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【読書感想】私がオバさんになったよ

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私がオバさんになったよ
作者: ジェーン・スー,光浦靖子,山内マリコ,中野信子,田中俊之,海野つなみ,宇多丸,酒井順子,能町みね子
出版社/メーカー: 幻冬舎
発売日: 2019/03/14
メディア: 単行本
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Kindle版もあります。

私がオバさんになったよ (幻冬舎単行本)
作者: ジェーン・スー,光浦靖子,山内マリコ,中野信子,田中俊之,海野つなみ,宇多丸,酒井順子,能町みね子
出版社/メーカー: 幻冬舎
発売日: 2019/03/13
メディア: Kindle版
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内容紹介
ジェーン・スー/光浦靖子/山内マリコ/中野信子/田中俊之/海野つなみ/宇多丸/酒井順子/能町みね子

…………

人生、折り返してからの方が
楽しいってよ。

考えることをやめない。
変わることをおそれない。
間違えたときにふてくされない。

ジェーン・スーと、わが道を歩く8人が語り尽くす「いま」。

光浦:愛し愛されるということをしてみたい。

山内:自分の小説は、「女の敵は女」は間違ってると言い続ける活動だと思ってる。

中野:自分で考えることを厭わない人が生き延びていける。

田中:男性の生きづらさと女性の生きづらさはコインの裏表。

海野:この先に誰かと出会うかもしれない。その人に子供がいたら突然親デビュー。

宇多丸:先のことなんか考えても、わからない。今この時を必死で生きるしかない。

酒井:正しい人、優しい人には、悪人に対してすぐ石を投げそうな怖さがあります。

能町:せっかく一緒にいてくれたからお金くらい残したい、という気持ちがある。

 ジェーン・スーさんの対談集。

 このタイトルをみて、僕は森高千里さんの『私がオバさんになっても』を思い出さずにはいられなかったのです。

 あの当時、森高さんが「オバさん」になるなんて想像もできなかったのですが(だからこそ、あの曲名にインパクトがあった)、森高さんは年を重ねてもすごく魅力的なままで、かえって、自分との格差を痛感してしまいます。そもそも、森高さんと自分を比べることが間違っているのだけれども。

 このタイトルについて、ジェーン・スーさんは、「まえがき」でこう書いておられます。

『私がオバさんになったよ』と言われると、少しだけ心がざわつく人に届いてほしい。そのざわつきは、読後いくばくか解消されているはずだ。たったひとつの正解しかなかった親の世代とは異なる私たちが、これから先、楽しく暮らしていく手がかりがこの本にはちりばめられているから。

 人生、折り返してからの方が楽しいかもしれない。

 これは僕もそう感じることがあるのです。

 いろんな責任を背負わなくてはならない、というプレッシャーとともに、自分で稼いだお金で食べていけて、もう、あんまりモテなくてもいいし、偉くなることも諦めてラクになったのも事実です。

 作家・山内マリコさんの回より。

ジェーン・スー:山内さんは一貫して、女子の自立や属する社会からの脱出の重要性を啓蒙してらっしゃいますよね。『あのこは貴族』も、ともすれば分断させられがちな非常に難しい役割を与えられた女同士を配しながら、キャットファイトしないところが面白かった。

 少し前の話になるんですけど、二十歳くらいの高卒で働く女の子が「今の仕事があまり好きじゃない」と言うので、「じゃあ転職すれば」って言ったんですよ。そしたら「今仕事を辞めても、私ができるのはキャバぐらいしかないし」って言われて。びっくりしました。未来があって勉強し直すことだってできる歳なのに、今ここから落ちたらキャバ嬢しかないって本人は言うわけです。そんなことないじゃんって強めにはっぱをかけたけど、我にかえると彼女の周りにはそういう現実しかないんですよね。誰だって、間近で目にしたものに一番影響受けやすいものね。

山内マリコ:環境の連鎖ってすごくありますね。周りに実例がないと、想像すらできない。その最たるものが貧困の連鎖で、メディアでは本当によく取り上げてキラーコンテンツ化してるけど、実はそのスパイラルは貧富両方で起きてるんですね。でも可視化されるのは下層の貧困ばかりで、上流はこれまで隠されてきた。

 東京で私立の学校に行ってたような人は、身近なゴシップとしてそういう階層の話をするけど、地方の大部分の人はその階層自体を知らない。東京の貴族の代表格が世襲の政治家で、小説にも王子様として登場します。貴族女子と地方出身の女性という対照的なヒロインが二人出てくるのですが、彼女たちは王子様によって「妻と愛人」みたいに、女としても分断された存在なんです。そこまで対立するカードを揃えておいて、その二人をいがみ合うような関係にはしたくなかった。そこにメッセージを込めました。

ジェーン:知識層の女の人でも「女の敵は女」と平気で言うけど、そのロジックが自分たちの首を絞めてることがもっと広く知られたらいいなと思います。男同士の利害が対立しても「男の敵は男」と言う人は誰もいないわけで。「男の人にとって女同士が仲良くなるのは困るのよ」みたいな台詞が『あのこは貴族』にあって、こんなふうに言える小説最高って思いました。

 希望格差社会だよなあ、と、これを読みながら僕は考えていたのです。

 ジェーン・スーさんも、どちらかといえば「貴族側」の人ではあるんですよね。

 ライムスター宇多丸さんとの対談で、宇多丸さんとジェーンさんが、早稲田大学のソウルミュージック研究会で先輩後輩だった、という話が出てくるのですが、そういう「学生時代の人脈」みたいなものが、人生の転機で活きてくるところはあるのです。
 
 それが良いとか悪いとかじゃなくて、人間は、自分が知らない世界で生きている人からみえている世界の姿を想像できない。

 そういう溝を埋めるために、文学とか芸能とかいうのが果たす役割もあるのでしょうけど。

 この宇多丸さんとの対談では、ジェーン・スーさんの「出世作」でもある人生相談についての話も出てきます。

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