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「改憲の議論すべきだ」が「参院選での国民の審判だ」ではない!

(1)日曜日(7月21日)の参議院通常選挙の結果を受け、
安倍晋三自民党総裁・首相は、翌22日、記者会見で、
「安定した政治基盤の上に新しい令和の時代の国づくりをしっかり進めよと、国民の皆さまからの力強い信任をいただいた」
と述べたことに対しては、民意はそうではないことを指摘した。

2019年参議院通常選挙で「安倍自公政権は国民の信任を得た」とは言い難い
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51924749.html

(2)安倍自民党総裁・首相は、その記者会見で、以下のようにも語っていた。

「少なくとも(憲法改正について)議論すべきだ、というのが参院選での国民の審判だ。野党にはこの民意を正面から受け止めていただきたい。・・・」

しかし、そのような民意をどのように確認したのだろうか?
自民党は独自に世論調査したのだろうか?

むしろ、
民意は安倍総裁・首相の見方とは逆である
ことを推定させる調査結果しかないので、
民意を全く無視した出鱈目であると評さざるをえない。

選挙戦を簡単に振り返っておこう。

(3)安倍自民党総裁は、今回の参議院通常選挙の運動期間中の演説で
以下のように「国会での改憲論議」を訴えた。
「【令和の未来 政策を問う】憲法 首相が争点化主導、街頭で異例の訴え」(産経新聞2019.7.13 19:35)は、安倍総裁の演説を報道した。

「憲法審査会が憲法論議を1分もやらないまま1年以上が過ぎた。憲法改正に賛成か反対かではなく、まずは議論しよう」

(4)しかし、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が
今月(7月)14、15両日に行った合同世論調査で、
21日投開票の参院選で最も重視する政策を尋ねたところ
「医療・年金・介護など社会保障」42・5%
「景気・経済政策」20・6%
「子育て・少子化対策」11・0%
自民党が公約で第一の柱に掲げた「外交・安全保障」7・0%、
安倍晋三首相(自民党総裁)が議論の是非を問うとしている「憲法改正」5・1%。
憲法改正は自民支持層でも5・7%
(【産経FNN合同調査】参院選最重視は社会保障」産経新聞2019.7.16 14:34)。

(5)また、21日の参議院通常選挙で、
共同通信社が実施した出口調査で「安倍晋三首相の下での憲法改正」
について賛否を聞いたところ、
全体で反対が47・5%、賛成40・8%。

支持政党別に見ると、
自民党は賛成73・7%、反対18・1%、
公明党は賛成46・6%、反対39・6%。

この出口調査によると、
「安倍晋三首相の下での憲法改正」に賛成よりも反対が多いし、
自民党に投票した有権者でさえ反対が18%もある。

(6)そして選挙結果でも、
参議院の改憲勢力は「3分の2」を割り込んだ。

(7)各政党が国会で社会保障などに精力的に議論するためには、
改憲論議は有害無益だ。
単に議論するだけであれば尚更だ。
もし国会で改憲論議が具体的に行われてしまうと、
「社会保障」など国民の多くが求める政策議論については
マスコミの報道も減り、かすんでしまいかねないからだ。

(8)要するに、
安倍自民党総裁・首相が
「(憲法改正について)議論すべきだ、というのが参院選での国民の審判だ。」
と発言したのは、
明らかにデマの類いとしか言いようがないし、
安倍氏は、選挙後も相変わらず
民意を無理する人物であることに変わりがないようだ。

これも、民意を歪曲する選挙制度が生み出し続けている悲劇だ。

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