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防衛省がフリーランスを排除

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清谷信一(軍事ジャーナリスト)

【まとめ】

・記者クラブ容認したのに防衛省はフリーランス会見参加認めず。

・発表ジャーナリズムの記者クラブメディアに権力監視不可能。

・「不都合な真実」暴くフリーランスの参加が報道自由化の一歩。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイト https://japan-indepth.jp/?p=47083 でお読みください。】

昨年末、防衛記者クラブはフリーランスのジャーナリストの防衛省で行われる防衛大臣や各幕僚長などの会見への参加を認めた。だが防衛省は受け入れ体制の不備を理由に無期限にフリーランスの参加を拒否し、すでに半年以上が過ぎている。防衛省は何を恐れているのだろうか。この問題を通して民主国家ではありえない政府と記者クラブの情報統制が見えている。

事の発端は、フリーランス・ジャーナリストの寺澤有氏が昨年12月に自著、電子書籍『海上自衛隊が幹部間のイジメ自殺を隠蔽』に関して記者会見に参加したい旨を防衛省広報課に伝え、その後防衛記者クラブも12月17日にはフリーランスの会見参加を了承した。

ところが防衛省側は25日の会見に参加しようとした寺澤氏の参加を広報室のK氏は「先週、記者クラブが『フリーランスも記者会見に参加してもかまわない』と言えば、防衛省もかまわないと申し上げたが、フリーランスの会見場への立ち入りをどうするかという問題があり、明日は参加できない」と述べて断った。参加はいつになるかわからないという。

このため寺澤有、三宅勝久両氏と筆者(清谷)の連名で防衛省報道室と防衛記者クラブに対して、フリーランスのジャーナリストと話し合いの場を持つように書面で12月23日要請したが、今に至るまで黙殺されている(書面と経緯に関する寺澤有氏のブログ参照)。

▲画像 寺澤有、三宅勝久両氏と著者の要請書
出典:寺澤有氏 twitter

筆者も佐々木正博広報室長に何度も電話で問い合わせたが、フリーランスの会見参加はいつになるかわからないという。それが半年以上も続いている。では、誰が担当者あるいは責任者かと問うと、「責任者も担当者もいないが話し合いは続けている」という驚愕の回答が返ってきた。

役所に限らず、組織では事案に関しては担当者や責任者がいるはずである。そうでなければ誰も責任を取る人間がいないということだし、問題が生じた場合の解決もできない。これでこの問題が解決するわけがない。例えば防衛大綱を決める際にも責任者や担当者はいるだろう。

防衛省の職員には行政官としての能力が根本的に欠如しているのか、あるいはフリーランスの会見参加をなんとしてでも防止しなければならないのかどちらであろう。恐らくは後者の方の理由だろう。

筆者は1月24にこの問題に対する岩屋毅防衛大臣へのインタビューを申し込んだが黙殺された。このため岩屋防衛大臣の事務所に申し入れをしたが、これまた黙殺された。更に志賀佐保子広報課長に対するインタビューも申し込んだが黙殺されている。

▲写真 岩屋毅防衛相。著者のインタビュー申し入れに返答なし。
出典:防衛省・自衛隊ホームページ

またフリーランスのジャーナリスト畠山理仁氏は5月に防衛省に対して、この問題に関する書類の開示を求めた。だが開示されたのはいわゆる「海苔弁」全部真っ黒に塗り潰されていた。これに対して防衛省は「公にすることにより、検討内容が推測され、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること」としている。

▲画像 防衛省が畠山理仁氏に開示した書類
出典:畠山理仁氏 twitter

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