- 2019年08月03日 23:55
「表現の自由」と責任と。脅迫犯を検挙し、自由を後退させないための議論・対応を
1/2こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本件は意見を表明すれば、どちらからも激しく批判される案件だと思うのですが…。
「表現の自由」を一つの核として活動してきた政治家として、ブログでも取り上げないのは不適当だと思いますので、私の考えを改めてまとめておきます。
「不快なイベント」「趣旨には賛同」 慰安婦像の展示中止
https://www.sankei.com/life/news/190803/lif1908030014-n1.html
公金(税金)が支出された展示イベントにおいて、昭和天皇の肖像写真が燃やされ、慰安婦像(平和の少女像)が展示されたことに多くの批判が集まった本件。
作品は不愉快極まりなく、一刻も早く展示が終わって欲しいと率直に思います。このイベントに公金の支出を許可したことについては、批判も追及もされて然るべきでしょう。一方で、違法ではない表現を強制的に排除することには慎重でなければなりません。極めて難しい問題ですが、それが表現の自由です。 https://t.co/Z5szNZKxgk
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区) (@otokita) August 3, 2019
Twitterでも述べた通りでありますが、私の立場・意見を改めて先に提示しておきますと、
1.本作品は不愉快極まりないものであり、個人としてはまったく賛同も共感もできない
2.表現の自由は最大限に尊重されるべき。一方で、自由には責任を伴う
3.特に公金が支出されたイベントである以上、議会等でも批判や追及・検証が行われるのは当然
4.しかしながら、それでもなお、違法ではない表現を強制的に排除することには慎重であるべき
というものです。
行政機関が内容を不適切と判断し美術展への公的資金投下を拒否することは理解できる。米最高裁判決もあり世界的に問題は無い。しかし審査を通り予算執行の決裁が下りた公共空間で公開中の作品を首長が撤去せよと迫るのは別次元の話で「検閲」に他ならず望ましくないと私は思う https://t.co/gwmtM232NR
— ロバート キャンベル (@rcampbelltokyo) August 3, 2019
極めて不快なことであっても、ロバート氏の指摘する通り、一度公金を支出すると決めたイベントからお金を引き上げたり、会期途中で強制的に撤去することは「検閲」になる恐れがあり、慎重であって欲しいと思います。
ただ、「(事後に)議会や政治家が責任追及をしたら、表現の自由が萎縮するからすべきではない」というご意見については、公金が支出されるイベントである以上、全面的に首肯することはできません。
(恐らく行政側の想定を超える)過激な展示内容に対して、ここまで大きな批判・議論が巻き起こったわけですから、どのような理由で公金が支出されることになったのか、コンセプトや承認プロセスが適切だったのかどうか、議会が事後的に検証しなければ、それは完全なサボタージュというものでしょう。
表現に限らず自由には、責任が伴います。
個人的には、ここまで踏み込んだ(特に昭和天皇の動画)作品が展示されるとわかっていたら、さすがに行政側も公金の支出を許可しなかったと思いますし、そもそも私的な個展でやるべき内容だったと思っています。
- 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)
- 参・維新/政治をアップデートする。日本初の「ブロガー議員」