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若年成人の低投票率を憂う

 先日実施された参議院通常選挙の投票率は、平均で48.8%(前回54.7%)、若年者ほど低く高齢者ほど高いという傾向は変わらなかった。中でも若年成人といわれる18歳・19歳が31.3%となり、3年前に初めて18歳選挙権年齢が引き下げられてから直ぐの参院選が46.8%だったにもかかわらず、今回それをかなり下回ったことはショックである。

 特にこの度の参院選の争点の一つだった「全世代型社会保障」の一環として、子育て世代の負担軽減を目指す幼児教育・保育の無償化や、返す必要のない給付型奨学金の大幅拡充による、高等教育の実質無償化がテーマとなっているにもかかわらず、若者の心が動かなかったことは、大変残念である。

 憲法改正国民投票法の立法過程で、投票権を世界標準の18歳以上に引き下げたあと、選挙権年齢もそれに合わせるのが妥当だとして、超党派の議員立法により実現した。その当時から社会科や公民科だけではなく、より実践的で主体的に取り組めるような、いわゆる「主権者教育」の重要性は叫ばれていた。

 数年後に学習指導要領の中に設定される教科「公共」を待つまでもなく、全国の高校では主権者教育が盛んに取り上げられるようになったが、若年者の低投票率の現実を突きつけられると、更に主権者教育に力を込めなければならぬことを痛感する。しかもそれは単に知識の詰め込みではなく、生徒自身が社会をどう作って行くのか、どう関わって行くのかを考えさせる、アクティブな授業にしなければ駄目だろう。

 来たる8月1日には宇都宮市において、今年度NIE(教育に新聞を)全国大会が開催される。子供たちに複数の新聞を読んでもらい、各々の新聞が社会の出来事をどのように捉え、どのように表現しているか。また各社の主張の違いを調査したり、自分の考え方をまとめて発表する試みを披露し、検討する貴重な機会となる。

 NIEの取り組みはまだまだ点の存在に過ぎないが、主権者教育の重要なツールとして大いに参考になるとともに、今後さらに線から面の取り組みに拡大すべきではないだろうか。

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