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「国際薬物乱用・不正取引防止デー」厚労省への要望書

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トップ写真:)厚生労働省 出典:Wikimedia Commons

田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)

【まとめ】

・厚労省には薬物依存に関する二次、三次予防の知識・配慮が全くない。

「ダメ。ゼッタイ」の取組みが本質的に効果があるとは言い難い。

・暴力団排除には、流通ルートの断絶と、末端使用者の回復が重要。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=47075でお読みください。】

2019/7/12に「国際薬物乱用・不正取引防止デー 悪意感じる国の取組み」という記事を書いたが、さすがに今回のポスターがひどすぎたことから、依存症問題に取り組む当事者、家族、支援者など方々から是正を求める声が上がり、それら各団体と連携し、このキャンペーンを主催する、

根本匠厚生労働大臣、

厚生労働省 医薬食品局 監視・指導麻薬対策課

社会・援護局 障害保健福祉部 依存症対策推進室

(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター

要望書を提出することとなった。

提出者は、以下の各団体である。

依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク

特定非営利活動法人 全国薬物依存症者家族会連合会

特定非営利活動法人 アスク(アルコール薬物問題全国市民協会)

公益社団法人 ギャンブル依存症問題を考える会

特定非営利活動法人 全国ギャンブル依存症家族の会

関西薬物依存症家族の会

要望書の内容は

「ダメ。ゼッタイ。普及運動」のポスターに関する要望

▲画像

私たちは、依存症への正しい理解を広め、回復を応援する社会をつくるために活動している団体です。

今年の「ダメ。ゼッタイ。普及運動」のポスターを見て非常に驚きました。「薬物乱用の行き先をご存知ですか?」と、どの方向にも「破滅」しかないことを強く訴えています。

主催者の方々にしていただきたいことがあります。

このポスターを、薬物をやめられずに苦しんでいる乱用者や家族が見たらどう感じるか、という視点で見ていただきたいのです。

「絶望」しかありません。その結果、追い詰められて、ひたすら「自己破壊」に向かうしかなくなります。

では一般の人はどう感じるでしょうか?

…「薬物乱用者は破滅を承知でやっているアホ。自業自得だから、助ける価値もない」との偏見を募らせる可能性が高いと、私たちは考えます。

実際に、各地で薬物依存症リハビリ施設への反対運動が起きていますし、薬物を使用した芸能人を寄ってたかってさらし者にし、出演作品の回収など過剰な自粛も起きています。ゼッタイ排除の動きです。

こうして、薬物乱用撲滅の名のもとに、乱用者への過剰な社会的制裁・排除が助長されています。それは実際に、早期相談・治療・回復・社会復帰を阻害する大きな要因となっているのです。

これは、国連をはじめとする世界の流れ――薬物問題を健康問題ととらえ、非犯罪化して重篤化を防止――にも反します。わが国で2016年に施行された「再犯防止推進法」――社会において孤立することなく、国民の理解と協力を得て再び社会を構成する一員となることを支援することが目的――にも反するものです。

上記の理由で、私たちは以下の対応を強く求めます。

1.2019年「ダメ。ゼッタイ。普及運動」ポスターの掲示中止。

2.来年度以降は「ダメ。ゼッタイ。」の路線を見直し、相談や回復につながるようなポスターを作成・掲示すること。

3.International Day Against Drug Abuse and Illicit Traffickingを、「国際麻薬乱用撲滅デー」ではなく、正しく「国際薬物乱用・不正取引防止デー」と訳すこと。

とした。そして、2019/7/19に、この要望書を手渡すため厚生労働省に出向くこととなった。この会合に、厚生労働省側としては、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課(以下 監麻課と記す)の成嶋伸浩課長補佐、と同課澤田薫啓発推進係長、そして社会・援護局 障害保健福祉部 依存症対策推進室からもお二人が参加された。

要望書を手渡す前に調べたところ「ダメ。ゼッタイ。普及運動」のポスターに関してイニシアチブをとっているのは監麻課であって、依存症対策推進室には連携がなかったことがわかっていたが、今回あえて依存症対策推進室にも同席して頂いた。

この監麻課の「ダメ。ゼッタイ。普及運動」の問題点は、一次予防(病気にならない、未然に防ぐ)を強調し続けてきたばかりに、その弊害の方が大きくなってきているにも関わらず、その見直しがなされないことである。というよりも今回、監麻課との面会が実現してわかったことは、監麻課は二次予防(早期発見・介入、病気をくい止める)、三次予防(再発予防)の知識や配慮など全く持っていないという驚愕の事実であった。

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