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スペシウム光線に近づく?米軍の新兵器

中東ホルムズ海峡周辺での緊張が高まっています。核合意問題を巡って経済制裁を強める米国、反発するイラン。その中で起きた日本の会社が運行する1隻を含むタンカー2隻が、ホルムズ海峡近くのオマーン湾で攻撃されたのが6月13日のことでした。

それを米国はイランの革命防衛隊によるものだと断定し、非難する中、その1週間後の20日、米国の2億2千万ドルもするという高性能無人偵察機「グローバルホーク」が革命防衛隊によって撃墜されました。

そして、それから1ヶ月後の今月18日に、今度はイランのドローンがホルムズ海峡に展開している米軍の海軍艦艇に撃墜されました。

不思議なことに、今日に至るまで、少なくとも日本語メディアではどのように撃墜されたかに言及した記事は見当たりません。

ただ単に、「海兵隊の強襲揚陸艦Boxerに1000ヤード以内に近づいてきたので、撃墜した」とあるだけです。NYタイムズの記事にしても、公海上で「shot down」とあるだけで、どのように撃墜したかには触れていません。

しかし、それから数日後、ネットメディアのThe Vergeが「実は、新型のアンチドローンシステムを使って撃墜した」と報じました。

でも、これはThe Vergeの特ダネではなく、軍事専門サイトMilitary.comが報じていたものだと、自身で認めています。

そこで、Military.comの記事に飛んでみました。そこには「センシティブな問題なので匿名を条件にした語った防衛当局者」の言として「全地形対応車MRZRに搭載したLMADIS(Light Marine Air Defense Integrated System)を初めて実戦で使った」と伝えていました。MRZRは普通は陸上で使うのですが、今回はLMADISを搭載、強襲揚陸艦BOXERに乗せてあったたのです。海兵隊遠征部隊のFacebookページにその写真がありました。

LMADISというのは、おそらく車体後部にあるドラムのような形状のものだと思われます。レーダーとカメラを搭載していて、これが、上空のドローンを探索し、友好的なものか敵対的なものかを見分けるのだそう。

そして、ひとたび「脅威」なものだと判断すれば、高周波電波を発して、ドローンと操縦者の通信を撹乱して、墜落させる、ということのよう。

Vergeに続いて報じたWiredの記事によると、このシステムから発する電波は強力なので、操縦者との通信を遮るだけでなく、ドローンに搭載された電子機器も混乱させるので、自律飛行のドローンにも有効だということです。

こうした大砲や銃などを使わない兵器のことをDEW(directed energy weapons=指向性エネルギー兵器)ということをVergeやWiredの記事ではじめて知りました。

思い返せば、子供の頃からSFの世界ではなんとなくお馴染みの感もあります。例えば、男の子なら懐かしいウルトラマンのスペシウム光線、なんてのがありましたね。あれもDEWの一種ということになるんでしょう。

でも、LMADIS、攻撃対象は今のところドローンということですが、出力が強いので、Wiredの記事にあったようにドローンの電子機器を混乱させられるのですから、さらに大出力にすれば、比較的低空を飛ぶヘリコプター、さらに上空を飛ぶ飛行機の電子機器まで影響を及ぼすことが可能になるかもしれません。

なんだか何キロ先まで届いたスペシウム光線の威力に近づくような世界は近いのでしょうか・・・・防衛当局者が「センシティブな問題」だとしているのはそういう問題を孕むことを慮っているのかもしれません。

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