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「韓国と日本は仲良くできない」韓国の「ホワイト国」外しで関係はさらに悪化 出口が見えない貿易戦争

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会談前に韓国の康京和外相(右)と握手する河野外相=1日、バンコク(共同)

世界は日韓関係の悪化をどう見ているか

[ロンドン発]元徴用工や安倍政権による対韓国輸出規制の問題で、1965年の国交正常化以来、最悪になっている日韓関係について世界中が懸念を深めています。日韓の不和につけ込もうと中国や北朝鮮、ロシアは虎視眈々とチャンスをうかがっているからです。

35年間に及んだ植民地支配の傷を乗り越えるため、日韓両国は国交正常化に、日本の主権回復から実に14年の歳月を要しました。関係を築くのは容易ではなく、壊してしまうのはほんの一瞬です。非妥協的な韓国の左派と強硬な日本の右派に引きずられると取り返しがつかないことになってしまいます。

安倍政権が8月2日の閣議で韓国を輸出管理上の優遇国「ホワイト国」から外したことを受け、韓国が対抗措置として北朝鮮の核・ミサイル情報を日本と共有する日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄してくる恐れさえあります。

世界が今、日韓関係をどう報じたり、論じたりしているのか、見てみましょう。

「韓国の左派と日本の右派が激突」香港紙

AP

香港の英語日刊紙サウスチャイナ・モーニング・ポストには漢陽大学校(ソウル)のジョセフ・イ准教授が「韓国の左派と日本の右派が、解決できないかもしれない貿易紛争を設定して、二択の激突」と題して寄稿しています。

「韓国の左派は長期にわたって帝国主義時代の日本の植民地支配に対し、攻撃的な要求を行っている。一方、日本の右派は彼らの立場を強化している。しかし、わずかな調停の望みは残されている」と指摘しています。

朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は国交正常化のため1965年、日韓基本条約や日韓請求権協定を日本と結びました。

これについてイ准教授は「左派の活動家はこれを韓国国民の意思に反する親日協力だと決めつけている。反日ポピュリズムは1990年代、民主化に移行する過程で主要な世論の中に入り込んできた。左寄りの韓国政府が日本との2国間条約や国際合意に消極的になるにつれ、反日ポピュリズムは求心力を強めた」と分析しています。

一方、日本の反応について「極右の政治家やメディアは、日本は実力行使で報復せよと長らく主張してきた。彼らの見方は今や主流になった。中道左派の朝日新聞は安倍政権が自由貿易の規範を破ったと批判しているが、他の主要メディアと同じように元徴用工問題に対する文政権の対応をけなしている」と解説。

「日本の主要メディアはどれ一つとして文大統領を擁護していない。日本の経団連も韓国に対する輸出規制に抗議していない。日本の世論の71%が輸出規制措置を支持している」と言います。

米議会でもドナルド・トランプ米大統領に日韓関係を修復するため仲介に乗り出すよう求める声が上がり始めています。

イ准教授はしかし「ソウルと東京は部外者に頼らず、2国間の直接交渉をすべきだ。日本は従軍慰安婦問題を含め、日韓間の財産・請求権の問題は1965年の日韓請求権・経済協力協定で完全かつ最終的に解決済みとの立場だったが、1994年のアジア女性基金や2015年の日韓合意で妥協したことがある」と指摘しています。

思いっきり左寄りの韓国・文在寅(ムン・ジェイン)大統領と右寄りの日本の安倍晋三首相が歴史問題で合意できれば揺るぎない最終和解になるという論旨です。

「日本と韓国は仲良くできない」米外交誌

米外交雑誌フォーリン・アフェアーズは「日本と韓国は仲良くできない。米国が同盟国の関係修復を助けなければならない理由」と題するセレステ・アリントン米ジョージ・ワシントン大学准教授ら2人による論文を掲載しています。

「日韓間の問題が解決されないと、日本と韓国の緊張は世界経済だけでなく、トランプ政権の対北朝鮮やインド太平洋政策をも損なう。米国は無関心を続けると大きな間違いを犯すことになる。なぜなら米国のアジア戦略は日韓との三角関係に依存しているからだ」と説きます。

日本は35年に及んだ過酷な植民地支配への反省が足りないと考える韓国。際限のない謝罪と賠償を求めているように見える韓国にもう、うんざりしている日本。戦後74年を経て2国間の隔たりは縮まるどころか、広がる一方です。

アリントン准教授は「ワシントンは日本の輸出規制や韓国による日本製品の不買運動を非難し、双方に戦争中の賠償問題について妥協するよう促すべきだ」と呼びかけています。

さらに「ワシントンと平壌間の交渉を成功させるためには対北朝鮮の制裁など日韓が米国と連携し、日韓も互いに協力することが必要だ」と指摘。「韓国がGSOMIAから離脱すると脅していることは特にトラブルの原因になる」と警鐘を鳴らしています。

「日韓両国はアジアにおける米国の同盟システムの最も強力なアンカーだ。もし日米韓3カ国が協力して中国や北朝鮮に立ち向かえないなら、中国にとっては黄金の機会となる。インド太平洋の安定と繁栄を維持し、法の支配による秩序を構築するために日韓両国はトランプ政権の最優先課題となる」

そして最後に「米国は韓国に中立の第三国による仲裁を通じて賠償請求の和解に応じるよう促し、日本には輸出規制をさらに強化しないように助言すべきだ」と提案。「トランプ大統領は同盟国に対する懐疑をしばしば口にするが、日米韓の協力を維持する役割を放棄すると同盟国と同じほど米国を傷つけることになるだろう」と締めくくっています。

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