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[NoVoice → OneVoice] No.03 萱野 稔人 氏 ( 津田塾大学准教授 )

ネットによる情報公開と政治の決定権の独占が揺らぐ

K: インターネットの登場によって、政治だけでなく民間でも多くの情報開示が進みました。例えば、ネットもなくテレビもそれほど発達していなかった時代に、アメリカの大統領の演説を聞けた人はほんの一部の人だけでした。日本に情報が来るときには編集された状況になっていて、一次情報は一部の人しか持てませんでした。そして、この一次情報をもとに何かを決定する決定権も独占されています。

そもそも、政治はものごとを決定して、人々を従わせて、社会を運営する立場です。その決定をするということ自体が情報の独占と密接に結びついていて、情報を独占している分決定権も独占できた。というのがいままでのあり方でした。

ところが今ではネットを使って、リアルタイムでも後日でも、そして誰もが一次情報を見ることができるようになりました。つまり、情報開示が進むことによって、決定権の独占自体も揺らいできているのです。

ネットによって、情報だけではなく、決定権にもアクセスできるようになったということです。

インターネットによって、立候補者が変化してくる

K: これまで立候補者は既存の組織や地域の共同体的ネットワークをつかって自分の意見を伝えていました。ということは、いままではそのような組織・ネットワークを使える人に立候補者は限られていました。

ところが、インターネットによって限られた人でなくても伝えることができるようになると立候補者が変わります。選挙運動の仕方が変わります。組織票以外の浮動票がネットによってより影響を持つ可能性が増えてきて、それをあてにした人が立候補してくることもあると思います。

出る人が変われば、選挙の論点も変わってきます。組織化されていない人を想定した論点を立てる人が出てきます。その際に、組織の論理での判断と、一人一人の判断のどちらが正しいものなのかは、状況によるもので一概には言えないですが、そもそもの流れとして、組織に所属している人が減っていくことは避けられません。

これまで、新聞のようなオールドメディアでの世論しか気にして来なかった候補者が、こ今後はネットでの世論も気にするようになります。オールドメディアとネットの世論は明らかに違うから、そこには大きな違いが出てくると思います。

また、ネットの世論は少し予想がつきにくい。なぜなら、ネットはメディアであって、メディアでないからです。オールドメディアのような、情報を加工して伝える役割の人がいません。そのため、編集・検閲・取捨選択をする媒介機能が非常にすくないです。

その状況の中で、最善の仕組みを作っていくということが求められます。最善の仕組みというのは、情報はどんどん与え、考える材料を見せて、市民が考えることの出来る状況を作ることです。そのために、試行錯誤をしながら決定の枠組みを作っていくしかありません。

公共財としてのインターネットの存在

K: 現在では、ネットはすでに公共財となっています。ネットがなければ行政は成り立っていかない。震災でも明らかになったように非常時にも強い力を発揮します。

この公共財を無視してこれからの社会を組み立てていくことはできないでしょう。当然ながらこの公共財は、選挙運動にも適用されるべきなのです。

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