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「NHKから国民を守る党」に投票するのは有権者の劣化? 投票行動から考える野党の目指すべき方向性

 先日、「NHKから国民を守る党」が参議院比例区で議席を得たこと、その「N国」に投票すること投票行動が有権者の劣化と論じました。
「NHKから国民を守る党」の議席獲得は投票行動の劣化 公共放送としてのNHKを守ろう

 劣化とは何だという批判があるようですが、どういった観点からなんでしょうね。

 実際にNHKには問題はありますし、その点も指摘しています。
 NHKが今のままでいいわけがない。安倍政権に支配されたような状態がいいわけがない。

 しかし、だからといってぶっ壊せですか。NHKがどうあるべきかという議論を抜きにぶっ壊せとはいかにも短絡、単純思考です。

 しかも、「N国」には他の公約がほとんどない、長いものには巻かれろ的なもので、要は自民党についていくよ、ということです。

 受信料を払った者のみにスクランブル化により視聴できるようにすれば、改憲にも賛成するなどという「N国」には理念もへったくりもなく、ただそこにあるのは極右というだけです。どう考えたって、スクランブル化と改憲がバーターなんていう発想はおかしいでしょう。

 国政でこんなレベルのことをするんですか。

 NHKに対する少なくない反感を集票に結びつけたというやり方はえげつないというだけでなく、それにそのまま乗ってしまう有権者の行動も憂うべき状況です。

 国政をNHKの観点からしか考えられない??

嫌な思いだけで国政は動かない


 参議院で比例区が導入されたときも、福祉党とか税金党といった単発論点で出てきた政党があって、議席を得ていました(税金党はそれよりも前から代表が東京選挙区で当選していました)。しかし、その後、結局、少数では政策の実現は無理などという理由で自民党に入党してみたりで、投票者の期待を裏切っていました。

 それでもまだ福祉党やら税金党の方がましなのかなとは思ってしまいます。
 「N国」の場合にはただNHKをぶっ壊せというだけだからです。

 こうした単発論点で投票してしまうというのは、それ以上は考えないということと同じで、こうした単調フレーズしか受け入れないということであれば、日本の将来はどうなるのでしょう。

 野党は、こうした状況も見つつ、野党としての政策を訴え、理解を得ていかなければならないのですから、とても大変です。

 一説には、立憲民主党の支持層が「N国」に流れたという調査結果もあるようです。
 要は立憲民主党は単なる批判票の受け皿として投票されてきた(支持されてきた)ということにもなるのですが、実際に政権を目指すのであれば、単なる批判票の受け皿でいるだけではダメなわけです。

 「N国」に流れていった層は所詮はそうしたレベルだったのかもしれませんが、立憲民主党が獲得すべき層はそこではありません。
 自民党でも仕方ないんじゃないという層こそ、今後、獲得していかなければならないのです。

 これは立憲民主党に限った話ではありません。野党各党が政策として一致し、ビジョンとして自民党政治では国民の福祉は実現できないんだ、ということを示すことです。

 例えば、子育て支援を求めている層にこそ、軍拡、改憲で子育て支援は実現できない、相反するものだということ、その軍拡にストップを掛けることで人に優しい政治が実現できるという道筋を示すことです。

 両立しないというだけでなく、自民党は平気で「子育て支援」なんて口だけで言ってしまうんですから、「与党ならやってくれるかも」という幻想を抱かせて、自民党は政権を維持しているだけなのです。

来る衆議院選挙で求められているのは野党候補の一本化

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