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私が「あいちトリエンナーレ」でやらかした津田大介さんをそれでも支持する理由 そりゃあまあ燃えるよね、と思うのですが…… - 山本 一郎

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 旧知である津田大介さん、今回の「あいちトリエンナーレでは絶対に何かやらかしてくれる」と思っていたんですよね。

 案の定だったわけですが。

悪いのは脅迫する連中なのであって

 私の考えを先に書いておきますと、私は「表現の自由は、不快な表現こそ守られるためにある。だから、仮に津田大介さんのディレクションした表現が凄く不快なものであっても、それの批判は自由だが展示を中止したり撤去するべきではない」という意見です。

 もうね、津田大介頑張れ、と。もっと突っ張れと。そう思うわけです。


©iStock.com

 一方で、展示している側として「ガソリンをもってお邪魔する」などの脅迫や過激な抗議メールが殺到している現状で、警備の都合も含めて安全対策を万全に行えない以上は展示継続するのはむつかしい、と考えるのもまた仕方のないところです。

 悪いのは「そういうクソみたいな展示をやめろ」と脅迫する連中なのであって、津田大介さんじゃありません。脅迫によって表現の自由が踏みにじられていいのか、と言っても、脅迫が続いた「黒子のバスケ」でも数々のイベントが中止に追い込まれたのは、やはり世の中には本当にそういうことをやりかねないアレな人たちがおるということの証左でもあります。

 もっとも、本来ならば、「表現の不自由展」として抗議殺到するような物議を醸す「芸術作品」を展示する以上は、このような過激な抗議が来ることも予測しているべきであったし、また、抗議する側にも政治的信条や主義主張もしっかりあるわけですから、「これはそういうものである」という抗弁の仕方も事前に考えておくべきだったと思うんですよね。

一定の割合で本格的に話の通じない変な人たちっているんですよ

 しかしながら、記者会見に出てきた津田大介さんを見ていたら、最初ロートルのプロレスラーがなぜ出ているのかと思うぐらい憔悴して「ボク、可哀想でしょう」という雰囲気で喋っていたので、ああたぶん抗議殺到することまでは予測しても、脅迫ファックスや物理的にやってくるアレな人たちについて予測できていないぐらいナイーブにやっちまったんだなと思いました。そして、喉元が過ぎたら津田大介さんは被害者面していろいろ言うかもしれませんが、もう少し覚悟があっても良かったんじゃないかとは思います。

 私も日ごろ山本太郎に間違えられたりネットの変な人がたくさんやってきやすい体質を持っているので、毎日のように殺害予告が届いたり、玄関を開けたら上半身裸の中年女性がクリスマスケーキをもって佇んでいたり、毎時間「山本一郎。お前のせいで不眠症だ。できることをやれ下衆」とかいう素敵なメールを頂戴します。

 世の中、一定の割合で本格的に話の通じない変な人たちっているんですよ。

 面倒くさいので近寄らないようにしようとしていても、突然「山本一郎は反社会的勢力だ」と馬鹿みたいな怪文書をほうぼう送りつけてみんなで大爆笑したり、ネットで書き散らかされた情報を見て事実と思い込んだ変な人が良く分からないサイトを作って面白がられたり、表現活動や世間でモノを言う仕事をすると良く分からない奴にいろんなことをされることはある程度は受忍しないといかんのだろうと思います。

津田さんを芸術監督に選任したのは誰だ

 で、あいちトリエンナーレの場合は税金を使った大規模な美術フェスティバルですから、そういう不穏当な政治的表現を表に出してやる以上は、どうしても「そんなものに公金を使ってやるのは許されるのか」という議論が付きまといます。当たり前のことですが、そもそもが左翼活動を行うアクティビスト(活動家)である津田大介さんを特に芸術的なバックグラウンドもないのに芸術監督に選任し、芸術作品の選定を行わせた時点で、このような展示が増えるのは最初から分かっていたはずです。いや、むしろそういう人物を選びたい人がいたんだと思うんですよ。

 当然、津田大介さんを芸術監督にするには愛知県知事である大村秀章さんもGOを出していたわけで、ここで大村さんや名古屋市長である河村たかしさんが「津田大介ふざけるな」「いや、河村のいうことは憲法違反だろ」と揉めている以前に、お前らが選んだ津田大介さんがやらかしたんだからお前らの責任になるわけです。不用意にこの手の作品を選び、展示を敢行する判断をした津田大介さんが燃えるのは仕方がないことですが、周辺にいる大人も一緒に焼け焦げているのはどういう伝統芸能なのかと不思議に思います。

 一方で、津田大介さんというのは以前から津田さんの気に入らない言説について許容しない人物で、津田さんのピュアで誠実な面もありつつ非常に狭量に見える部分もあります。例えば、作家の百田尚樹さんが大学で講演することに反対したり、RADWIMPSの愛国ソング「HINOMARU」に文句をつけたりするのは津田大介さんが自分でずっとやってきた批判です。

 今回は津田大介さんがが手がけた作品展に対して批判が殺到したことで展示が中止になるや「表現の自由が脅かされている」と言い募っても「津田大介さん、それはいままであなたが他人に対してやってきた抗議運動と同質のものじゃないですか」という批判も出るでしょう。私個人の経験で言えば、私が書いたヤフーニュースの記事が気に入らなかった津田大介さんが、ヤフーに乗り込んでいってニュース担当者に「山本一郎に記事を書かせるな」と抗議したり、ネットニュース媒体で私が書いていない津田大介批判記事を私が書いたと思い込んで私への批判込みで記事を撤回するよう申し入れメールを送るような人なので、「右にも、左にも不自由な表現があるので平等に展示する」ということなど津田大介さんは毛頭考えていなかったことでしょう。

 山梨で災害が起きていたとき、安倍晋三総理が会食か何かで天ぷらを食べていたのはけしからんと津田大介さんが安倍批判に立ち上がり、見事「天ぷら騎士団」なる批評を呼び起こしたのも記憶に新しいところがあります。

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