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社民党、かつての栄光どこに、政党要件維持したが展望開けず - 樫山幸夫 (元産經新聞論説委員長)

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参院選の結果を報じる大見出しの紙面の隅に、小さな記事が載った。「社民が政党要件を維持」(読売新聞、7月22日夕刊)ー。

社民党(社会民主党)に対するメディアの扱いは、今回、まるで諸派並みだった。

それだけに、関心が薄かった人も多かったろうが、中年以上の人たちなら覚えているだろう。自民党と〝2大政党制〟を長年、築きあってきた「日本社会党」こそ、社民党の前身だ。政権を担ったこともある大政党の落日ぶりには目を覆うばかりだ。

かつての政権政党をここまで追い込んだのは何だったのか。「労組依存体質が強かった」「日常活動の不足」など過去、さまざまな分析がなされてきたが、時代の流れについていけない旧態依然とした頑迷さが最大の原因だった。
自衛隊の改組、日米安全保障条約の「平和友好条約」への転換など、前世期の遺物ともいえる政策になぜ固執し続けるのか。このままでは将来への展望を開くことは容易ではないだろう。復活の手段はあるのだろうか。

(mizoula/gettyimages)

得票率で辛うじて政党要件満たす

社民党は今回、選挙区選に3、比例選に4、計7人の候補を擁立した。又市征治党首が体調を崩して不出馬を余儀なくされる気の毒な事情はあったが、結果は、比例選で前党首の吉田忠智氏が返り咲いただけ。選挙区での当選はならなかった。非改選1人、衆院2人とあわせて国会議員は4人にとどまるが、得票率が2%を超えたことから、かろうじて窮地を脱した。

政党助成法などでは、政党助成金を受けられる政党について、所属国会議員5人以上か、直近の選挙での得票率2%超を条件としており、社民党は今回の比例選で2・09%(前回2・74%)だった。

日米安保を「友好条約に転換」

今回のマニフェストの「平和と平等の共生社会をつくります」という項目をみると、こう書かれている。「憲法改悪に反対」、「自衛隊の活動範囲や理念などを定め、戦力に当たらない専守防衛の範囲内に位置づけ」「集団的自衛権の不行使を明記」「日米安保条約は経済や文化面での協力を中心とした平和友好条約への転換」ー。

1960年代、70年代の米ソ対立華やかなりしころを彷彿とさせる公約だ。

東日本大震災で活躍し、多くの国民から認知されるに至った自衛隊について、いまさら、「活動範囲や理念を定める」、「戦力に当たらない専守防衛の範囲内に自衛隊を位置づける」はないだろう。危険な存在だから防衛任務を薄めるといわんばかりだ。「日米安保条約の『平和友好条約』への転換」など噴飯ものというべきだ。大政党で日米安保の改廃を主張しているのは社民党のほかは共産党だけだ。

又市党首が副党首だった09年10月、防衛研究所で講演し、こう述べている。
「自衛隊を世界中に展開させようという策動があったが、憲法9条を守るわが党の努力があって、自衛隊が朝鮮戦争やベトナム戦争などにかり出されて人を殺したり殺されたりすることが今日までなかった」ー。
あたかも、自分たちの力で、自衛隊が憲法違反に手を染めることを防ぎ、悪行から救ったとでも言いたいような口ぶりだ。聞いていた防衛省、自衛隊幹部がどんな顔をしていたかみてみたかった。つい10年前の話だ。

冷戦時代だから支持得られた政策

社民党の前身、日本社会党が、安保条約廃棄、非武装中立、自衛隊違憲などの主張を掲げていたのは、1950年代以降だが、それが一定の支持を得ることができたのは、米国と旧ソ連による冷戦という時代背景があったからだった。

双方の対立がたかまっていた当時、米国と同盟関係を維持すれば、戦争に巻き込まれると、〝進歩的文化人〟を含む日本国内の左派が強く懸念、これを代弁する形で旧社会党の政策が生まれた。世界にもほとんど類を見ない奇妙な非現実的な政策、「非武装中立」がその核だった。 

冷戦の終焉によって、米ソ対立の危険は去ったが、今世紀に入って、新たな脅威が台頭してきた。いうまでもなく中国の軍事大国化、膨張政策であり、北朝鮮の核開発、ミサイルの脅威だ。米中の対峙は「新冷戦」といわれるまでにエスカレートしている。米同時多発テロやイスラム国に象徴される大規模テロ組織の跳梁も、これまでなかった新しい国際秩序への挑戦だ。

こうした状況の中、日米同盟、自衛隊の重要性はいくらでも指摘できようが、社会党、社民党はかたくなに冷戦時代の安保政策に拘泥し続けてきた。あたかも、特定の少数の有権者からの支持を集めればよしとしているようにだ。

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