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若槻千夏も炎上した教員不足問題 親は教師に期待しすぎ

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芸能マネージャーのような負担がある教師職

 タレント・若槻千夏(35)の“モンスターペアレント発言”で、「教員不足問題」が注目されている。7月21日に放送された『news zero』(日本テレビ系)での若槻の発言は炎上したが、その背景には「教員に頼りすぎる親」の存在が挙げられる。ライター・井上絵美里氏が、海外での通学経験をもとに、その現状について考察する。

 * * *

 先日、放送された選挙特番で教員不足が特集された。「勤務時間外の対応をなるべくやめる」、「18時以降は学校の電話に出ないようにする」という対応策に、タレントの若槻千夏が「えー、なんか寂しいですけどね」、「金八先生見たでしょ? ビジネス化しちゃダメでしょ、そこは」と発言し、ネットが炎上。「教師の過重労働についてまったく理解していない」「こういう親がいるから先生は疲弊して、なり手が減る」などと批判を浴び、若槻はその後、自身のインスタグラムで謝罪した。

 私は日本の区立と、中学2年生からオーストラリアの私立に通っていたが、日本では教員に対し、保護者の期待が高いと思うし、距離感も近い気がする。オーストラリアでの教員は、熱血教師と呼べる先生は(私が知っている限り)おらず、事務的な対応をする存在だった印象だ。

◆日本は「理想の先生像」が多い

 考えてみると、日本では、武田鉄矢が演じた『3年B組金八先生』や、反町隆史が演じた『GTO』、仲間由紀恵の『ごくせん』など、教師が生徒のために体を張り、親身になって行動するというヒットドラマが多いが、海外のドラマや映画で『金八先生』のような熱血教師の学園ものは、日本と比べると少ない気がする。

 私が区立の中学校に通っていた頃、クラスに馴染めずに孤立していたのだが、学校を辞めたがっている私に気づいた教師はサポートしてくれた。「誰と仲がいいのか」と聞かれ、中学2年生になると小学校の頃に仲が良かった同級生と同じクラスにするなど、配慮してくれた。いま、振り返ると本当に感謝しかない。

 しかし、結局クラスに溶け込めなかったので、留学することを決めたのだが、留学先で軽くカルチャーショックだったのは、私が通っていたオーストラリアの学校の教師たちは、日本の教師と比べると、事務的な接し方だったことだ。

 留学当初、私の英語力が乏しく、現地の先生とコミュニケーションを深く取れなかったというのも一因でもあると思うが、思い返してみると、現地の友人が先生に勉強の質問以外で頼っている姿をあまり見たことはない。教師は「ネイルを塗るな」、「髪を染めるな」という校則や、授業態度を注意するが、子供の問題に自ら首を突っ込んでいたという記憶がない。

 クールな先生が多かったので、留学生である私を心配して手取り足取り面倒見る、ということはなかった。私が一人でランチを食べていても、心配はしない。誰か生徒を捕まえて、「新入生の面倒見てあげて」とサポートするわけでもない。

 もちろん、仲良くなった親身な教師もいるが、ディープな悩みを打ち明けた記憶はない。先生に話しても困るだろうし、悩みは日本に暮らす親や、周りの友人に相談していた。心のどこかで「先生は友達じゃないんだから」という一線を引く、心理があったのかもしれない。

 そんな、塩対応な教師に対し、現地の生徒は敬意を払っていた。ネックレスや指輪をして校則を破ることはあっても、教師に注意されるとすぐに外した。日本人の同級生がこのやり取りを見て「反抗しないで言うこと聞くのが不思議」と呟いたのが印象的だった。おそらく、先生と生徒が“クールな関係”と割り切っているのだ。

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