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「死ぬまでSEX」について徹底的に取材して、『シルバーセックス論』という本にまとめてみた

『シルバーセックス論』という本を上梓した。その名の通り、高齢者たちの「性」を徹底的に取材した本だ。1983年、当時の最先端の「性の世界」を描いたルポルタージュ、『飽食時代の性 セックス・ウォーズ』を僕は著した。それから36年。なぜ、僕が再び「性」について関心をもったのか。

高齢者にも性欲はある。「死ぬまでSEX]という企画が、週刊誌でも話題になっている。しかし、高齢者の性の問題について、日本は正面から向き合ってこなかった。「セックス」は生き物にとって当然あるものなのに、「タブー」とされてきたのだ。

たとえば、老人ホームでは、恋愛はご法度とされてきた。入所していた高齢者カップルが悲しい結果になった、という話もよく聞く。しかし、いま、高齢化とともに、高齢者の「性」がオープンになり、積極的に「性」を求める人も増えているのだ。

ただし、どうしようもない男女のギャップがある。男性は60、70代になっても、セックスを求める。だが女性の性欲は、50代からどんどん減少する。

そこで僕は、性の問題に詳しい宋美玄さんと対談し、この問題の切実さを伺った。宋さんは、2010年に『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』というベストセラーを出している産婦人科医だ。

宋さんによると、夫婦間で、夫の求めが苦痛だと、相談に来る妻が多いという。では、どうしたらいいのか。男性は風俗店に頼るのか、と聞いたところ、「アダルトVRの発達が、もしかすると老人の性の問題解決の切り札になるかも」と宋さんは答えた。「VR」とは、仮想空間を作る技術のことだ。

その話を聞き、早速、僕はアダルトビデオの製作会社を取材した。そこで、まるで目の前に女性がいるかのように感じる、「VR」のアダルトビデオを体験した。

それから、60歳以上の男性限定の、「中高年専門デリヘル」の経営者や、そこで働く女性にも話を伺った。そこで、男性は何歳になっても、女性のやさしさ、柔らかさを求めることは、極めて自然なことなのだ、と改めて僕は実感したのだ。

「風俗で働く」というと、特別なことと感じるかもしれない。でも、彼女たちはとてもまじめで、ごく普通の人間だった。「いつかは辞めなければ」と思いつつ、「昼の仕事よりやりがいを感じる」と語る人もいた。なによりも、「お客様に喜んでもらえるのがとてもうれしい」という彼女たちの言葉に、取材している僕もまた、あたたかいものを感じた。

高齢者専門「婚活パーティ」の経営者にも取材した。50代以上向けのパーティは、はじめは月1回だったのが、どんどん人気が出てきて予約が殺到し、いまでは週に2、3回やっているという。

人生100年時代である。夫や妻と死別、あるいは離婚した人が、パートナーを求める、あるいは未婚できたけれど、やはりパートナーがほしいということも自然の流れだろう。

何歳になっても、男女がお互いに求める――。これは自然の摂理である。『飽食時代の性 セックス・ウォーズ』の刊行から36年、人間の本質的な欲望、欲求は変わらない、ということを改めて思った。

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