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「京アニは麻薬の売人以下」記事を掲載したWebメディアの問題点

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大阪芸術大学教授の純丘曜彰先生が、今このタイミングで「京アニは麻薬の売人以下」とWebメディアに寄稿した件は、昨日エントリーに上げた。

そのとき深く突っ込めなかった点がある。

掲載媒体「INSIGHT NOW!」では、寄稿された記事の確認は掲載後に行っているというという部分だ(Biglobeニュースによる取材)。

これではメディアとは言えない。ただのCGMだ。なぜなら掲載記事の真贋や質を担保しないから。

INSIGHT NOW!の「このサイトについて」という説明を読んでみた。ナレッジワーカーだのビジョナリー(プロフェッショナル)だの凝った用語で飾っている。かっこいいw

よく読むとわかるのだが、ナレッジワーカーとは、単に自由に投稿してくる素人のことらしい。知的労働者(ナレッジワーカー)という文字面とずいぶんイメージ違うんですがそれは……。

それにビジョナリーといっても、IT業界とかテクノロジー関連で使われるような「最先端のさらに先を見通す人」(ジョブズとかゲイツとかさ)という意味ではない。単に「メディア側がプロとして扱い投稿してもらう人」という意味だった。初見で噴いたよ。いくらなんでもペーペーのライターをビジョナリー扱いとか。

説明を読む限り、このサイトの本質はやはりCGMだった。基本は素人に自由に投稿してもらって、それを公開すること。まあちょっとかっこつけた掲示板ってところさ。どこがビジネスメディアだよと。

実際、自分で「シェアメディア=共有オウンドメディア」と書いてあるしさ。

「共有」オウンドメディアというのは、かなり苦しい言い方だ。

そもそもオウンドメディアというのは個別の企業が、自社や製品のブランディング、リスト獲得のために立ち上げるメディアサイトだ。私も仕事でとあるオウンドメディアを数年運営していたことがある。

たとえばカメラ会社なら「絵になる風景を走り抜けるビジネスパーソンメディア」とかいうコンセプトにする。旅行だの旅先グルメだのトライアスロン大会取材だのエキストリームスポーツを取り上げたりとかね。カメラの宣伝記事はあまり入っていない。要するにスポンサー付きの雑誌みたいな感じさ。br />
各企業はそもそも目指す地平が違う。なのでオウンドメディアのコンセプトも異なる。団地みたいに細切れにした別コンセプト詰め込んで「共有オウンドメディア」と言い張ったって、「ブランディングもできないのに、どこがオウンドメディアだよ」と、企業の普通のマーケターは考えるだろう。

「INSIGHT NOW!」の仕組みを読み解くと、こんな感じ。

1まず素人として投稿する(サイト名「INSIGHT NOW!」に掲載)
2ファンがつけばプロ側にスカウト
3プロ側扱いになったら、ビジネスコラムとして投稿(サイト名「INSIGHT NOW!プロフェッショナル」に掲載)


プロ側というのは、INSIGHT NOW!のサブサイトである「INSIGHT NOW!プロフェッショナル」のことだ。

要するに一軍・二軍と分けていて、少なくとも二軍は誰でも自由に投稿できることになっているわけさ(そう明記してある)。

一軍であるINSIGHT NOW!プロフェッショナルの掲載原稿をどうしているのかは、ざっと見たところは書いていない。全部テーマを決めて原稿料を払う発注原稿としているのか、二軍同様、自由投稿制なのか。

いずれにしろプロ側もノーチェック掲載なようだ。純丘先生がプロ側だったので(プロ側のサイトに著者紹介がある)。

いやあノーチェックのCGMでビジネスメディアを構築するのは危険だろう。レシピ投稿サイトとかならいいんだよ。卵焼きのレシピ、思いっきりデタラメで投稿したって、たいして実害はない。

しかし仮にもビジネスメディアを自称する媒体が誰でも投稿できてしかもノーチェックで記事として載せるとはどういうことか。今回の炎上に、そのリスクが現れている。

京アニには、大阪芸術大学の卒業生も勤めている。それなのに母校の教授が「京アニ放火は同社の制作姿勢に原因がある」と言わんばかりの記事を公開したらどうなるか。自メディアだけでなく、純丘先生や大阪芸大にまで「これは大阪芸大の見解か」「母校の教授としていかがなものか」といった苦情が殺到するの見えてるじゃん。

前回も書いたが、守るべき寄稿者に恥をかかせてどうする。

それにノーチェックなら、たとえば私が登録して、いきなり「北朝鮮が韓国に攻め入った」「スマホの電磁波が危険」「参議院選の結果は電通の陰謀だ」「京アニは自業自得」みたいなデタラメ記事書いたって、それがスルーで載っちゃうわけだろ。(あっ最後のは実際載ったか)

あるいはそんなピーキーな事案でなくとも、誰かの著書やブログの盗作記事書いたって載ってしまう。電通陰謀説と違って、盗作の自然露見は難しいぞ。公開前に編集者がきちんと調べないと。

それじゃ玉石混淆の匿名掲示板と大差ない。オウンドメディア自称が冗談にしか見えない。少なくとも、読む側として参加する気にはならない。なぜなら情報のクオリティーがまったく担保されていないから。デタラメ記事真に受けて取引相手に開陳したら、ビジネスの成功もおぼつかない。

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