記事

「何を言うか」よりも「誰が言うか」だが、誰が言ったかはよく覚えていないSNSの口コミの仕組み

1/2

皆さん、ご機嫌いかがですか? コンサルタントの重枝(@SGDYSK)です。

本日は口コミマーケティングがなぜ重要か、そして口コミをする主体は誰であるべきか、という話です。

    ■目次
  1. 消費者は企業の情報発信を「あえて無視」しているのではなく「無意識にスルー」している
  2. 消費者の無意識の壁を乗り越えるために「口コミ」が効果を発揮する
  3. 「何を言うかより誰が言うか」よりも接触回数が重要という、見落としがちな事実
  4. ガイアックス 重枝義樹の過去記事

1. 消費者は企業の情報発信を「あえて無視」しているのではなく「無意識にスルー」している

口コミマーケティングの重要性をお伝えする前に、「企業から発信する情報がどれほど消費者に届かないか」を紹介したほうがいいでしょう。

まずは口コミマーケティングに関係の深い、81秒の心理実験の動画を見てください。バスケットボールで白い服のチームと、黒い服のチームが入り乱れて、それぞれのチーム内でパス回しをしていますが、よく注意して、白い服のチームが回しているパスの数だけ数えてみてください。


 

答えは15回です。正解したでしょうか?

しかし、正解を出せたからどうこうということがこの実験の肝ではありません。実はこの動画、30秒時点でゴリラが動画内を横切っており、そのゴリラに気付けたかという心理実験に使われる動画なのです。

このゴリラ、ちゃんと数えきった人に限って見落としがちなのですが、気付いた人も、気付かなかった人も、動画を思いっきり見ているので、ゴリラの映像は瞳を通って網膜に映り、視神経を発火させてちゃんと脳の視覚野に届いているはずなのです。なのに見落とす人が多い。


これは「選択的注意」と呼ばれる認知のあり方で、人間の意識は自分の関心のあるものにだけ向かい、それ以外のものは認識できなくなってしまうという現象です。

これと同じメカニズムで、起こる現象が「カクテルパーティー効果」。こっちの方が選択的注意よりも有名かも知れませんね。

パーティーのようなザワザワした状況では、自分が参加している会話以外はすべて雑音にしか聞こえない(あるいはそもそも意識に上らない)のですが、少し離れたところで自分の噂話が始まると、突然その話だけ雑音から切り離され、きちんと言葉として認識されるという現象です。

特に意識しなくても、自分にとって重要な情報は、情報として脳に届いてさえいれば認識の対象になるということなのです。裏を返せば、自分にとって重要な情報(数を数えるという目的に紐づいていたり、自分自身にまつわることなど)以外は、見えていても、聴こえていても認識しないということ。

さて、これを口コミマーケティングに置き換えると、企業が自ら発信する情報は重要度が低く、口コミ情報は重要度が高いということになります。


まず前提として、現代の資本主義が高度に発達した消費社会では、自らの金銭的リソースの範囲内で、なるべくよい商品・サービスを手に入れ効用を最大化するという営みが生活の中心になっています。

そしてそれを実現するためには、なるべく良い商品・サービスを得るための情報が重要になるわけですが、どの情報の信頼性が高く、どの情報が低いかということは明確にスコア化されているわけではありません。

そうなると、自分が消費する前の参考情報として一番重視されるのは、利害関係のない(と思われる)第三者の口コミになります。

ポイントは「利害関係のない」という部分です。その商品・サービスで利益を得る企業と利害関係のない情報は純粋な評価だとしてとらえられるのです。一方で、手前味噌の本人情報は、あらかじめポジショントークだというレッテルを貼られてしまいます。

このレッテルによって、企業が発信する情報は無意識に消費者からスルーされ、届かなくなるわけです。

2. 消費者の無意識の壁を乗り越えるために「口コミ」が効果を発揮する

信頼性が高い情報は重要度が高い、信頼性の低い情報は重要度が低いということになり、人々にとって企業の発信する情報は認識の対象外になるわけですが、まずは口コミを作り、消費社会を生き抜く重要な情報として消費者の意識に上りやすい状態を作ることが突破口になります。

これは「ウィンザー効果」と呼ばれる現象で、第三者からの口コミやレビューなどの情報によって、信頼感や信憑性が増すというもの。

口コミによって企業や商品・サービスへの信頼感や良いイメージが醸成された状態になって初めて、そのブランドの重要度が消費者の中で上がり、企業の公式情報も調べてみようということになり、一生懸命作ったWebサイトや広告がその消費者にとって認識の対象になるわけです。


そして認識の対象になった企業発信の情報の質も高ければ、「では買ってみようか」という流れになりやすくなります。

もちろん、口コミだけで売れてしまう場合もありますし、第三者情報ではなく、中の人運用やアンバサダー活用などの第1.5者、第2.5者のような中間的な存在で消費者にとっての重要度を高めるという方法論もありますが、原理的にはすべて同じです。

あわせて読みたい

「マーケティング」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    バレてる? ポルノサイト閲覧記録

    島田範正

  2. 2

    韓国大使に一喝 河野外相を称賛

    一般社団法人日本戦略研究フォーラム

  3. 3

    N国代表の崎陽軒謝罪 見事な戦略

    かさこ

  4. 4

    N国「ひとり放送局」詐欺行為か

    文春オンライン

  5. 5

    ネガティブ禁止 仕事増えるSNS術

    倉持由香

  6. 6

    韓国人識者 日本経済に勝てない

    NEWSポストセブン

  7. 7

    別荘5億円 外国人が激増する町

    BLOGOS編集部

  8. 8

    中国より挑発的な韓国の軍事行動

    木走正水(きばしりまさみず)

  9. 9

    新生銀行 売出価格は1株1387円

    ロイター

  10. 10

    反日精神を批判する韓国の講義

    一般社団法人日本戦略研究フォーラム

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。