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蓮池透の数奇な人生 ~元NHKスクープ記者 立岩陽一郎のLIFE SHIFT第22回

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選挙

そして7月5日に選挙戦に突入。しかし「れいわ新選組」はテレビのニュースにはもちろん、新聞の記事にも載らない。これは政党要件を満たしていないから、ということだろう。

これは苦戦だなぁ……。

7月16日、蓮池さんネット上でのつぶやきが目に入った。

「『拉致被害者を見捨てた?』そのようなことは絶対にありません。まだ、帰らない被害者とその家族は言うまでもなく、帰らない人たちを背負って生きている弟たち5人・家族も心休まる日はありません。頼りの政府が主体的な外交をしている感はなく、被害者の受入態勢を整えている様子もありません。ひたすら待つのみ、ただ時間だけが刻々と虚しく過ぎていきます。優先とされる課題がこの有り様であることが示しています。多くの様々な被害者=弱者を見捨てている、それこそがこの国なのです。すべての人間の命には、限りがあります。もちろん、私もです。もう我慢できない。こんな国を変えたい。残りの人生を無駄にしたくない。そんな思いで、今回声を上げ続けています。どうかご理解ください」

「どうかご理解ください」というところに、蓮池さんの必死さが読み取れた。

「大変なんだろうなぁ」

私は友人、知人が選挙に出る時、基本的に表立った応援はしない。私はジャーナリストであり、友人だろうが、政治家や候補者は先ずは取材対象だからだ。

ただ、蓮池さんは少し心配だった。そこでメールを送った。

「あまり声を張り上げないことです。終盤に声が出なくなりますから」

新人候補が選挙戦の序盤から声を張り上げて中盤くらいで声がガラガラとなり、大事な終盤戦で声が出てない姿を何度か見てきたからだ。

蓮池さんからは「拝承」と一言来た。

そして7月23日に投開票。れいわ新選組はとてつもない表を得る。選挙区の得票数が21万4438票で比例区の得票が228万764票。足すと約250万票だ。代表の山本太郎氏が99万2267票。これもすごい数字だ。

しかし山本氏は当選できなかった。当然、2万557票とった蓮池さんも落選となった。2万票を超えているんだから他の党から出ていたら当選していたかもしれない。

その2日後、一息ついただろう頃に電話を入れた。

「お疲れ様でした。選挙、どうでした?」

「いやぁ、落ちたら仕方ないよ」

電話の向こうの声は元気そうだった。喉もつぶれていない。

「選挙後、新聞もテレビもれいわ新選組について報じ始めているけど、忙しいんじゃないですか?」

「ああ、議員会館の引っ越しとかね。そういうのは忙しいみたいだけど、私は別に何も。選挙の総括するんでまた東京に集まるけど、私はこれから柏崎に帰るよ」

「すごい結果じゃないですか? 予想外じゃないですか?」

「いや、そうでもないんだよ」

「え? 予想内?」

「本当はもっと行くかと思っていた」

やはり、れいわ新選組という名称の浸透が間に合わなかったという。

「だから途中から『山本太郎と書いてください』って言って、『山本太郎が嫌な人は蓮池透と書いてください』って言ったんだよ」

「本当は300万くらい行くと思っていた。だから、ちょっと残念」

250満票獲得して2人も国会に送り込むことになったが、当事者はもっと高みを目指していたということか。話が面白いので、毎週水曜日の夜9時から私がホストをしているニコニコ動画「ファクトチェック・ニッポン」にスカイプ中継で出てくれないかと話した。

「いいよ」

そして24日の水曜日、スカイプをつなぐと、バタバタとパソコンを動かしている蓮池さんが画面に現れた。



「音、大丈夫?」と蓮池さん。

「大丈夫ですよ。クリアです。で、そこはどこですか?」

「柏崎の実家の踊り場」

タバコをふかしながら蓮池さんが言った。どこまでも自然体だ。番組の終わりに尋ねてみた。

「しかし、私は49でのライフシフトでしたが、蓮池さんは、60過ぎてのライフシフトですね?」

「ああ、そうね。まぁ60過ぎたとか、考えてなかったからね。走ってきて、こうなった。そりゃ、身体の衰えは感じるけど、でも元気だしね。ただ、走ってきてこうなった、そういう感じかな」

これからは? れいわ新選組でやっていくのだろうか?

「取り敢えず、そうかな」

気負いのないひねくれ屋がそう言って、笑った。

第23回に続く

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