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「韓国に実質的な痛みを」宇都隆史参議院議員

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©Japan In-depth編集部

安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

3年間は文政権に付き合わざるを得ない。
日米韓の連携を一番必要とするのは、実は韓国。
・日本と連携するメリット、反目することのデメリットを韓国民に知らしめるべき。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46995でお読み下さい。】

岩屋毅防衛相が、韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件で日韓で対立している中、韓国の鄭景斗(チョン・ギョン ドゥ)国防相と6月1日にシンガポールで非公式会談したことに対し、怒りで体が震えると発言したことで注目を集めた宇都隆史参議院議員

岩屋防衛大臣のこの問題の本質をどう捉えているのか聞いた。

宇都隆史氏(以下、宇都): 一番違和感を感じたのは、政府全体として、どういう意思決定プロセスがあったのかということです。 やるならやるで、(非公式の形でもいいですが)、何を求めて会おうとしたのか、具体的に成果は上がったのか?ということを明確にする必要があります。

防衛省、外務省、官邸、それぞれにどういう状況判断だったのか確認しましたら、官邸にしても外務省にしても、 「膠着状態になっているこのタイミングで会っても、なにも成果が得られないので時期尚早である」という判断だったわけです。しかし岩屋防衛大臣の、会いたいという強い希望で実現することになりました。これは、周りが見えていない岩屋大臣の勇み足です。

更には、やるならやるでそれを支える防衛省の官僚が、例えいい成果は出なくても、悪いほうに切り取られないよう、最低限間違ったメッセージを与えないよう下準備をきちんとやるべきでした。二重の意味で、今回は非常に不用意だったと、判断せざるを得ません。

安倍: 官邸はなぜブレーキを踏めなかったのでしょうか?

宇都: 防衛当局間で会う、あるいは、外務省の当局間で会うことに関して、いちいち官邸側が、会う会わないのジャッジメントをする事はしないようにしていると思います。それぞれの担当所掌がありますから、担当省庁でよく考えた上で、政府全体としての足並みは揃えていくということなんでしょう。だから、官邸として「今は会わないほうがいいと思うよ、そういうタイミングではないと思うよ」という意見はしたけれども、最終的に防衛大臣が決断をするというのは間違いではありません。

いちいち大臣が(韓国の防衛大臣と)会うか会わないか、官邸にお伺いを立てて、総理が決めなきゃ物が動かないという方が問題だと思います。しかし、会うにしても、何かしらの成果を得られるという確信を持って実行しなければなりませんし、誤解を与えたり、発言を切り取られたりしないように、戦略性を持って対処しないといけないと思います。

安倍: 実際に党の中で宇都さん以外に声を上げる人が少ないのは問題ですね。

宇都: 少ないですね。私のほかには参議院の青山繁晴先生や、元防衛大臣の小野寺五典先生ですとか、そのくらいです。この問題が起きて自民党の国防部会の議題に上ったときも、事前に私のところに、「あれは問題だ、声を上げなきゃ」と連絡してきた先生はもっといたんです。しかし、実際に部会で手を挙げたのは私だけでした。その他ご意見はありませんか、と言ったらシーンと静まり返った状況で、私が烈火のごとく非難したんで、手を挙げにくかったんじゃないの、という人もいましたけれども、全体的にダメなものはダメだと言うのをためらう妙な空気感はありますね。

▲写真 ©Japan In-depth 編集部

安倍: 党として政府にきちんと物をいう姿勢は必要だと思いますが。

宇都: この問題が起きた時、私自身も国会議員として考えたのは、他党やマスコミから批判が出る前に、自民党として中から声を上げないと、かえって「身内に優しい」とか、「自民党自体が容認している」とか、取られかねないなと危惧したのです。

会談の実施について確認しましたけれども、「官邸からの指示は一切ない」ということでした。ですから私の認識では、岩屋大臣自身が、深いところまで練られた戦略性とか全くない浅はかな考えで、「関係が悪いから話し合いの場を持ちましょうよ」と歩み寄る“大人の対応”を演じることで、大局観を持っている様なアピールをしたかったのではないでしょうか。

徴用工の問題も含めてですが、「(韓国が)これ以上ゴールを動かしたり、クレーマーのような対応をしたりしても、日本政府は一切“大人の対応”はしないぞ」ということを突き付けているタイミングで、 足並みが揃ってない印象を相手に与えるのは良くないと思いました。

レーダー照射

レーダー照射は危険な行為なんです。だからこそ、CUES(Code for Unplanned Encounters at Sea:キューズ・海上衝突回避規範)で21 か国が偶発的衝突防止のためにこれをやめようと協定を結んでいるわけです。ロックオンするということは、安全装置が働いていない状態でボタンさえ押せば、(相手を)撃墜できるということなのです。パイロットが死傷する可能性が高い行為で、国際法上は攻撃とみなしても構わないという高いレベルでの敵対行為です。政府は事案発生以降、部隊には「近づくな」等の指示は出さず、今まで通りきちんとやれ、と言ってます。

場合によっては、韓国側がまた(日本の自衛隊機に対して)低空飛行をした、といちゃもんつけてレーダー照射してくる可能性があるわけです。パイロットにとってみたら、危険がそのまま放置されてるわけだし、そういう危険なところに自分の主人や息子らを送り出している家族にとってみたら、やっぱり心配で不安が高まっていると思います。その様な現場や家族の声を代弁し、韓国側へ厳しく抗議出来る立場にあるのは、防衛大臣しかいないのです。にも関わらず、ああいう風ににこやかに握手をすること自体が隊員の士気に関わると思います。「この大臣の下で本当に我々は命を懸けていいんだろうか」という疑問というか、スカッとしない、もやもやとした気持ちがうっ積すると思うのです。そうしたものが塵のように積もっていくと、大きな事故が起きたりとか、士気の低下による服務事案の発生につながってくるのです。

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