最低賃金を上げろというのは正義の味方っぽいけど、そこには不都合な真実がある。
誰でもできる単純作業だから時給が安いのであって、最低賃金が上がるなら手間のかかる人など雇わず、機械やAIさせればいいという話になりかねない。
先日衣料品チェーンのGUに行ったら、すべてセルフレジに変わっていた。
今までレジをするためのアルバイトがいらなくなったということだ。
セルフレジの方が人間より劣っているかといえばそうではない。
人間よりはるかに正確で優秀だ。
打ち間違いもなければ釣り銭ミスもない。
教育する必要もない。
シフトを組む必要もない。
休憩時間も必要ない。
急に休まれることもない。
最低賃金があがるなら手間のかかる人を雇うより、優秀な機械を導入して人を解雇した方がよっぽどお得という流れになっていくだろう。
経営する立場になって考えないからわからないのだろうけど、人を雇うのはめちゃ大変だ。
採用するための費用にも莫大なお金とコストがかかり、雇い始めの頃の教育に要するコストもばかにならない。
それでいて人間だから、病気になったり、何かあって休まれるリスクもある。
やめてしまうリスクもある。
ミスをする可能性も高い。
こんな手間のかかるものに高いお金を払うには、それ相応の利益をもたらす優秀な人でないともとがとれない。
だから単純作業や誰もができる作業は時給が安いのだ。
もしこれが高くなったら?
人なんてばからしくて雇えない。
機械導入した方がいい、という話になりかねない。
今あるコンビニがもし無人になったらどうだろう?
多くのアルバイトが「失業」することになる。
でもそうなる可能性は高い。
自動運転が導入されれば、ドライバー職が職を失う可能性がある。
いまだにファーストフード店にレジ打ちがいるのが謎だが、
ファーストフード店こそセルフレジを導入すれば莫大なコスト削減になるだろう。
しかもミスもしないし、シフトも組まなくてもいい。
海外ではセルフレジが導入されている店をみたことがある。
空港の荷物預け手続きがニュージーランドでは、完全セルフの機械化されていた。
あらゆる場面で機械化が進んでいく。
最低賃金でしか稼げないような単純作業の職種はどんどん機械化されていき、職そのものがなくなっていく。
それでもまだ最低賃金が安ければ、機械を導入するより人を雇った方が安いという判断になるけど、
もし最低賃金があがれば機械導入した方が安いよね、という話になる。
ただ最低賃金がどうであれ機械化は不可避だ。
別に単純作業でなくても、たとえば今まで高給取りだった金融機関の投資運用者なども、
AIにやらせた方がいいよね、みたいになって次々と職を失う可能性がある。
今はそういう時代に生きていることを考えないと、
国に文句をいって最低賃金が上がったところで自分の首をしめることになりかねない。
あなたは機械のコストより安く作業ができるのか?
機械より優秀な作業ができるのか?
この2つをクリアできないと最低賃金があがろうが、あなたの職はなくなるだろう。
*あと勘違いしている人が多いのでいっておくと、
最低賃金があがると物価もあがるから、生活はらくにはならない。
牛丼が350円で食べられたのが、
最低賃金があがれば牛丼が400円とか500円に値上がりするわけで、
賃金が増えても値段にはねかえるから、最低賃金上げても生活は豊かにならないから。
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- 2019年07月24日 23:31