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長野県(羽田)の圧勝から見えてくる政権交代への道 -反安倍連合戦線により14万5千票の大差の勝利

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後日のブログで公開するが、参議院選挙は野党の敗北である。しかし、そうした中で一人気を吐き健闘したのが、我が長野県だった。

<3年前の杉尾議員の勝利>

杉尾参議院議員は3年前に当選して以来、今回の羽田候補の応援活動でも必ずよく使うフレーズがある。「3年前は大激戦で全国一の62.86%の投票率、自民党の若林候補は50万票とれば当選と頑張り、ほぼ達したが、私はお陰でそれを7万5千票上回る得票をいただき、当選させていだいた」というものである。私はこの杉尾の自慢話(?)を引き継いで、いつものジョークで「杉尾議員をこれ以上威張らせないためにも、羽田さんには10万票以上の大差をつけて圧勝させていただきたい」と個人演説会の前座を締めくくっていた。

<予想された激戦>

しかし正直のところ、これといった争点もなく、盛り上がりに欠ける今回の参院選は、投票率がガクーンと下がり、その結果同じような大差がつけられないだろうと思っていた。そこに、羽田候補を中傷するビラが出回り、まじめな有権者は拒否反応を示し始めていた。

この他にもう一つ激戦になるという理由があった。

小松裕候補は長野1区で3回も私と戦っていた。吉田博美・参院自民党幹事長からいわば押し付けられるかたちで、引き継いだ長野地方区だが、元の選挙区である長野1区ではかなり善戦するだろうというものである。小松氏の後を継いで衆院選長野1区の候補者となった若林氏も大張り切りで、二人の2連ポスターがあちこちに貼られていた。それに加えて若林氏は私のミニ集会に倣ったのか(自分のためもあって)1区内に相当数の集会を設定し、そこに閣僚クラスの大物をも続々と応援に駆けつけていた。

<小松の選挙区1区でも勝利>

しかし、選挙結果は、1区でいうと北部の人口の少ない4町村で僅かずつ敗れただけで、大票田の長野を始めとする6町村は羽田が少しずつ上回り、1区合計で約1万6千票上回った。もちろん、他の4つの選挙区と比べて差は少ないが、まずまずのできだった。

そして、全体では投票率が予想通り54.29%と、前回と比べ8.39ポイントも下がり過去最低になったにもかかわらず、51万2,462票と小松の36万6,510票を約14万5千票余も上回る圧勝となった。私の前座挨拶を聞いていた方が喜びながら「篠原さんの予測を超える勝利ですね」と電話してきた。

国民民主党が衰退の一途を辿るばかりだったが、2017年秋の総選挙で大躍進した立憲も同じだった。例えば、岡田克也(立民会派)が三重で擁立していた芳野正英(私の初代の東京の秘書)は、4万票差で惜敗し、岡田の求心力が低下などと書かれている。そうした中で、我が長野県だけが別格だった。

<長野圧勝の理由>

それではなぜ、このような結果になったかを顧みてみる。圧勝の理由を挙げると以下のようになる。

(1)長野県民がリベラル色が強く、安倍政権を嫌っている。

(2)野党共闘がうまく機能している

(3)羽田候補は民主、民進、国民民主党と一貫して野党本流におりブレていない

(4)羽田孜元総理の息子というブランドが今も根強く生きている

(5)小松候補は、衆議院で比例復活できずに参議院に回ってきたため、新鮮味がなかった

以上の5つについて、日本全国で真似ができそうかどうか分析してみる。

(1)長野県民のリベラル志向

私ごときが6選されている1番大きな理由は、長野県気質によると思っている。

この実例は自民党総裁選にて、安倍晋三(首相)と石破茂(元幹事長)の票差が僅か15票差だったことに如実に現れている。(しのはらブログ【県民気質シリーズ1】自民党総裁選、石破が安倍首相に15票の僅差で肉薄した本当の理由-愛すべき長野県民気質がタカ派の安倍首相を嫌い篠原にも味方する- 18.10.2)私の戸別訪の折、よく羽田候補が「靖国神社を参拝する国会議員の会」の重鎮であることを指摘され弁明させられていたが、今回選挙前に辞めていた。有権者はこれを評価していた。

参院選で野党が勝利している新潟県、山形県も同じ傾向があると思われる。

しかし、2017年秋の総選挙で原口一博(無所属)と大串博志(希望の党)と非自民が独占した佐賀県もリベラル色が強く、知事選でも非自民が勝ったこともあるにもかかわらず、長崎県選出の元参議院議員、犬塚直史を当選させることができなかった。候補者決定が遅れたからである。

また今や立民の金城湯池となった北海道は若い獣医師、原谷那美(35才)を擁立したが、3人区の当選には程遠く、共産党の後塵を拝している。2016年には民進党が鉢呂吉雄と徳永エリの二人が当選できたのは、片や衆院6期、知事選にもでたことがあり、もう片方が2期目の実績のある徳永だったからである。知名度が重きをなす参院選である。

自民が前知事と毛並みのいい道義、立民もベテラン道議というのにズブの素人では無理だったのである。リベラル志向は、一朝一夕でできるものではなくむづかしいが、やり方ではリベラルの票を喚起できる県はいくらでもある。しかし、選挙直後の玉木代表の「私は生まれ変わった」とか「憲法改正の議論に応じる」といった軽率な発言に、羽田に投票し篠原を支持した人達は怒っており、今後来るべき総選挙での反発が懸念される。

(2)野党共闘

長野県ではいち早く国民、立民が中心となり統一地方選に向けて「新政信州」を立ち上げ、野党共闘の体制を整えた。もちろん、一般有権者には浸透していないが、政治家・連合・市民団体レベルでは新政信州を核としてまとめる事ができた。代表にはうってつけの北沢俊美元防衛相が就いて睨みをきかせた。統一地方選では野党での候補者に新政信州の推薦を出し、参院選では杉尾秀哉 ・立憲民主党長野県連代表が羽田選対総合本部長を務め、私が1区の選対本部長という陣形を立てた。

また共産党・市民連合とも緊密な連携をとり、集会も1人区の例でいえば共産党・市民連合中心のもの、立民中心のものも散りばめた。事務所はもちろん国民、立民とも同居していたし、当選祝いの挨拶は国民、立民,社民、共産の代表に市民連合代表も加わっていた。

他の府県では、国民と立民の事務所が別だったり、共闘とは名ばかりのものが多かったようだが、長野は完全な共闘体制ができあがった。考えてみれば当然のことで、3年前の杉尾選挙の時は民進党で一丸となって戦い、そこに共産、社民、市民連合が共闘していたのだ。その後途中で杉尾が立民に移ったことを除けば、なにも変わるところがなかった。

他県では、立民の組織などなく、かといって国民の国会議員も居ないという状況で、長野モデルは一気にはむずかしいという言訳もあろうが、衆議院議員のいない中南西部の4・5区でも勝利している。つまりどこの県でも仲良く団結して反安倍でまとまろうとすればできないことではない。

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