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リーダー論:最近の仕事から考えたこと

最近、党内でいくつかのプロジェクトの座長や事務局の仕事を通して、リーダー像について考えることが多い。

日経電子版に掲載されていた、ナガセ社長の永瀬昭幸社長のリーダー論が示唆に富んでいた。リーダーに要求されるカリスマ性について、畏怖や威厳ではなくて「その本質は根が明るく、人が親しみを持ち、好きになるような気質だろう。生死の境にあってもジョークなどで場の空気を変えられる人だ」として日露戦争で活躍した大山巌元帥を例として挙げている。

また面白い切り口だったのが、「リーダー」と「ボス」の違いである。「リーダーは『利他的で謙虚』、ボスは『利己的で威張る』」、「リーダーは『人をポジティブ』にし、ボスは『人をネガティブ』にする」、「今の日本のように低成長で閉塞感が漂う時代には、リーダーは『パイを拡大する』ことを考え、ボスは『パイを分配する』ことを考える」と永瀬氏は指摘している。現在の政界には「ボス」は多数いるが、「リーダー」とはなかなか出会えない。私も「ボス」ではなく「リーダー」となれるよう研鑽を積んでいきたい。

永瀬社長のリーダー論ほど高尚ではないが、実は私がリーダーに重要な資質として考えているのは「部下の梯子を外さない」という点である。サラリーマン時代、また政界に入ってから多数の先輩、上司と仕事をしてきているが、本当のリーダーかどうかを見分けるポイントとして、重要な局面で外部や実力者から圧力がかかった際に「部下、後輩の梯子を外して逃げる人か、部下の取り組みを守って踏ん張れる人か」を重視している。また自分が後輩や部下と仕事をする際には、絶対に部下の梯子を外すことがないように心掛けている。

私にとって政界での「リーダー」像の手本は安倍元総理である。安倍幹事長時代に事務局としてお手伝いさせてもらった党改革で、党内の「ボス」達から様々な圧力がかかってきて、改革メニューが潰されそうになった時でも、安倍さんは絶対にぶれずに改革進めていった。私が担当していた案件が党内実力者の逆鱗に触れた際にも、梯子を外すようなことは全くなく、逆に「君のやっていることは正しい。絶対守るから、しっかりやれ」と激励された。真のリーダー像を見た思いがする。

実は若い頃にこんな経験がある。

私がNTTの新入社員であった当時、新聞のクリッピングを担当していた。主要新聞のNTTや情報通信産業関連の記事を切り抜き、台紙に貼り付け、コピーして役員や各部署に配布するという、まさに下積みの仕事だった。

ある日、役員の趣味の話が某新聞のコラムで紹介された。社業と直接関係ない趣味の話だからということで、クリッピング集の後ろの方のページに掲載した。このことが当該役員の怒りをかった。広報部に役員の秘書から電話がかかってきて、私の上司が役員室に呼ばれた。周辺にいた先輩からは「気性の激しい役員だから、相当絞られるだろうな。君マズイことしたなぁ」といわれた。

数十分後役員室から戻ってきた上司のデスクに近づいて、私が「私のせいで申し訳ありませんでした」と謝ると、その上司は「こんなことで大騒ぎする役員の方が悪いんだ。君の判断は間違っていない。俺が怒られて、謝っておけばいいんだから気にするな」といわれた。社会人として駆け出しだったこの上司の姿勢に私は感激するとともに、将来こういう上司になりたいと心底思った。

最近は政界でもビジネス界でも、こういう上司、すなわちリーダーが少なくなってきた気がする。

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