

(1)種類が多く、量も豊富なこと

(2)繁殖力が旺盛なこと

(3)餌が人の食料と競合しないこと

(4)変温動物でエネルギー効率がいいこと


 昆虫は世界各地で日常的に食べられている。違和感を感じるのは育った食文化や食事環境に影響されるからだ。慣れてしまえば抵抗がなくなる。月尾さんには一度お会いしてお話をうかがったことがあるが、このとき、ぜひ子どもを対象にした試食会を開いてほしいと要望された。幼少時の食体験の重要さはだれしもが認めるところであろう。



 この本によると、昆虫は「飼料要求率」(生体1gを増やすために餌が何g必要か)で、大きなメリットがあるそうです。

 カイコの幼虫を1g大きくするためには、4.2gのクワの葉が必要ですが、肉牛(黒毛和牛)では、10~15gのタンパク質を多く含む濃厚飼料が必要なのだそうです。ブロイラーは1.63gで、餌は濃厚飼料。

 この「飼料要求率」でみると、カイコの幼虫の生産効率は、牛より高く、ブロイラーより低いということになります。

 しかし、このブロイラーの生産効率の高さというのは、なんとなく不気味なものではありますね。


 世界には昆虫を食べている国がたくさんありますし(日本もそのうちのひとつなのですが)、「エネルギー源」として考えると、昆虫はかなり有望なもののようです。

 あとは、食べる側がそれを受け入れられるか、にかかっているのかもしれません。

 それがいちばんの「難関」なのでしょうけど……


「食べもの」っていうのは、本当にその人の「好奇心」が反映されますね。

僕は家族に「あなたはいつも定番メニューばっかり頼むよね」と言われ続けているので……

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