記事

ALS当事者が「れいわ新選組」2人の参院議員に送る熱い視線、介護制度改正に寄せる期待。福島から札幌に原発避難した佐川優子さん「舩後さん、ALSの事を広く伝えてください」

2/2
 「飲み込む事が出来ないので、唾液の持続式吸引と痰の吸引が必要です。食事は胃ろうです。栄養剤だけでなく、食事をミキサーで砕いて注入しています。何でも食べます。お酒も飲みます」

 「意思伝達は『文字盤』や『伝の心』を使っています。パソコン操作支援用ソフト『オペレートナビ』は札幌に来てから覚えました。講演用のパワーポイントを作ったり、フェイスブックを見たりするのに使っています」

 「旅行が大好き」で、道内はもちろん、台湾など海外旅行もした。呼吸器や吸引器を使うのにどうしても音が出てしまうため交渉を要するが、演劇やコンサートにも出かけるという。「最近は、気を遣わなくて済む音楽会の企画も増えてきました」と佐川さん。日常生活を支えてくれる介護スタッフに感謝しつつ、こう語る。

 「座右の銘は『自由に生きる』です。死ぬまで『自由』を求めていきます」


国会議事堂に初登院した舩後議員(上)と木村議員(下)。木村議員はさっそく、「至急法律に沿った告示の見直しを行い、就学や就労の権利を保障するしくみを整えるべき」とする質問主意書を提出した=8月1日撮影

【「外出時の介助保障を求める」】

 しかし、自由に生きるには障壁が多い。その1つが、木村英子参院議員も質問主意書で指摘している「重度訪問介護」の外出問題だ。2006年9月に発令された厚労省告示第523号「障害者自立支援法に基づく視程障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」では、重度訪問介護における「外出」について、次のような但し書きがある。

 「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除(く)」

 「介護支援専門員」や「介護福祉士」などの資格を持つ池田真紀代議士(立憲民主党、北海道5区)も、「いわゆるヘルパー(居宅介護)で「通学、通所」なども制度ではできなくなりました。この間にも、経済活動に関することは一切認められず、社会参加は認められるなど、多くの矛盾が残ったままでガイドヘルパーの資格要件や制度もめまぐるしく変わりました」と指摘している。

 佐川さんも「札幌市は福祉制度が充実しています。私は恵まれています。ありがたいです」としながらも、講演資料で次のように課題を挙げている。

 「日数が31日まである月は、1日分(24時間分)が支給対象外となります。私は24時間介助体制が必要なので、自費で有料介助を利用しなければなりません。外出時には、最低でも2人の介助者が必要です。重度訪問介護制度では私は月60時間の外出が認められていますが、ここでもやはり、自費で2人目の介助者(有料)を依頼しなければいけません。札幌市にはさらに一歩進んで、365日24時間(月平均730時間)の介助保障と、外出時の介助保障を求めて働きかけていこうと思います」

 国内に約1万人と言われるALS患者をはじめ、重度障害者の「バリアフリー」は始まったばかり。 初登院の際、木村英子議員は「私たちが求めてきた『介助を必要とする障害者が重度訪問介護制度を使って就労する』という要望は認められませんでした。制度の改正には時間がかかります。大きな問題を改善していくために、私たちはこれから、国会の中で頑張って取り組んでいきたい」と集まった支援者に語った。

 議場内の物理的な障壁は取り除かれた。2人の当事者がどのように国政に斬り込んでいくか。佐川さんをはじめ、全国の当事者たちが見守っている。私たちも学ぶ事から始めたい。


(了)

あわせて読みたい

「れいわ新選組」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    老害タグを茂木健一郎氏が批判

    BLOGOS しらべる部

  2. 2

    電通本社ビル売却検討 何が衝撃?

    かさこ

  3. 3

    不安煽るワクチン報道に医師呆れ

    中村ゆきつぐ

  4. 4

    高額ギャラ原因?芸能界リストラ

    渡邉裕二

  5. 5

    政治に怒らぬ若者 そのワケは?

    BLOGOS編集部PR企画

  6. 6

    リモートワーク全否定企業が危機

    城繁幸

  7. 7

    ワクチン接種した日本人の感想は

    木村正人

  8. 8

    ポリコレ求める人が無視する事実

    PRESIDENT Online

  9. 9

    小池都知事に「政治家じゃない」

    文春オンライン

  10. 10

    給付金は必要 麻生氏発言に抗議

    田中龍作

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。