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日本国債の格下げに思う

22日、大手の信用格付け機関の1つ、フィッチが日本国債の格付けをA+に引き下げた。他の大手はまだダブル Aレベルに据え置いているから、フィッチがシングルAに格下げした意味は大きい。

とはいえ、日本の国債相場は反応しなかった。円は少し売られたが、当日の日銀の金融政策が現状維持だったことを受け、買い戻された。

残念ながら、最近の格付け機関は有料会員にならないと詳しい情報を提供してくれない。このため、日本と他国との比較ができない。とはいえ、日本国債がシングルAになった意味は大きいはずだ。ロケット打ち上げの秒読みが始まったように思えてくる。もちろん、秒読みの対象は「投資不適格」の瞬間である。

それにもかかわらず日本国債が売られない要因の1つは、日本の投資家のリスク許容度が低いことである。そもそもリスク許容度が高くないのか、規制に基づいてそうなのか、どちらかであろう。結論は、広い意味でのさまざまな規制やルール(社内での暗黙のルールを含む)に基づくと思っている。要するに、「規制に従順になって、みんなで投資すれば怖くない」の類である。近い将来、日本国債で大損しても、「誰もが損をしているから一緒」という感覚である。

もう1つの要因は、こちらのほうが現時点ではより重要だが、「日本国債以外に何がある」との消去法である。とはいえ、最も魅力的なのはアメリカの経済だろう。かつて程の輝きが失われたとはいえ、アメリカ経済の活力は手本にすべきである。自由であって、それでいて経済合理性が貫かれ、その合理性で一国がまとまっている。国の基礎体力である人口も増えている。もちろん、細部を見れば「ええっ」と思うことも多い。でも、「ええっ」と声を発する前に自国のことを省みるべきだろう。

まあ、頑なに日本経済を悲観気味に評価し、他国(新興国全体に対しては必ずしもそうではないが)を楽観的に評価しているから、自分自身のポートフォリオ上、日本円の現預金は必ずしも高くない。このため、ポートフォリオのパフォーマンスは絶好調とは言えないが、日本株式に傾斜していることと比べるとはるかにましなはずだ。いずれにしても老後のためのポートフォリオなので、どうでもいい。

「で、その老後が近づいているけど」と言われると、はっとしてしまうが。

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