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インデックス運用とアクティブ運用は対立するのか? その1  〜資産運用の世界に残る、下らない神学論争〜

少し前の記事になるが、興味深いブログ記事を拝見した。

四半世紀繰り返されてきた「インデックス vs アクティブ論争」のテンプレート
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-2004.html

ブログの著者は経済評論家の山崎元さんとインデックス投資に関する本を共著で出すなど、言ってみればインデックス投資界の教祖の一人だ。ブログではインデックス投資を批判する記事を見つけた人から「こんなことを言ってる人がいます!反論して下さい!」という報告が来て困っているという。教祖になってしまうとこんな役目まで負わされてしまうのかと気の毒になってしまう。 多少なりとも投資の勉強をした事がある人ならばインデックス運用とアクティブ運用の違いは知っているとは思うが、簡単に説明してみたい。

インデックス運用は日本ならば日経平均やTOPIX、アメリカならばダウ平均やS&P500など、市場の平均を示す値と同じ値動きをするように運用する手法のことを指す。その理論の背景は、市場は効率的なので株価の予想は出来ず、いくら情報を集めて分析・予想をしても他人を出し抜く事は多くのプロですら出来ない、ごくまれにしか存在しないインデックスを上回り続ける凄腕ファンドマネージャーを事前に見分ける事も出来ない、ならば株式投資でリターンをあげるにはインデックスファンドを買えば良い、というものだ。

一方、アクティブ運用はプロのファンドマネージャーが素人では出来ない情報収集と分析によって、銘柄の選択、売買のタイミング、配分の割合などで高度な投資判断を行う事により、他者を出し抜いて高い収益を上げることを客に約束する。その対価として高い手数料を貰う、という仕組みだ。

結果としては一般的な予想に反して、インデックス運用の方がアクティブ運用よりリターンは勝っているというのが統計的な数字だ。その差はある文献によれば2%程度で、これはアクティブ投信とインデックス投信の手数料の差とほぼ同じだという。つまり、プロの平均点は市場の平均点と同じという事で、プロに運用をお願いすると割高な手数料の分だけ損をするという何とも皮肉な結論だ。

もちろん、中にはインデックスを上回るアクティブ投信もあるが、それを事前に見分ける事は出来ない。成績の良かったアクティブ投信はその後低迷し、成績の悪かったアクティブ投信はその後のリターンはよくなる、というデータまである。事前に良いアクティブファンドを見分ける事が出来るというのは事前に株価は予想できるという話と同じくらい眉唾ものだろう。

前述の共著で山崎氏は「投資が趣味でも仕事でもない人に向けた運用方法」としてインデックス投資をお勧めしているが、これは完璧な売り文句だろう。一般的に、どんな分野でも平均点を取るにはそれなりの努力・経験・勉強が必要だが、こと投資に至ってはインデックスファンドを買うだけで良い。もちろん多少の裁量の余地はあるが、それ位インデックス投資はお手軽だ(初心者に向けて注意しておくが必ず平均が取れる事と必ず儲かる事は全く意味が違うのでご注意を)。

結論として、ベストではないがベター、というのがインデックス投資の位置付けであり、それ以上でそれ以下でもない。上記のリンク先で書いてあるように、インデックス投資を批判する人は、この微妙な位置づけの「ベストではない」という部分だけを切り取ってあーだこーだとケチをつけているので、意味のある批判にはならない。

以前、「私は『現在日本で売られている』アクティブ投信のリターンを厳密に全部チェックした結果、インデックスを上回るアクティブ投信の方が多かった。一部の株式評論家を名乗るインチキな人間の情報には騙されるな!」といったコラムも読んだ事があるが、これも勉強不足だ。

成績の悪い投信は販売が中止されてしまう事もあるので、現在売られている投信をチェックするだけでは意味がない。これは生存バイアスといわれるもので、生き残った物だけをみて、失敗したり負けたりして消えていった部分を無視して判断してしまう間違いの事だ。

さて、では上で紹介したブログで論争になっているように、インデックス運用とアクティブ運用はどちらがすぐれているのかと対立するものなのだろうか? そもそもインデックス運用とアクティブ運用は水と油のような別物なのか?

これは明らかに間違った問題設定なので、次回は自説を述べつつ、インデックスvsアクティブの論争に決着をつけてみたい。

中嶋よしふみ
シェアーズカフェ・店長
ファイナンシャルプランナー
シェアーズカフェのブログ
ツイッターアカウント @valuefp

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