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「N国」と組みゲリラ的に改憲への道を突き進む渡辺喜美 - 室井實

共同通信社

参院選後、テレビがこぞって取り上げたのが「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」(N国)。普段、言いたくても言えない「NHKをぶっ壊す!」と言わせることが、民放としても快感!なんだろう。

確かに、「政府が右と言えば右」という政権べったり公共放送に視聴料を払うのは、面白くない。筆者も永年、受信料は不払いだったが、数年前、裁判で続々負ける報道を知り、集金人に婉曲に脅され、仕方なく「受信契約」とやらを結んだ苦い過去がある。

本来なら筆者も「N国」に投票したかった。アパート暮らしの息子は投票したらしい。でも当選したら、正義の味方づらしていた立花孝志代表は、あの戦争大好き丸山穂高・衆議院議員(「日本維新の会」から除名)を入党させた。自らリクルート(勧誘)したと言う。

会派を組む渡辺喜美氏の嬉しそうな顔

BLOGOS編集部

そして、次に狙ったのが渡辺喜美・参議院議員(無所属・元内閣府特命担当大臣)と会派を組んだ。さすがに渡辺は入党を拒否し、自らが主宰した「みんなの党」の名称にした。

渡辺は「みんなの党」で、「やり残したことが、たくさんある」と言う。

立花代表は「僕は選挙のプロですから、政治のプロ・渡辺先生と一緒に行動したかった」。

いやはや、相当の爺(じじ)殺しである。記者会見で渡辺喜美の嬉しそうな顔を、しばらくぶりに見た。

私は栃木県立大田原高校の出身。渡辺喜美は1年後輩にあたる。

彼が議員になってから会合で再会し、言葉を交わすようになった。偶然、徳間書店から著書を出版した際には、宣伝部長をしていた関係で地元紙「下野新聞」に広告を出稿したり、交友は続いていた。

第1次安倍内閣で内閣府特命担当大臣を任命され、その後、自民党を離党、「みんなの党」を結党。いろいろあって落選。「おおさか維新の会」から参院選に立候補。全国区で当選したが都議選で小池百合子都知事と連携して、「おおさか維新の会」からは除名された。

無所属の一匹狼では、何も出来ない。「N国」の誘いに乗ったのは当然だろう。

しかし、渡辺にも矜持は残っている。入党せず、会派「みんなの党」を復活させたのは、彼なりの強かさだろう。

栃木県の那須・大田原地区には、今なお「渡辺ブランド」が残っている。渡辺の甥・渡辺美知太郎は、参議院議員を務めた後、今年4月、那須塩原市長に当選している。

妻は栃木県議会議員、弟は東京・新宿区議会議員。これは伯父・渡辺喜美というよりは、祖父・渡辺美智雄(元大蔵大臣)のブランドである。

マスコミが叩くほど浸透する「みんなの党」会派

BLOGOS編集部

「NHK民営化を考えたこともありましたが、今はNHK改革には興味はありません」と明言する渡辺喜美。

「渡辺喜美の野望は、ただ1つでしょう。『N国』との会派「みんなの党」を復活させたし、あと2人リクルートして5人になり、改憲勢力として安倍総理に再び近づくことでしょう。その意味では国民民主党よりも現実味ある改憲別動隊になりますよ」(政治担当記者)だからだろう、渡辺喜美は嬉々としている。

<何年たっても変わらない国会議員の卑しい品性 さもしい本性>と夕刊紙に大きく書かれても動じない。マスコミが叩けば叩くほど「みんなの党」の会派名は浸透していく。

その意味では「N国」は母屋。庇(ひさし)を貸してもらうだけでOKなのだ。

渡辺喜美のことだ、今後ますます、ゲリラ的に改憲への道を進むのだろう。安倍晋三総理が18%の得票率でも、「改憲への議論を進めよとの民意を得た」と北の飛翔体が飛んでもゴルフばかりしているのも、その余裕かも知れない。野党は「共闘して改憲発議の3分の2は阻止した」と安穏としていては、寝首をかかれる。

渡辺喜美は、発言よりもずっと戦闘的な男である。

室井實(むろいみのる)
フリーライター1950年、栃木県生まれ。明治大学法学部卒。東京タイムズを経て徳間書店に入社。「アサヒ芸能」報道部、編集事業室室長、「Goods Press」編集長代理、スター・チャンネル広報部長(出向)、徳間に戻りマルチメディア企画開発、部長。ディレク・ティビー取締役宣伝部長(出向)。徳間に戻り執行役員宣伝部長を歴任。徳間書店退職後、東北新社広報室長。2011年に東北新社を退職し現在に至る。

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