記事

“有権者が生んだモンスター”N国・立花代表を直撃!躍進の裏に緻密な戦略、もう一つの“公約”は?



 参院選での当選以来、積極的な動きを見せる「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表。29日に北方領土をめぐる“戦争発言”で日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員が入党し、30日には元金融担当大臣の渡辺喜美参院議員と新会派「みんなの党」を結成した。

 立花代表の躍進について、その裏には「選挙制度を研究し“地方から党を育てる”緻密な計画があった」と取材を続けるフリーライターの畠山理仁氏は語る。



 「立花さんがNHKから国民を守る党をつくったのが2013年。その時から2019年の参院選で1議席を取りに行くと。6年後の参院選を見越して、全国各地の地方選挙のスケジュールを全部メモしていた。この選挙に誰を立てて、ダメだったらすぐに引っ越しをさせて、『3カ月』という立候補に必要な居住要件を満たさせて次の選挙に出ていた。どういう選挙区でどういう選挙か、住民がどういう属性だったら自分たちが勝てるのか。もしくは、勝てなくても何%の得票が得られるかと、細かいデータを常に研究してきた」(畠山氏)

 立花代表は「NHKや民放も討論番組に出るには“2%+国会議員5人”というラインをひいている。そのラインを超えないと有権者へのアプローチの機会も減る」として、数を増やすことに注力している。畠山氏によると「N国にはまだ切っていないカードが2つある」というが、そのひとつがテレビへの露出だ。



 「テレビ報道において政党要件を満たしていないということで、選挙前・選挙中の露出がもの凄く限られていた。一生懸命ネットで炎上させることで、『反NHKのことをやっている団体だ』と認知してもらう必要があった。それが政党要件を得たことで、次の選挙からはテレビの地上波など一般の人に知られる手段、ものすごく有利な条件を手に入れた」(同)

 そして、もう1つのカードが“タレント候補”。国政選挙で有利とされる著名候補を擁立することで、議席数を積める可能性があるという。

 「この2つのカードをれいわ(新選組)もN国も使っていなかった。(他の政党と)同じスタートラインで使った場合に伸びるかどうかということを考えると、また伸びる可能性はあるんじゃないかと。だから恐ろしい」(同)

 畠山氏は、立花代表を“有権者が生んだ過激なモンスター”と称している。



 「地方議会の選挙の時も、『私たちの候補者の中には前科者もいます』とストレートに言う。最終的にその人を通すかどうかは有権者の判断ですよと、ものすごく有権者に丸投げをしてくる存在。N国というのは有権者を試してくる政党・存在だと思う」(同)

■立花代表「自分は政治家に向いている」



 立花代表は30日、渡辺議員との会見後、AbemaTV『けやきヒルズ』の取材に応じてくれた。今後の動きについて「すでに相当の種まきをしているので、あとは実るかどうか。実った場合には記者会見という形で発表していきたい」と話すとともに、党勢を拡大する意図や、自身を“過激なモンスター”とする見方があることなどについて語った。

――渡辺議員は「NHK問題をそんなに深く考えたことない」という認識の発言をしていたが、N国に投票した人に納得してもらえるか?

 相当な政治通じゃないとわからないことだが、参議院で無所属の議員は渡辺先生ともう1人、平山(佐知子)先生という方がいらっしゃる。平山先生は元々NHKのお仕事をされていてNHKとの関係は良好なので、この方と会派を組むのは絶対無理だと。実は国会議員の仕事はほとんど会派で行われるので、会派を組まないとNHKに対する質問すらできない。実際、渡辺先生と会派を組ませていただいて本当によかった。これからですよ。有権者の皆さんはわからないところがいっぱいあると思うが、NHKをぶっ壊す=スクランブル放送を実現することが私のミッション。そのための手段ということで、渡辺先生もNHK問題を取り上げないわけではなく入党でもないので、ご理解はいただけると思う。



――丸山議員が入党したことで、その他の議員が入党しづらくならないか?

 全く否定するものではないが、世間の皆さんに対しては、時間をかけて目的を達成すればお許しいただけるのかなと。お声がけしている12名の中で、選挙の結果が出る前から丸山議員にはお声がけさせていただいている。(戦争)発言の問題があったが、6年間をかけて政党を作ったのと一緒で、これから先の政治をやっていくうえで彼のポテンシャルは必要だと思っている。今度失敗したら付き合いきれないということになるが、このまま彼が問題なく政治家としてやっていただければ、長期的にはいい面が出るだろうと思う。私は5人を集めると言っているが、この状態で入党いただけなければ、次の衆院選・参院選で有名なタレント議員を使うといったことで党勢を拡大すればいいと思っている。今はどうしても数を増やす、国民の人気というよりも、政治をしていく能力で人選をさせていただいている。



――丸山議員はTwitterで昨年、「受信料は基本的に支払わなければならない」という趣旨の発言をしているが。

 今の法律では基本的に支払わなければならないというのは私も認識している。それをあえて法律違反をしましょう、法律よりも守らなければならないのが道徳であり正義であるということで、これは選挙前からずっと言い続けている。

――2013年から「2019年の参院選で1議席」と見据えていたが、“有言実行”をどのように受け止めている?

 政治家というのは、将来をみてそれを実現していくということ。私のことを誰も知らないうちから、1人で政党を立ち上げ活動してきた。そのように有限実行しているという意味では、自分は政治家として向いているかなと。

――自身を“過激なモンスター”とする見方があることについてはどう思う?

 非常にありがたいお言葉。日本社会が非常に平和で安全だと国民が思えば、過激でモンスターは必要ないだろうが、抜本的な政治の見直しを国民が求めるのであれば、そう呼ばれることは褒め言葉。私のような人間が日本の政治に必要ないと有権者が判断されれば、潔く政界を去るということは決めている。一方で、今のままの政治を放置すれば危険な状態になるということでもあると思う。



――NHKから国民を守る党のもうひとつの公約として、「生活保護費は現金支給から現物支給へ」とあるが。

 これは5年前の松戸市長選挙の時に掲げた公約で、部下にホームページから削除するよう指示を出していたがまだ残ってしまっている。単純な私の監督不行き届きで、現在の党の公約にはあがっていない。大変失礼しました。

 BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は、一貫して見えた立花代表の周到さに「N国は選挙制度を研究し尽くし、非常に巧妙に政治をハックしており、実行力や戦略性もある。僕も最初はYouTubeや政見放送を面白半分で見ていたが、そろそろ面白がるフェーズは終わらせないといけない。立花さんの目の奥は笑っていない。彼が本気である以上、有権者の側も本気でウォッチし、チェックする必要がある」と見解を示した。



 また、立花代表が声をかけているとされる議員の面々について、「芸人の松本人志さんは吉本興業内に松本興業をつくって“イエローカード芸人“を引き取ると言ったが、立花さんは“イエローカード議員“を集めて国会内に『立花興業』をつくろうとしているように見える」と指摘。

 問題議員が再び不祥事を起こす可能性を念頭に「立花さんが数が力だと思っているのだとしたら、党員が問題を起こしても知ったことではない、と思っている可能性もあると思う」と語った。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

【映像】NHK受信料“19億円”支払い命令は妥当? N国党・立花代表に聞いてみた

あわせて読みたい

「NHKから国民を守る党」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    少年マガジンからグラビア奪うな

    倉持由香

  2. 2

    千葉悩ます倒木処理 識者が助言

    田中淳夫

  3. 3

    米国識者 GSOMIA破棄は「自害」

    高英起

  4. 4

    英軍の靖国参拝めぐる右派の誤解

    清 義明

  5. 5

    韓国政府の日本語サイトに苦言

    AbemaTIMES

  6. 6

    千葉のゴルフ場を悪者にする謎

    かさこ

  7. 7

    議論から逃げる日本のリベラル

    青山まさゆき

  8. 8

    新型iPhone発売も内外から逆風

    ロイター

  9. 9

    大谷がヒザ手術 二刀流は無理か

    幻冬舎plus

  10. 10

    山本太郎氏を直撃 極左との関係

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。