- 2019年07月24日 08:22
【顔認証データの恐怖】
顔のデータを使ったアプリ=FaceAppの広がりで、アメリカでは顔認証の恐怖に関する報道が相次いでいます。
こちらはFaveAppを使ったカナダ首相の老け写真。
シカゴのWTTWによりますと、「将来や過去の自分に写真を転換できるアプリの人気が高まるにつれて、プライバシーに関する懸念も高まっている」と報じています。
このアプリを開発した会社がロシアに本社があり、AI=人工知能を使っているということで、野党民主党のシューマー上院議員はFBI=連邦捜査局やFTC=連邦取引委員会に対して捜査を要請しました。
機械学習によって画像を解析してその人物の老化した予想画像と若かった頃の画像を作ります。
一方で、消費者に対する説明に対する懸念ついては、フェイスブックやインスタグラム、グーグル、スナップチャットと変わらないとしています。
声明の中でFaceAppは「画像のほとんどはクラウド上で行なっている」とした上で「多くの画像がアップロードされてから48時間以内に削除される」と説明しています。
これに対して、パスワードは変更できても、顔認証に必要な顔を変えることはできないと指摘し、「顔認証でパスワード解除することは勧めない」という専門家のことばで締めくくっています。
The Atlanticは、FaceAppなどの顔認証技術について、軍隊や捜査当局、企業はさまざまな活用方法を妄想する一方で、法律や規制は後手に回っていると指摘。
FaceAppはロシアの開発企業ですが、ルーツに限らずどのテック企業も消費者のプライバシー保護にもっと力を入れるべきだと強調しています。
「顔認証は氷山の一角に過ぎない(Facial recognition is only the tip of the iceberg)」だとして、自動車のナンバーパート、AIスピーカー、掃除機のルンバ、遺伝子解析の23andMeや、Ancestery.comなどがさまざまの個人データが収集されているとして、ハーバード大学のShoshanna Zuboffが「監視資本主義の時代(age of surveillance capitalism)」と呼んでいるということです。
New York Timesは、カリフォルニア州のサンフランシスコ市が月に市当局が顔認証技術を使うことを禁止したのに続き、マサチューセッツケンブリッジ、先月には、カリフォルニア州オークランド市が同様の措置に踏み切ったと報じています。
さらにカリフォルニア州で審議されている、警察が収集した動画から得た顔認証を使うことを禁止する法案が勢いを増しているとしています。
CNNは、顔認証技術が捜査から大学の授業の出欠確認まで用途はいろいろあるが、そもそも白人男性が開発した技術は有色人種や女性にうまく適応されないという懸念を伝えています。
サンフランシスコ市やオークランド市に続き、近隣のバークレー市も同様に市当局が顔認証技術を使ったり買ったりすることを禁止する法案を審議しているということです。
こうした一連の議論に拍車をかけたのはフェイスブックの個人データ流出ですが、WSJは、アメリカ政府で消費者保護を担当するFTC=連邦取引委員会が今週にもフェイスブックとの間でプライバシー保護について発表すると報じています。
すでにフェイスブックが50億ドルを制裁金として支払うことは決まっていますが、合意の一環として、フェイスブックがプライバシー保護を監視する委員会を設置するとしています。
フェイスブックが24日、ことし4月から6月までの3か月間の決算を発表する際に、対策を公表するという見方を示しています。