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【読書感想】Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
作者: クリスティーン・ポラス,夏目大
出版社/メーカー: 東洋経済新報社
発売日: 2019/06/28
メディア: 単行本
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Kindle版もあります。

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
作者: クリスティーン・ポラス
出版社/メーカー: 東洋経済新報社
発売日: 2019/06/21
メディア: Kindle版
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内容(「BOOK」データベースより)
一流のエリートほど、なぜ、不機嫌にならないのか?ビジネスに効く!人間関係も良くなる!社内「処世術」の秘訣、礼節メールの極意、危険人物の見抜き方、怒りを鎮めるコツ―「職場の無礼さ」の研究、20年の集大成!全米で話題「礼節の科学」、日本初上陸!

 他人に対して親切に、礼儀正しくしたほうが、職場の雰囲気もよくなり、仕事もうまくいくようになる。

 なんとなくそんな気はするというか、そうであってほしいのだけれど、実際にはパワハラまがいの強制力を持った有能な人が実績をあげ、力を持っていることも多いし、みんなに親切にすればするほど、余計な仕事を押し付けられ、負担が増えていくのではないか……
 
 そんなことを考えながら、僕はこの本を読みはじめました。

 正直、ここに書かれていることが、日本でもあてはまるのか、グーグルとかフェイスブックのような「有能な人たちが集まった組織」じゃないと、礼節が効果をあげるのは難しいのではないか、という疑問は残るのです。

 それでも、25年くらい、いろんな職場(病院)で働いてきて感じるのは、少なくとも、時代は「パワハラで恐怖政治を敷く人」よりも、「周囲をうまくサポートして、気分良く仕事をさせてくれる人」を求めているのではないか、ということなんですよ。

 多くの企業の上層部や中間管理職が引きずっている、昔の「厳しく接して育てる」という感覚は、完全に時代遅れになっている。いや、もしかしたら、ずっと前からそんなの無意味、あるいは、スティーブ・ジョブズとかジェフ・ベゾスのような超天才にしかあてはまらないことなのに、「有能であれば、人格に問題があっても仕方がない」という思い込みだけが残されてきたのかもしれません。

 どんなに有能で実績を残している人でも、その「不機嫌」や「パワハラ」が周囲のパフォーマンスの低下をもたらすことを考えると、総合的には組織にとってマイナスになる場合がほとんどなのです。

 読んでいて、いままで自分が周りにぶつけてきた苛立ちや不機嫌な言動が恥ずかしくなってきたんですよ。

 吉本興業の上層部の人たちも、この本を読んでおけばよかったのに、と思わずにはいられませんでした。

 アメリカ心理学会(APA)の試算によれば、職場のストレスによってアメリカ経済にかかるコストは1年に5000億ドルにものぼるという。なんと仕事上のストレスが原因で毎年5500億円もの就業日が失われ、職場で発生する事故の60~80パーセントはストレスが原因で、アメリカ人の通院の約80パーセント以上がストレスに関係しているとも言われる。

 アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の報告によると、日々ストレスを感じながら仕事をしている労働者は、そうでない労働者に比べ、医療にかかるコストが46パーセント高いという。

 そしてストレスの大きな原因のひとつとなっているのが人間関係の問題である。ストレスの半分はこれが原因だ。

 無礼な人間が害になるのは、医療費が高くなり、病欠が増えるからだけではない。17の業界の800人の管理職、従業員を対象に、私が同僚のクリスティーン・ピアソンとともに実施した調査では、職場で誰かから無礼な態度を取られている人について次のようなことが言えるとわかった。

・48パーセントの人が、仕事にかける労力を意図的に減らしている。
・47パーセントの人が、仕事にかける時間を意図的に減らしている。
・38パーセントの人が、仕事の質を意図的に下げている。
・80パーセントの人が、無礼な態度を気に病んでしまい、そのせいで仕事に使うべき時間を奪われている。
・63パーセントの人が、無礼な態度を取る人を避けるために仕事に使うべき時間を奪われている。
・66パーセントの人が、自分の業績は低下していると答えている。
・78パーセントの人が、組織への忠誠心が低下したと答えている。
・12パーセントの人が、他人の無礼な態度が原因で転職をした経験があると答えている。

・25パーセントの人が、無礼な人にストレスを感じたせいで顧客への対応が悪くなることがあると答えている。

 無礼な人間のせいで企業が利益や社員を失ったとしても、その多くは目に見えず、誰にも気づかれない可能性がある。誰かのひどい態度のせいで仕事を辞める決心をした人の多くは、雇用主に本当の理由を言わない。離職者が多いと、それに伴うコストが跳ね上がることになる。特に辞めるのが能力の高い社員である場合には、その人の年収の4倍ものコストがかかる場合もある。

 無礼な態度の人が職場にいると、管理職の時間もそれによって奪われることになる。フォーチュン誌に掲載された人材派遣会社アカウンテンプスの調査結果によれば、フォーチュン1000企業の管理職、幹部は、社員間の人間関係の修復、あるいは無礼な人間による悪影響への対応のため、職場での時間の実に13パーセントを奪われているという。

 無礼な、あるいは横暴な人間の存在は、組織全体にここまで大きな影響を与えるのです。

 さらに、無礼さは伝染していきます。

 他者から無礼な態度をとられた人は、他の人に対して無礼な態度を取りやすくなる、というデータも紹介されています。

 人は、自分が大事にされていないと、他人を大事にするのが難しくなるのです。

 著者が実施したアンケートでは、回答者の40パーセント近くが、仕事の場で部下に優しく接したら、それにつけ込まれるのではないか、と恐れており、半数近くが、自分を誇示するのが言うことを聞かせる最良の方法だと考えていたそうです。

 しかしながら、そのような態度は、「現代の管理職やリーダーではマイナスに働く」「マキャベリの主張は現代には当てはまらない」のです。

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